ビタミンAの効果とは?不足すると起こる症状や摂取時の注意点を紹介

さまざまな食品に含まれているビタミンAは、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。ビタミンAにはどのような働きがあり、不足するとどのような症状を引き起こすのでしょうか。今回はビタミンAの主な働きやビタミンA不足の症状、摂取時の注意点などについて紹介します。

ビタミンAの効果とは?

ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類があります。ビタミンAは脂溶性ビタミンに分類されており、多くの食品に含まれています。

  • 肉類や魚、乳製品などに含まれる既成ビタミンA
  • 果物や野菜などの植物性由来の食品に含まれるプロビタミンA

の2つのタイプがあります。また、ニンジンなどに含まれるカロテンは、摂取すると体内でビタミンAに変換されるため、ビタミンAの仲間に分類されています。

ビタミンAは生命維持に欠かせない様々な働きをしています。それでは、ビタミンAの主な働きや1日の摂取量目安、ビタミンAが含まれている食品について紹介します。

ビタミンAの主な働き

ビタミンAは視力を正常に保つことをサポートしています。網膜の受容体内で光を吸収する際は、タンパク質の一つであるロドプシンが重要な役割を果たしていますが、ビタミンAはロドプシンの構成に欠かせない物質です。また、ビタミンAは結膜や角膜を正常に機能させるための補助物質でもあるため、視覚に大きな影響を与える栄養素といえます。

さらに、免疫システムや生殖に欠かせない栄養素ともいわれており、心臓や肺、腎臓などの臓器が正常に機能することをサポートし、免疫機能、生殖、細胞情報伝達のために働いています。ビタミンAは細胞の成長や分化にも関わっている物質であるため、内臓器官の正常な形成において重要な役割を果たしているともいえるでしょう。

ビタミンAの1日の摂取量について

ビタミンAの1日の摂取量目安は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、18歳~29歳の男性が850μg RAE、女性が650μg RAE、30歳~59歳の男性は900μg RAE、女性は700μg RAE、50歳~69歳の男性は850μg RAE、女性は700μg RAEが推奨量となっています。また、ビタミンAは脂溶性ビタミンという特性を持っており、体内に蓄積しやすく、過剰摂取することで不調を引き起こすとされています。そのため、食事摂取量基準では上限値が定められており、18歳以降は男女ともに2,700μg RAEが耐容上限量となっています。

参考

日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要, P16|厚生労働省

ビタミンAが含まれている食品

ビタミンAが含まれている食品は、牛レバーやその他の臓器肉、鮭などの魚類、青菜の野菜などがあります。また、ブロッコリー・ニンジン・カボチャなどの緑・オレンジ・黄色の野菜、杏子やマンゴーなどの果物にも多く含まれています。牛乳やシリアルなどの食品に添加されることが多く、シリアルなどで効率良く摂ることができます。

ビタミンAは、サプリメントから摂取することもできます。サプリメントには既成ビタミンA、カロテンなどのプロビタミンA、既成ビタミンAとプロビタミンAの両方が含まれているタイプなどがあります。一般的にはほとんどのマルチビタミン・ミネラルサプリメントにビタミンAが含まれています。

ビタミンAが不足するとどうなるか

ビタミンAが不足してしまうと、体にさまざまな不調を引き起こすといわれています。ビタミンA欠乏症は発展途上国では一般的によくみられ、特に子供や妊婦に多いのが眼の病気だといわれています。放置しておくと失明につながる恐れもあることから、ビタミンA不足は楽観視することができません。それでは、ビタミンA不足が引き起こす主な症状について紹介します。

視力へ影響を及ぼす

ビタミンA欠乏症の主な症状の一つに、「眼球乾燥症」と呼ばれる眼の病気があります。眼球乾燥症は薄暗い場所で物が見えなくなる病気で、放置してしまうと失明につながることもあるといいます。眼球が角化を起こすことにより、白目や角膜の部分が乾燥し、厚みが増すようになる症状が起こります。症状が進行すると、眼球にびらん(ただれ)が生じるようになり、角膜軟化症と呼ばれる状態になり最終的には失明してしまうといいます。

他にも、暗闇での視力調整がうまくいかなくなり、夜間にものが見えにくくなる「夜盲症」もビタミンA不足によって起こる可能性があるため、注意が必要です。

免疫機能の低下

風邪などのウイルスの侵入を防ぐためには、のどや鼻腔の粘膜を強化し、粘液分泌を高めることが大切なポイントとなります。ビタミンAは血管を強化し、気管支の粘膜を正常に保ちながら成長を促進させ、免疫細胞の働きを活発にするといわれています。そのため、ビタミンAが不足することで免疫機能が低下し、風邪を引きやすくなる可能性もあるようです。ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に調理したり、油を使った料理と組み合わせて食べることで体内への吸収率が高くなり、風邪予防にもつなげることができます。

麻疹の重症化の可能性も

先程、ビタミンA不足により眼球が角化を起こすと述べましたが、角化とは、肌のターンオーバーとも呼ばれる表皮の周期的な変化をいいます。

表皮のいちばん内側の基底層では、細胞分裂によって毎日新しいケラチノサイト(角化細胞)が生まれています。ケラチノサイトは、後から分裂する細胞に徐々に押し上げられて角層に達し、角層細胞に変化します。その後、体の部位や環境などによっても異なりますが、さらにおよそ2週間かけて角層のいちばん上に到達し、少しずつ自然にはがれ落ちていきます。

表皮のこの営みを「角化(かくか)」あるいは「ターンオーバー」といい、基底層で新しいケラチノサイトが生まれてからはがれ落ちるまで、およそ4週間以上の周期で繰り返されています。

(引用元:表皮の角化|花王

ビタミンA不足によって引き起こされる症状は、眼球の角化だけではなく、皮膚や消化器官・呼吸器などの粘膜にも表れることがあります。皮膚が乾燥して表面が分厚くなることで、下痢や呼吸器感染症が起こりやすくなり、さらには免疫機能の低下によって麻疹やマラリアなどが重症化しやすくなるといいます。角化によって引き起こされるさまざまな疾患に注意する必要があるでしょう。