幼児期は前期と後期に分かれる!発達段階ごとの特徴と課題を解説!

エリクソンが提唱した発達段階の幼児期は、18カ月から5歳になるまでを指します。1人で歩き始めるようになり、言葉が増え、自分以外の世界と積極的に触れあいます。この時期は、大人の「当たり前」が当たり前ではなく、他者の存在が必要不可欠です。今回の記事では、幼児期の特徴と課題、そして接するときに意識したいポイントを3つ解説します。

エリクソンが提唱した発達段階とは?

アメリカの発達心理学者で精神分析家のエリクソンが提唱した8つの発達段階をご紹介します。そもそも「発達段階」という考え方は「運動能力の発達」や「論理的思考の発達」「心理社会的な状況の発達」など、いくつかの観点で区分して紹介されます。そんな中でも、エリクソンによる発達段階は、幼児期、青年期、壮年期など馴染みのある区分ではないでしょうか。

アイデンティティの概念を提唱した発達心理学者

エリク・H・エリクソンは、心理学分野のみならず社会的に影響力を持った人物です。エリクソンを発達心理学者として有名にしたのは、「アイデンティティ」という概念の提唱と言えるでしょう。アイデンティティは日本でも一般的に使われ、「自己同一性」と訳されることが多い言葉です。

エリクソンはユダヤ系デンマーク人であり、見た目が北欧風であったことからユダヤ教会で差別を受け、ドイツの学校でもユダヤ人ということで差別を受けて育ってきました。また、父親は不明で、3歳のころに母親が再婚しますが、実の父親とは思えなかったようです。このような生い立ちから、アイデンティティについて考える機会が多かったのではないでしょうか。

エリクソンが区分した8つの発達段階

アメリカに移住してからは、イェール大学やカリフォルニア大学バークレー校、ハーバード大学など名門大学の教員を歴任します。そこでエリクソンは、生後の乳児期から65歳以上の老年期までを8つの段階に分けて、自我の発達を提唱しています。

区分 年齢 心理的課題 導かれる要素
乳児期 0~17カ月 基本的信頼vs不信 希望 授乳
幼児前期 18カ月~2歳 自律性vs恥・疑惑 意志 トイレトレーニング
幼児後期 3~4歳 積極性vs罪悪感 目的 探検、道具の使用
学童期 5~12歳 勤勉性vs劣等感 有能感 学校、スポーツ
青年期

(思春期)

13~19歳 同一性vs同一性の拡散 忠誠心 社会的関係
成人期 20~39歳 親密性vs孤独 恋愛関係
壮年期 40~64歳 生殖vs自己吸収 世話 仕事、親の立場
老年期 65歳~ 自己統合vs絶望 賢さ・英知 人生の反響

エリク・H・エリクソン|Wikipediaより筆者作成)

現代の日本に当てはめると、寿命が延びていることや晩婚化、思春期の早まりなどにより、ずれはあります。それでも、教育学部や心理学部だけでなく、広く一般的に活用できる考え方として定着しています。

参考

37 子どもの発達と発達課題|一般社団法人日本学校教育相談学会

幼児前期の特徴と課題

18カ月から3歳になるまでの年齢を幼児前期と区分します。この年齢のお子さんの特徴と課題をご紹介します。ただ、お子さんによって発達のテンポは異なります。今特徴が出ていないと問題がある、課題を必ずクリアさせなければいけないというものではないことをご留意ください。

歩いたり、しゃべったりして「意志」を獲得する

1歳ごろから1歳半(18カ月)ごろにかけて、赤ちゃんは歩き始めるようになります。また、1歳半ごろから3歳にかけて、「ママ」や「ワンワン」のような一語だけでなく、言葉をつなげて話すことができるようになり、一気に言葉の表現が広がってきます。つまり、幼児前期の特徴は、歩き始めて、手が解放され、言葉も伝えられるようになる年齢と合致しているのです。

この年齢の子供は、周りの助けがなければできなかったことが少しずつ自分でできるようになっていきます。この時期に、周りにいる大人が適切なサポートと見守りをすることで子供は自信をつけ、自分からいろいろなことにチャレンジするという「意志」を獲得していきます。

自律性vs恥・疑惑

幼児前期は、前掲の表にもあるように、トイレトレーニングをする時期でもあります。これは、肛門の周りの筋肉を含めた全身の筋肉が発達することで、排泄をコントロールできるようになるためです。

この時期になると、トイレトレーニングや着替えなど、自分でコントロールできること、自律性を身につけていきます。一方で、それができない体験を通して恥ずかしい思いもします。