子供の自己肯定感はどうして必要?育てるために保護者ができることは ( 2 )

子供の自己肯定感を育てるには?

自己肯定感が大切な理由を解説しました。では、自己肯定感を育てるにはどうしたらよいのでしょうか。実は方法はほとんど1つだけだと考えられています。それは子供を褒めることです。

とにかく褒めることが大切

目標は低く設定する

子供を褒めない親というのは少数派かもしれません。では、普段どのようなときに子供を褒めているでしょうか。手伝いを進んでしてくれたとき、テストで満点を取ったとき、習い事で進級したときなど、親が期待しているよりもちょっと良い成果を上げたときに褒めている人は多いでしょう。

では、「わが子がわが子であるから」という理由で褒めることはしているでしょうか。これは以外と難しいことです。わが子がわが子であることはある意味当然です。当然なことをありがたいと思って感謝することはなかなかできません。

ここで自閉症スペクトラムの「Aくん」の事例をご紹介します。Aくんは小学生時代から周囲になじめず、不登校気味でした。この状態を打開するために先生がとったのが自己肯定感を育てる指導です。

Aの様子を、小学校からの引継ぎ内容や医師の見解を含め観察していると、小学校時代に経験し自信のある活動には、意欲的な態度を示し積極的に活動しているのが分かった。だが、自分より走るのが速い生徒がいたり、自分よりきれいな作品を他の生徒が作っていたりすると、たちまち不機嫌になってしまい、相手に対して乱暴な態度に出てしまう傾向が見られた。このことから、負けたくない思いや劣っている自分を見せたくないプライドの高さがあることが分かった。また、経験したことがないことへの見通しのもてなさによる不安感もあると思われる。

これら2つの要素は、経験不足もあるだろうが、むしろ自分自身に対して自信をもてていないことが、このような行動を引き起こす原因だと考えた。

(引用元:自己肯定感を育む指導による心の変化について―発達障害児への「褒めて育てる」実践より―|桜美林大学学術機関リポジトリ ,P93)

先生はAくんに対し「どんな小さなことでも褒める」指導を行います。例えば「1時間ずっと座っていられたこと」「体育の時間に校庭に出られたこと」などです。大人からすると「そんなことはできて当然なのでは?」と思ってしまうような、小さく低い目標を達成できたことを褒めていくのです。

目標が達成できなくても褒める

また、目標が達成できなくても褒めることが大切です。仮に子供が「次のテストで平均点以上を取る」という目標を立て、達成できなかったとします。そのときでも、親は「自分で目標を立てたこと」「目標のために努力したこと」を褒めることができます。

どんなときでも、どんなことでも、探せば褒める材料は見つかります。そのことを褒めることにより、子供は「失敗してもだめでも自分は大丈夫なんだ」と信じることができるようになります。

子供のありのままを受け入れる

これらは言い方を変えれば「子供のありのままを受け入れる」ということになります。多くの親は「子供にこうあってほしい」という理想を抱いて子育てしています。

理想はもちろん大切ですが、それはあくまで親自身の理想であるということを自覚しておくことが大切です。理想通りであってもそうでなくても、子供は1人の独立した人間であること、そのままの状態で素晴らしいことを親自身が受け入れることが必要です。

思春期の子供とのコミュニケーション方法を模索する

旭川大学がある自治体の中学生に対して行った調査によると、思春期の子供と自己肯定感には以下のような関連性が見られました。

  • 家庭での食事が楽しい
  • 家族との会話時間が長い
  • 悩み事を家族に相談できる

これらの特徴を持つ中学生は自己肯定感が高い傾向にありました。家庭でしっかりと受け入れられている、家族が自分に対して否定的でないと感じられる子供は、不安定になりがちな思春期でも自己肯定感をしっかり持つことができるといえそうです。

参考

中学生の生活実態と自己肯定感に関する基礎的分析|旭川大学リポジトリ

親自身の自己肯定感も大切

子供の自己肯定感に伴ってしばしば言及されるのは親自身の自己肯定感です。前述したように「謙虚になりなさい」「調子に乗るな」と言われて育てられた人は自己肯定感が低い可能性があります。

自己肯定感が低い人が親になると、子供をありのまま受け入れることができずに否定的な態度をとってしまう可能性があります。子供の自己肯定感を育てるには、まず自分自身をありのままに受け入れることが大切なのかもしれません。

「こんなのは親失格では」「もっと家庭と仕事をきちんと両立できるはずなのでは」と自分を責めがちな親御さんもいるでしょう。「あんまりうまくいかないけど、自分はこれでいいんだ。できるところだけ頑張っていられれば大丈夫」と思えるようになると、少し子育てが楽になるかもしれません。

まとめ

なんとなく大切そうに思えるけれど、詳しくはよく分からない自己肯定感。なぜ大切なのか、どうやって育めばいいのかについて解説しました。まずは何でもないところを見つけて褒めるということを毎日の習慣化してみるのはいかがでしょうか。

参考

子どもの自己肯定感に及ぼす影響要因に関する実証研究 : 京都子ども調査をもとに|同志社大学学術リポジトリ

自己肯定感を育む指導による心の変化について―発達障害児への「褒めて育てる」実践より― |桜美林大学学術機関リポジトリ

「自己肯定感の低い子」に親ができる1つのこと|学校・受験|東洋経済オンライン

自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ|子育て|東洋経済オンライン

この記事をかいた人

akahoshitomoka

piggiesagogoクロシェター・ライター。 オリジナルの編み物作品の作り方を販売しながらライターもしています。守備範囲はハンドメイドから不動産まで。三浦半島が好きです。