子供の語彙力を鍛える方法!日常的な取組や勉強を活用する方法を紹介

語彙力を鍛える、というのは子供だけでなく大人にとっても注目が集まりやすいテーマです。語彙力に関する本などもたくさん出版されています。大人は自分の語彙について危機感を持つ機会もしばしばありますが、子供が自分で語彙について考える機会はあまりありません。どうしたら子供の語彙を伸ばせるのか? そんな疑問をお持ちの保護者向けに、日常生活と勉強の両方の側面から実践できる取り組みを紹介します。

語彙力は「伝染」する!日常的にできる取り組み

比喩的な言い方をするなら、語彙力は「伝染」します。周りの大人の語彙を子供も習得するためです。子供の語彙を増やしたいのであれば、大人の側からの働きかけが重要になります。

定型文や決まった単語で会話を終わらせない

日本語はあいまいな意味合いを持つ会話が頻繁に交わされます。「今日の夕ご飯は?」「大丈夫」という会話をどう理解するでしょうか。前後のやりとりにもよりますが、現代では「今日の夕ご飯は(家で食べる)?」「(ううん、今日は準備してもらわなくて)大丈夫」と理解する人が多いでしょう。

自分の気持ちを表す言葉も同様です。しばしば問題視される「うざい」「きもい」「やばい」などの口語表現だけでなく、「すごい」「かわいい」など、一見ポジティブに聞こえる単語にも注意が必要です。あまり深く考えずになんとなく口に出せる短い言葉だけで会話を終わらせてしまうと、会話で使える語彙は増えません。

日常生活ではこのようなあいまいな表現や定型文での会話で不自由を覚えることはあまりありません。ただし、子供の語彙にとって良い環境であるかはまた別の話です。

なぜなのか、どうしてなのかを詳しく説明する習慣をつける

日常生活で使われる語彙を増やすのであれば、会話の内容を広げていく必要があります。「すごいね!」と言ったら「なぜすごいのか」を詳しく説明する。何か用事を頼んだときに子供が「めんどくさい」と言ったら、「どうして『めんどくさい』と思ったのか」をちゃんと説明してもらう。このような地道な取り組みによって日常会話で使える語彙が増えていきます。

始めてみると、大人も意外と言葉に詰まることがあるかもしれません。自分が言葉に詰まるのはどのようなときでしょうか。自分の感情を伝えるときかもしれませんし、事実を端的に説明するときかもしれません。人によって異なるでしょう。

言葉に詰まるのは適切な表現が思いつかないからです。それは語彙が不足しているのかもしれませんし、言葉は知っているけれども実践的な使い方が分からないからかもしれません。大人の場合は後者のパターンが少なくないと言語学者の石黒圭氏は言います。

語彙力には「知っていること」と「使えること」の2つの側面があり、それぞれ「語彙の量」と「語彙の質」と呼んでいます。これらのかけ算で語彙力は決まります。

語彙力 = 語彙の量(たくさん知っていること)× 語彙の質(うまく使えること)

(引用元:単語を覚えるだけじゃダメ。語彙力を鍛える方法を言語学者に聞いてきた|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。

保護者が使わない表現を子供が習得することはあまり期待できません。逆に言えば、保護者が新しい語彙を使うようになれば子供も吸収してくれる可能性が高まります。「知ってはいるけれど使ったことがなかった」、そんな語彙を自分の中から引き出してみましょう。

教育学者の齋藤孝氏は、「すごい」「かわいい」「やばい」などの表現を使ったら、その理由を3つ述べるということを推奨しています。「すごい」であれば、どうしてすごいのか、どのようにすごいのか、何と比較してすごいと思ったのかなどを説明してみましょう。

参考

「子供の語彙力を伸ばすのは、親の務めです。」を読んで実行してみた3つのこと | 遅くなかった!小学生から始めた英語と海外生活

「あれ」「それ」をできるだけ使わない

同様に指示代名詞に注意しましょう。「それ取って」「今日はあれに行かなくちゃいけないんだよね、あれ」などという会話はどの家庭でも日常的に交わされているでしょう。

指示代名詞を使わずに言おうとすると、「あれ、なんて言うんだっけ」と言葉が思い出せないことも大人になると増えてきます。こういうときにも焦らず、正確にものごとを伝えられるように時間を取って話すようにすると会話から指示代名詞が減っていきます。

できるだけたくさんの経験をしよう

石黒圭氏は、豊富な人生経験が語彙力を伸ばすと考えています。

たとえば、ある子どもがいくつかのイタリアンレストランへ連れて行ってもらい、固いパスタと柔らかいパスタを食べたとします。

気になった子どもが両親に尋ねると、パスタの茹で時間が違うと教えられる。そこで歯ごたえの残る状態を「アルデンテ」と呼ぶと知ります。これって語彙が増えていますよね?

(引用元:単語を覚えるだけじゃダメ。語彙力を鍛える方法を言語学者に聞いてきた|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。

新しい経験をすれば、経験したことをどのように表現するかも知ることができます。新しい語彙と経験がきちんと結びつけば、「アルデンテとは歯ごたえが残るくらいにパスタをゆでた状態のこと」と説明できるようになります。説明できる言葉は自分のものとして使えるものですから、これは「語彙が増えた」と言っていいのです。

思ったことを言葉で伝える練習をしよう

言葉は自分の気持ちや意見を他の人に伝えるためにあります。伝わらなくてはコミュニケーションを深めることはできません。語彙力を伸ばすためには、まず自分の思ったことを言葉で伝える努力をすることが必要です。

「うれしい」ならどうしてうれしいのか。「むかつく」のはなぜか。相手に対して怒っているなら、何をどう改善してほしいと考えているのか。伝えようとしてみると、自分が期待したようには相手に伝わらないという経験をするかもしれません。「こういうときはどう言ったら伝わるのかな?」を考えることが、使える語彙を増やすトレーニングになります。