なぜ片付けができないの?子供が自ら整理整頓するようになる方法 - cocoiro(ココイロ)

「片付けなさい!」といつも怒鳴ってばかり。なぜ、子供は片付けができないのでしょうか? 怒られてしぶしぶ片付けをしている子供は、次また怒られるまで片付けません。子供が自ら整理整頓できるようになるには、しかけが必要です。子供が片付けられない理由を分析し、自分で整理整頓できるようになる方法を考えてみましょう。

片付け・整理整頓が苦手な子供の特徴

片付けができない子供は、大きく分けて3つのタイプに分かれます。

片付け・整理整頓の仕方が分からない

実は、そもそもどうやって片付ければいいのかが分からない子供がたくさんいます。なぜ、片付けの仕方が分からないのでしょうか?

物が多すぎて、管理能力を超えている

子供は年齢ごとに必要な物が変わるので、次から次へと新しい物が増えていきます。気がついたら洋服ダンスも引き出しもいっぱいです。あふれかえる物を片づけるのには、大変な労力を要します。必要な物を出すためには手前にある物を出さなくてはならず、「散らかりやすく、片付けにくい」部屋になっている可能性があります。

親がきれい好きで、先に片付けてしまう

「片付けなさい」と怒っても、結局子供が片付けるまで待てず、親が先に片付けてしまうこともよくあります。子供は自分で片付けたことがないので、どのように片付ければいいのかが分かりません。子供が自分で片付けられるようになるためには、親も忍耐が必要です。

物の住所が決まっていない

物をしまっておく定位置が決まっていないと、使った後はとりあえずどこかに置いておくことになります。すると、テーブルや棚の上が一時的に置いておいた物でいっぱいになってしまいます。「片付ける」ことは「もともとあった場所に戻す」ことですが、物の定位置が決まっていないと、子供はどこに片付けていいか分かりません。

片付け・整理整頓は時間の無駄と思っている

子供が片付けを嫌うもう1つの理由は、面倒くさいからです。子供はやりたいことがたくさんあります。それらのやりたいことを中断して、片付けに時間を取られるのは嫌だからです。

発達障害の可能性も

片付けがどうしてもできない子供の中には、発達障害が原因という子供もいます。発達障害とは、脳の発達が生まれつき通常と異なっているために日常生活の中でうまくいかないことが起こる障害です。特に注意欠如・多動性障害(ADHD)は、整理整頓できないことが特徴の1つです。ほかにも下記の症状が見られたら、発達障害の可能性も視野に入れるべきでしょう。

学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、など

(引用元:発達障害|発達障害のサイン・症状|注意欠如・多動性障害(ADHD)|厚生労働省

なお、発達障害のある人でも、周囲の人が特徴を理解し、その人に合ったやり方で日常生活を送れるよう工夫すれば、本来の能力を発揮することができます。ただし、片付けに限らずさまざまなサポートが必要となるため、専門家に相談しましょう。

3つのステップで片付け実践!

原因がはっきりしたら、子供の片付けの障壁となっていることを取り除き、片付けを実践しましょう。

理想の空間を考える

片付けは、子供の自由時間を奪うのではなく、やりたいことができる時間と空間を作り出す行為です。子供に、自分の部屋で何をしたいか、そのためにはどんな空間が必要かを考えさせましょう。大きなレゴの街を作りたい、友達を呼びたい、受験勉強に集中したい……。散らかっている部屋では、それらのことが思う存分できないはずです。

理想の空間を描くことができたら、実際に片付けに取りかかります。手順は「出す」「分ける」「しまう」の3ステップです。

【出す】何を持っているか把握する

まず、タンスや引き出しの中身をすべて出してみましょう。すべて出すことにより、どれだけの物を持っているかを把握します。同じ物をいくつも持っていたり、持っていることを忘れているような物が出てきたりします。

【分ける】管理できる量に減らす

次に、出した物を「よく使う物」「時々使う物」「使わないけれど要る物」「使わない物」に分けます。「よく使う物」が意外と少ないことに気づくでしょう。

問題は、「使わない物」です。まだ使えるけれど使わない物がたくさんありませんか? 「使える」と「使う」ははっきり区別しましょう。生活に必要なのは「使う物」です。まだ使える物を捨てるのはもったいないと思うかもしれません。しかし、それらの物が家族の時間と空間を奪っていると気づけば、思い切りがつくのではないでしょうか。どうしても思い切りがつかない物は、段ボール箱に日付を書いて物置などにしまっておくのも良いでしょう。1年後に段ボール箱が未開封であれば、不用品として処分しても問題ありません。物を管理しきれる量に抑えることが、整理整頓できるようになるコツです。

【しまう】収納を見える化する

最後に、「よく使う物」「時々使う物」「使わないけれど要る物」をしまいます。

「よく使う物」は、一番手前の取り出しやすい場所に、空間に余裕をもってしまいます。どこに何があるか一目見て分かるようにすると、片付けやすくなります。ドア付きの棚は閉めるとすっきり見えますが、子供にとっては中身が見えず片付けにくくなります。

「時々使う物」は棚や引き出しの奥にしまいます。クリアボックスに入れて積んでおけば、必要なときに探さずにすむでしょう。

「使わないけれど要る物」は、物置や天袋など別の場所に収納すると良いでしょう。