アンスクーリングのメリット
日本にはまだ浸透していないアンスクーリングですが、大きなメリットが3つ挙げられます。
子供のペースで学べる
アンスクーリングでは子供の興味や自主性に応じて学ぶことができます。学校のように決められた計画や強制力はありません。一人一人の子供に合わせたペースで学ぶことができるメリットがあります。
いじめなどのトラブルから遠ざかることができる
近年はいじめの問題が深刻化し、中には心を病んだり、自ら命を絶ってしまう子供達もいます。いじめは耐えて乗り越えるものではありません。命を絶つほどの傷を負ってしまうのであれば、そのようなトラブルから子供を遠ざけることも一つの選択肢といえます。学校へ行きたくないという子供にもう一度学びの舞台を与えることができるのも、アンスクーリングのメリットです。
個性を伸ばしやすい
学校は個性よりも集団を重視します。社会性を養うという名目ではありますが、没個性になってしまう懸念はあります。学校には少なからず強制力があります。その強制力が子供の個性を失わせてしまう可能性があるのです。しかしアンスクーリングでは、自由に自分の好きなことを学べるので、個性を伸ばしやすいというメリットがあります。
アンスクーリングのデメリット
アンスクーリングにはメリットだけではなく、デメリットもあります。アンスクーリングを選択する際には、デメリットも視野に入れて検討することが必要になります。
経済力が必要になる
アンスクーリングは放置とは異なります。親が子供と一緒に学ぶことが重要になってきますので、親が不在の状態では本来の目的を達成できません。共働き世帯が増えている近年では、親が日中に家にいないことも多いでしょう。その状態はアンスクーリングではありません。子供と一緒に学ぶ時間を確保できる経済力が必要になります。
学歴がない
これから変化をしていく可能性はあっても、いまだに日本は学歴社会です。学校に在籍しない以上は、「〇学校卒業」という学歴がありません。ホームスクーリングやアンスクーリングなどのオルタナティブ教育に理解を示してくれる人ばかりではないのが現実です。
世間からの理解を得られない場合がある
日本ではいまだにアンスクーリングやホームスクーリングは一般的ではありません。「学校は行くべきところ」という風習が色濃く残っているからです。理由のある不登校でさえ、周囲に知られたくないと思うことが多いのですから、地域の人や家族・親戚から理解が得られないことが考えられます。親が毅然とした態度が取れないと、孤立してしまう可能性もあるのです。
まとめ
不登校の問題が深刻化し、学校教育が崩壊しつつある現代の日本ではありますが、いまだにアンスクーリングやホームスクーリングは定着・浸透していません。しかし、これからの教育の選択肢としてこのような手法があるということを知っておくだけでも、いいのではないでしょうか。
参考
アンスクーリングとは | NPO法人日本ホームスクール支援協会
知りたい!Alternative Educationってなに ~ホームスクールとアンスクーリング~|留学voice
アンスクーリング|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省初等中等教育局児童生徒課