芝中学校の校風・特徴・難易度・卒業生進路を紹介。「芝温泉」とは? - cocoiro(ココイロ)

現在中学受験を検討している家庭は、通える範囲の学校をリストアップし、子供の学力と勘案して志望校選びをしているのではないでしょうか。私立校に通わせる際は、学校によって特色が異なるため単純に学力だけで選ぶのが難しいという点に注意したいものです。この記事では中堅~上位校として人気のある男子校「芝中学校」の特色と、どういった点が保護者に評価されているのかについて解説します。

芝中学校とは

芝中学校は「芝」の文字から分かるとおり港区芝にある私立学校です。芝中学校の概要をご紹介します。

増上寺を母体とした芝学園の中学校

芝周辺といえば「東京タワー」「芝公園」「増上寺」などが有名です。芝中学校はこの増上寺を母体とした学校法人芝学園が運営している中学校です。

江戸時代に始まった僧侶養成機関から発展し、明治時代には宗門以外の生徒も受け入れる旧制中学校になりました。戦後は芝中学校・高校として教育を続けています。

参考

学校の歴史|芝中学校 芝高等学校

中高一貫教育が基本

中高一貫教育を行う私立校の中には高校からの入学者を受け入れるところもあります。一方、芝学園は一貫教育を基本としているため高校からの入学制度はありません。入学を希望する場合は中学受験をするようにしましょう。

多くの生徒は中学から高校に内部進学しますが、一部高校を外部受験する生徒もいるようです。成績優秀でより進学実績の高い学校を狙う場合と、成績が良くないため内部進学ができない場合と両方あるそうです。

入試の学力に比べて卒業時の進路がと色々言う人がいるようですが、芝の進路指導は他校と根本的に違い、仏教の精神に基づいた「君はどうなりたいのか?」から始まるそうです。もちろん希望を叶えるために学力を上げるに越したことはないので、本人のやる気さえあれば熱心にフォローしてもらえます。 生徒の適性と希望を最優先に考えるので、東大を狙える学力があっても芸術系や他大に進学した先輩もいます。

(引用元:学校が休みの日がつまらないそうです。:芝中学(東京都港区)の口コミ|みんなの中学情報

外部進学があると聞くと、進路指導について不安を覚える保護者もいるかもしれません。進学実績については後ほど詳しくご紹介しますが、芝中学校・高校は難関大学合格者を多数輩出することではなく、生徒自身がそれぞれに成長できることを目指した教育を行っています。

参考

募集要項|芝中学校 芝高等学校

男子を上手に大人にしてくれる学校:芝中学(東京都港区)の口コミ|みんなの中学情報

「芝温泉」「芝漬け」と言われる芝中学校の特徴は?

中学受験について調べている人なら「芝温泉」「芝漬け」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。芝中学校の校風を冗談めかして表現している言葉です。やや否定的に捉える人もいるようですが、実際のところはどうなのでしょうか。

自由な校風

芝には自由な雰囲気があったので、自分の好きなことに打ち込むことができました。

その一方で、何をすべきか自分で選択する必要がありました。自分で決断をすることに慣れていないなか、僕は生徒の決断を尊重してくれる先生方の存在に助けられた気がします。

山角 祐介(やまずみゆうすけ)氏(東京大学分子細胞生物学研究所分子情報研究分野 特任研究員)

(引用元:OBからのメッセージ|芝中学校 芝高等学校

詰襟に指定の白靴下・ズック靴という制服から、校則が厳しい学校という印象を受ける人もいるかもしれません。しかし実際のところは非常に自由で、生徒の意思を尊重する気風が守られています。

自由度が高く個人の個性をつぶさずに生かしてくれる。文科系も体育系も部活動は充実している。保護者の教育意識が高く学校と保護者の一体感がある。

(引用元:自主性と個性を尊重する学校。:芝中学(東京都港区)の口コミ|みんなの中学情報

校風の自由さについては保護者からの評価もおおむね高いようです。

宗教教育

増上寺を母体とする学校なので、浄土宗に基づいた宗教行事が行われます。まず4月に増上寺に参拝する「御忌参拝(ぎょきさんぱい)」があります。

それ以外にも学年ごとに参拝をする「宗祖日(しゅうそび)」が年1回あります。年明けの1月には浄土宗の宗祖にあたる法然上人の命日があります。「大宗祖日(だいしゅうそび)」と呼ばれ、増上寺ではなく校内で行事が行われます。

日常の勉強を圧迫するほどの宗教教育が行われるわけではありませんが、仏教の考え方は校風に反映されています。この特色をよく理解した上で進学すると良いでしょう。

参考

宗教行事|芝中学校 芝高等学校