不登校?義務教育の放棄?ちょっと違う『アンスクーリング』とは?

日本ではまだなじみがありませんが、アメリカではホームスクールという教育スタイルが選択肢として存在します。ホームスクールとは学校には通わずに、自宅を学習の拠点として学ぶ学び方です。さらにはホームスクールを選択している家庭の中で、アンスクーリングという学習方法を選択する人が増えてきています。

不登校が社会問題となっている日本でも注目されているアンスクーリングとは、どのような学習方法なのでしょうか? この記事ではアンスクーリングに関する情報をご紹介します。

アンスクーリングについて知ろう

「アンスクーリング」とはどのようなものなのか、ここでは詳しい内容を見ていきましょう。

アンスクーリングの定義

アンスクーリングの定義は大きく分けて2つあります。

  1. 学校に通わず、特に教科書への高い依存や机に向かう時間がない教育手法
  2. 保護者が子供に何を勉強するのかを命令するのではなく、子供自身が興味を持つことを深く探求していく手助けをするという、子供の興味に基づいて行う教育

(引用元:アンスクーリング|Wikipedia

学校に通わないという点ではホームスクールに類似している点がありますが、アンスクーリングでは教科書に依存せず、親との経験を通して学ぶという特徴があります。学校の再現を家庭でするのではなく、子供の興味に合わせて学びを得るという定義があります。

アンスクーリングとホームスクーリングの違い

アンスクーリングとホームスクーリングの大きな違いは、学校の先生のように指導をする立場の人間がいるかいないかという点です。ホームスクーリングでは先生の代わりに保護者が先生の立場になります。子供の学習をリードし、計画を立てて学習をさせます。

しかしアンスクーリングでは指導をする立場の人間はいません。子供の興味や自主性に任せ、自ら学ぶというスタイルになっているのです。

アンスクーリングは合法?違法?

結論から述べると、現在の日本においてアンスクーリングは合法でも違法でもありません。明確な法の規定が存在しないため、登録制度も認可制度もないのです。義務教育はすべての国民が受けなければいけないという意識が強い日本ではありますが、仮に何らかの理由でアンスクーリングを選択したとしても、罰せられることはありません。

アンスクーリングを選ぶ理由とは?

日本よりもアンスクーリングが定着化しているアメリカでは、以下のような理由でアンスクーリングが選択されています。

  • 宗教上の問題がある場合
  • 子供の能力が学校の教育を上回る場合
  • 学校までの距離が著しく遠い場合
  • 学校の環境や教育の質に問題がある場合

日本でもアンスクーリングを選択する家庭が増えつつありますが、日本の場合は多くが不登校が原因となっているのが現状です。

不登校との違いは?

アンスクーリングと不登校の違いは、子供に主体性があるかどうかという点です。

いじめや嫌がらせなどが原因で「学校へ行く」ことだけが苦痛となっている場合、学ぼうという意識は持ち合わせています。しかし深刻な不登校の場合は、「学校へ行く」ことだけではなく、学習をすることにも人とコミュニケーションを取ることにも意欲を感じることができないケースもあります。ただ学校へ行かないというだけではなく、学びの場を変えるだけという意識がなければアンスクーリングとはいえません。

平成30年度の文部科学省の統計を見ると、不登校の児童や生徒は増加傾向にあることがわかっています。

小・中学校における長期欠席者数は,小学校84,033人(前年度72,518人),中学校156,006人(前年度144,522人)。全体では,240,039人(前年度217,040人)である。このうち,不登校児童生徒数は,小学校44,841人(前年度35,032人),中学校119,687人(前年度108,999人),小・中の合計で164,528人(前年度144,031人)であり,在籍者数に占める割合は小学校0.7%(前年度0.5%),中学校3.6%(前年度3.2%),全体では1.7%(前年度1.5%)。

(引用元:平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省初等中等教育局児童生徒課

アンスクーリングが日本にも根付けば、不登校の子供にとってより良い選択肢となるかもしれません。