国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に指定され海外での公演も成功している能は、室町時代から600年以上に渡り受け継がれてきた伝統的な舞台芸術です。歌舞伎や狂言に比べて催し会場は少ないものの、曲目ごとに変わる能装束や、縦横無尽に演者の感情を表現するお面など、日本の誇る伝統芸能である能は、ぜひ直接で体感してみたいものです。子供が興味を持ちそうな曲目を選んでぜひ出かけてみましょう。子供と一緒に出かけるメリットや注意点をご紹介します。
もくじ
能に行くメリット
能は歌舞伎や狂言と同様に日本の伝統芸能です。大人でも観に行ったことのない人も多いかもしれません。しかし、だからこそ子供のうちから観に行くメリットはたくさんあります。
日本の伝統文化に親しむ
能は足利氏に勢いのあった室町時代に人気が出ましたが、美しい能装束や華やかな能面、迫力のある囃子など猿楽と呼ばれていた当時から現代に到るまで、数百年以上その魅力は失われず常に一定の人気があります。
なかなか普段の生活では親しむ機会も少ない能ですが、だからこそ子供のうちから観ておくメリットは大きいと言えます。旅行や働くために海外に行く機会も増えた現代ですが、海外の方が興味を持つのは日本固有の文化、日本の伝統文化であることが多いです。日本ほど古い文化のある国は多くないので、何百年も歴史のある文化というだけで高い興味を持ってもらえるのです。海外の方にも能についてしっかり説明できるよう、子供のうちから親しんでおきましょう。
小学校に入学してからも役立つ
小学校に入学すると、各学校で伝統文化に親しむ時間が設けられているかと思います。実際に生徒みんなで伝統芸能を観劇に出かける機会のある学校も多いでしょう。調べ学習のテーマになることもありますから、普段から家族で観劇する機会があれば子供も慣れてより興味を持って取り組めるのではないでしょうか。
親のリフレッシュになる
特に乳幼児期の子育ては親がつきっきりで面倒をみていることが必要で、24時間気が抜けないことが多いものです。たとえ子供向けの曲目であっても、プロに用意されたサービスを受けることは日頃のストレスの解消になるでしょう。また能は非日常感の強い伝統芸能ですので、気分を一新して子育てに向かうことができるかもしれません。
社会性を養う
能楽堂への移動に使う公共交通機関や場内でのマナーなど、家族だけではない空間に身をおくことによって、子供の社会性を育成します。例えば最寄駅から電車に乗る場合、改札の通り方や列への並び方、車内でのマナーなど、子供が学ぶべきことはたくさんあります。一般的に会場では私語を慎むことが多いですし、そういった機会は早いうちから体験してマナーを身につけておきたいものです。子供の社会体験の1つと思って行動しましょう。