学童期の特徴と課題は?発達段階を意識した関わり方もご紹介!

発達段階の中でも、小学校の時期に当たるのが「学童期」です。生活の場や人間関係が広がります。学童期には、勤勉性を伸ばすことで有能感を獲得しやすくなる一方、有能感を獲得できない経験を積むと劣等感を抱いてしまいます。だからこそ、学童期では自己肯定感を高めるために、自分でやりきる機会や周りからの承認が必要と言えるでしょう。

エリクソンが提唱した発達段階とは?

エリクソンは、アメリカの発達心理学者です。幼児期や学童期、青年期、壮年期など、人間の自我の発達を8つに区分しました。まずは、エリクソンの生い立ちと8つの発達段階をご紹介していきます。

アイデンティティの概念を提唱した発達心理学者

エリク・H・エリクソンは、「アイデンティティ」の概念を提唱したことで有名な発達心理学者です。日本語では「自己同一性」と訳され、心理学用語としてだけでなく、世間一般でも使われている言葉です。例えば、「日本人のアイデンティティ」や「企業のブランドアイデンティティ」など、識別や企業理念という意味でも広く使われています。

エリクソンはユダヤ系デンマーク人で、見た目が北欧風であったことからユダヤ人の中で差別を受け、さらに生まれ育ったドイツの学校ではユダヤ人ということで差別を受けました。また、父親が不明で、母親の再婚相手を実の父親と認識することもなかったようです。このような生い立ちから、アイデンティティについて自然に考える機会が多かったのかもしれません。

エリクソンが区分した8つの発達段階

第二次世界大戦が近づいてきたことで、エリクソンはヨーロッパからアメリカに移住します。そこで、生まれたばかりの赤ちゃん(乳児期)から65歳以上の大人(老年期)を8つの段階に分けて、自我の発達を提唱します。それをまとめたのが、下記の表です。

区分 年齢 心理的課題 導かれる要素
乳児期 0~17カ月 基本的信頼vs不信 希望 授乳
幼児前期 18カ月~2歳 自律性vs恥・疑惑 意志 トイレトレーニング
幼児後期 3~4歳 積極性vs罪悪感 目的 探検、道具の使用
学童期 5~12歳 勤勉性vs劣等感 有能感 学校、スポーツ
青年期

(思春期)

13~19歳 同一性vs同一性の拡散 忠誠心 社会的関係
成人期 20~39歳 親密性vs孤独 恋愛関係
壮年期 40~64歳 生殖vs自己吸収 世話 仕事、親の立場
老年期 65歳~ 自己統合vs絶望 賢さ・英知 人生の反響

エリク・H・エリクソン|Wikipediaより筆者作成)

この8つの区分は、教育学部や心理学部の学問を学んでいる学生だけでなく、子育て世代の会話やニュースでも使われるほど定着しています。

参考

37 子どもの発達と発達課題|一般社団法人日本学校教育相談学会

学童期(小学校前半)の特徴と課題

アメリカの小学校に入学する年齢が5歳であるため、学童期は5~12歳とされています。大まかには、小学校在学中と考えることができます。まずは、小学校前半に当たる小学校1~3年生の特徴と課題をご紹介します。

善悪の判断が進む

幼児期を経て、自分と自分以外の世界との関係を少しずつ理解していきます。そんな中で、善悪の判断ができるようになっていきます。

また、生活の場が家庭だけではなく、学校や地域へと広がっていきます。言語能力や認識能力も幼児期から飛躍的に発達する時期なので、自然や周りの人への関心も高まっていきます。

勤勉性vs劣等感

発達の課題は、勤勉性と劣等感です。学童期の子供は自分でできることが増え、より新たなスキルを得ようとします。この時期に自分でできる成功体験をすることで、より勤勉にスキル獲得を目指します。しかし、やったことがうまくいかずに、周りから笑われたり、大人に叱られたりすると、劣等感が生まれ、有能感とは真逆の無能感を得てしまいます。