ビタミンB6欠乏症にならないために行う3つのこと
ビタミンB6欠乏症にならないためには、日々の食事でビタミンB6を摂取する必要があります。ここでは、ビタミンB6の「役割」「推奨摂取量」「多く含まれる食品」をご紹介します。どんな働きがあるかをきちんと理解して、家族の食生活に生かせる実用的な知識を身につけましょう!
ビタミンB6の役割を知る
ビタミンB6の役割は大きく分けて2つあります。1つは代謝を助けること、もう1つは生理作用を促すことです。
代謝に関しては、主にアミノ酸と脂肪の代謝を助けます。アミノ酸はたんぱく質を構成している要素で、人体の約2割を占める栄養素です。ビタミンB6はそのアミノ酸の代謝を助けるという重要な役割を担っています。また、脂肪の代謝にも関わっています。
生理作用については、免疫機能が正常に働くように維持したり、皮膚の抵抗力を増進したり、赤血球や神経伝達物質を合成したりしています。
適切な摂取量を把握する
2015年に厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」によると、ビタミンB6の摂取基準は下記の表の通りです。
(参照元:日本人の食事摂取基準(2015年版)概要|厚生労働省,P23)
男性は、15~17歳をピークに摂取量が一定になります。女性は、12~17歳をピークに摂取量が一定になっています。
2017年の日本人の1人当たりの平均摂取量を表したのが下記の表です。年齢区分は異なりますが、男女ともに推奨摂取量を満たしていないことが分かります。
年齢 | 男性(mg) | 女性(mg) |
1~6歳 | 0.7 | 0.64 |
7~14歳 | 1.12 | 0.99 |
15~19歳 | 1.27 | 0.97 |
20~29歳 | 1.08 | 0.93 |
30~39歳 | 1.12 | 0.92 |
40~49歳 | 1.13 | 0.97 |
50~59歳 | 1.26 | 1.06 |
60~69歳 | 1.32 | 1.18 |
70~79歳 | 1.34 | 1.22 |
80歳以上 | 1.28 | 1.05 |
(平成29年国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省,P31-32より筆者作成)
ビタミンB6が多く含まれる食品を意識する
ビタミンB6はまぐろやかつおなどの赤身の魚介類に多く含まれています。また、肉類では鶏のむね肉とささみに多く含まれています。さらに、豆類にも多く含まれていると言えるでしょう。ただし、水で溶けてしまうビタミンなので、乾燥させたものか焼いたもの、または生のものでないと水と一緒に流れてしまうため注意が必要です。
食品名 | 100g当たりの含有量(mg) |
かぶの漬物(葉) | 1.10 |
みなみまぐろ・赤身・生 | 1.08 |
びんなが・生 | 0.94 |
くろまぐろ・赤身・生 | 0.85 |
ぶた・ヒレ・赤肉・焼き | 0.76 |
かつお・生 | 0.76 |
めじまぐろ・生 | 0.73 |
黒砂糖 | 0.72 |
菊のり | 0.69 |
うるめいわし・丸干し | 0.69 |
まいわし・丸干し | 0.68 |
若鶏肉・むね・焼き | 0.66 |
成鶏肉・ささみ・生 | 0.66 |
ごまさば・生 | 0.65 |
ごま・ねり | 0.65 |
鶏・肝臓・生 | 0.65 |
きはだ・生 | 0.64 |
しろさけ・生 | 0.64 |
くさや | 0.64 |
ひよこまめ・乾 | 0.64 |
ごま・いり | 0.64 |
まがも・肉・生 | 0.61 |
鶏肉・ひき肉・焼き | 0.61 |
あまのり・ほしのり | 0.61 |
若鶏肉・ささみ・生 | 0.60 |
ごま・乾 | 0.60 |
中国産・黄大豆・乾 | 0.59 |
あまのり・焼きのり | 0.59 |
むろあじ・開き干し | 0.59 |
まさば・生 | 0.59 |
さんま・刺身 | 0.58 |
かたくちいわし・生 | 0.58 |
玄穀 | 0.58 |
むろあじ・生 | 0.57 |
まだい・養殖・刺身 | 0.56 |
えごま・乾 | 0.55 |
レンズまめ | 0.55 |
うるめいわし・生 | 0.55 |
そうだかつお・生 | 0.54 |
まいわし・塩いわし | 0.54 |
ぶた・ヒレ・赤肉・生 | 0.54 |
うさぎ・赤肉・生 | 0.53 |
かつお節 | 0.53 |
削り節 | 0.53 |
はまち・養殖・刺身 | 0.53 |
りゅうとく・乾 | 0.52 |
むろあじ・焼き | 0.52 |
国産・黄大豆・乾 | 0.51 |
あまのり・味付けのり | 0.51 |
青のり | 0.50 |
(日本食品標準成分表 PDF(日本語版)|文部科学省の穀類・いも及びでん粉類・砂糖及び甘味類・豆類・種実類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類・魚介類・肉類・卵類・乳類より筆者作成)
まとめ
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝を助け、免疫機能を正常に保つための重要な役割を果たしています。ビタミンB6は多くの食品に含まれているため、欠乏症にはなりにくいとされています。ただし、発疹や口唇の異常、貧血などの症状がみられる場合は、専門医と相談した上で意識的にビタミンB6を摂取するための食事をとる必要があるかもしれません。この記事が、毎日の食生活を見直す機会になれば幸いです。
参考
ビタミンB6 | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要|厚生労働省,P23