国語力の低下が課題とされ、学校教育でもさまざまな工夫が凝らされるようになりました。子供の国語力をUPさせる効果的な方法はあるのでしょうか?
この記事では小学5年生を対象に、国語の効果的な勉強法や学習内容をご紹介します。ぜひ家庭学習の際の参考にしてください。
もくじ
小学校5年生の国語・代表的な授業内容を知ろう
子供が今、学校でどのような勉強をしているのかを詳しくご存じでしょうか? 低学年のころとは異なり、高学年になると自分で勉強をすることも増えてくるため、親が関わる時間もへってきているかもしれません。ここでは小学5年生が国語の授業でどのようなことを学ぶのか、代表的な単元をピックアップしてご紹介します。
和語・漢語・外来語
小学校5年生では和語・漢語・外来語について学びます。
和語 | もともと日本にあった言葉 |
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漢語 | 古くに中国から日本に入ってきた言葉 |
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外来語 | アメリカやヨーロッパなどの国々との交わりが深くなって入ってきた言葉 |
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参考
羅列された単語や言葉を和語、漢語、外来語に分類したり、同じ意味の言葉を探したりといった問題が出されます。言葉がどのような特徴を持っているのか理解し、どの言葉が和語、漢語、外来語のうちどれに属するのかを見分けることが目標です。和語から漢語、漢語から和語への言い換えや、それぞれの読み方なども出題される傾向にあります。
天気を予想する
この単元では説明的文章を読むときのポイントを学びます。
- 図・グラフ・表などの文章以外の資料に着目する
- 筆者の考えがまとめられているところを見つける
- 「問い」と「答え」の関連性について考える
以上のような内容が出されます。出題される問題は記述式が多く、選択式は多くありません。
明日をつくるわたしたち
この単元ではあるテーマに対する考えを明確にし、その考えを基にものごとを提案する文書を書くことを学びます。
- テーマに関する現状や問題点を整理すること
- 提案の内容を明確にすること
- 説得力のある文章を作るための事実・意見・感想を区別できること
以上がポイントになります。人に何かを提案する文章は、感想文などと比べて性質が異なるため、表現や言い回しに注意が必要です。また他の人が述べた内容を理解してどんな効果が生まれるのか、結果を想像する力も大切です。
敬語
小学校5年生では主に大人になってから使い続けることになる敬語を学びます。まず敬語にはどのような種類があるのかを理解します。
ていねい語 |
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尊敬語 |
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けんじょう語 |
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(【敬語】丁寧語・謙譲語・尊敬語の一覧表|マナラボ より筆者作成)
この3種類の言葉が実際にどのような言葉で表されるのかを理解し、出題された言葉を区別できるようになることが目標です。また「見る」「食べる」「行く」などの動詞を敬語に直したり、「おっしゃる」「うかがう」などの敬語を使った文章の作成なども行います。
同じ読み方の漢字
同じ読み方の漢字でも2つの種類があります。
種類 | 意味 | 例 |
同音異字語 | 同じ訓でも漢字が違う言葉 |
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同音異義語 | 同じ読み方をするが違う意味がある言葉 |
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この2つの種類がどう違うか、意味を理解しているかを問う選択問題や記述式の問題が出されます。
現在の課題は国語力の低下?問題点は何か
近年子供の国語力が低下しているとされ、学習指導要領の改訂や教育現場での指導の見直しなどが行われています。
子供の国語力低下の要因は何?
なぜ子供の国語力が低下したのでしょうか。その要因について、文部科学省は次のようにまとめています。
少子高齢化や核家族化に伴って家庭や家族の在り方が変容し,従来,家庭や家族が有していた子供たちへの言語教育力が低下していると言われていることも大きな問題である。
(引用元:これからの時代に求められる国語力|文部科学省)
文科省は、少子高齢化や核家族化が要因の一つとしています。これから情報社会を生き抜いていく子供たちには膨大な情報を処理する能力の大切さや、自らの考えを発信できる的確な情報発信能力が求められているとし、その根幹にあるのは国語力だと説いています。現代は、家庭や家族の在り方を見直さなくてはいけない過渡期にあるといえるでしょう。
なぜ国語力を伸ばす必要性があるのか?
国語力は全ての学習の基礎の部分だといわれています。国語力を鍛えるべきなのは、今後の生活に大きな影響を及ぼすこと、また、人間関係さえも左右する要素を持つことなどが理由として挙げられています。急速に発達するグローバル社会において、日本では外国語を使う必要も出てきますが、もちろんベースとなる日本語の力、すなわち国語力が低ければ外国語を学ぶ際にも支障が出ます。子供たちが他人とのコミュニケーションを図る能力を伸ばし、自らのアイデンティティーを確立していく過程の中でも、国語力を上げることは喫緊の課題とされているのです。