ビタミンAの摂取をコントロールするために

ビタミンAは過剰に摂取しても、不足しても問題があるというお話をしました。それでは、ビタミンAを適切に摂取するために、目安とすべき摂取量と、ビタミンAを多く含む食品についてご紹介します。
ビタミンAの摂取量目安
ビタミンAの摂取量目安として、全米アカデミー医学研究所(旧米国科学アカデミー)の食品栄養委員会が作成した食事摂取基準があります。この基準では、ほとんどすべての健常者(97~98%)が必要なビタミンAの摂取量を満たす基準をレチノール活性当量(RAE)µgで示しています。
具体的には以下のとおりです。必要な摂取量は年齢や妊娠の有無で変わってくるため、ここでの摂取量を目安にすると良いでしょう。
| 表1:ビタミンAの推奨栄養所要量(RDA) | ||||
| 年齢 | 男性 | 女性 | 妊婦 | 授乳婦 | 
| 生後0〜6カ月齢* | 400 µg RAE | 400 µg RAE | ||
| 7〜12カ月齢* | 500 µg RAE | 500 µg RAE | ||
| 1〜3歳 | 300 µg RAE | 300 µg RAE | ||
| 4~8歳 | 400 µg RAE | 400 µg RAE | ||
| 9~13歳 | 600 µg RAE | 600 µg RAE | ||
| 14~18歳 | 900 µg RAE | 700 µg RAE | 750 µg RAE | 1,200 µg RAE | 
| 19〜50歳 | 900 µg RAE | 700 µg RAE | 770 µg RAE | 1,300 µg RAE | 
| 51歳〜 | 900 µg RAE | 700 µg RAE | ||
*適正摂取量(AI)、健康な母乳栄養児におけるビタミンA平均摂取量に相当。
(参照元:ビタミンA | 「総合医療」情報発信サイト)
ビタミンAが多く含まれる食品
「簡単!栄養andカロリー計算」では、ビタミンAが多く含まれる代表的な食品ベスト10を以下のように示しています。ビタミンAは肝に多く含まれるため、鶏肉や豚肉のレバーなどが上位に挙がっています。
| 順位 | 食品 | 単位: µg | 
| 1位 | 鶏肉(レバー) | 14,000 | 
| 2位 | 豚肉(レバー) | 13,000 | 
| 3位 | あんこうのきも | 8,300 | 
| 4位 | うなぎ(きも) | 4,400 | 
| 5位 | レバーペースト | 4,300 | 
| 6位 | 味付けのり | 2,700 | 
| 7位 | 抹茶(粉) | 2,400 | 
| 8位 | 焼きのり | 2,300 | 
| 9位 | とうがらし | 1,500 | 
| 9位 | うなぎ(かば焼) | 1,500 | 
| 9位 | ほたるいか(生) | 1,500 | 
| 10位 | あおのり(乾) | 1,400 | 
※µgは、食品100gあたりのビタミンAの含有量
(ビタミンA(レチノール活性当量)| 簡単!栄養andカロリー計算より筆者作成)
これらのビタミンAの含有量を見ると、「豚のレバーは1日の必要摂取量を上回るから100g食べることはできない」と考える方もいるかもしれません。しかし、過剰に摂取したからといって必ず害があるわけではありません。
ビタミンAには耐容上限量(健康な人が習慣的にとっても過剰による害がみられない量)が定められており、成人の場合は2700μgです。この耐容上限量は習慣的な平均値で見るため、例え1日だけ少しビタミンAをとり過ぎたからといって、直ちに問題が起こるわけではありません。
参考
不足気味、でも「とりすぎ注意」なビタミンA | 日経Gooday
ビタミンA(レチノール活性当量)| 簡単!栄養andカロリー計算
まとめ
今回は、ビタミンAの過剰摂取や不足が健康に与える影響や、ビタミンAの摂取目安、多く含まれる食品などをご紹介しました。もちろん、健康を保つためにはビタミンAだけではなく、さまざまな栄養素をバランス良くとる必要があります。日々の食生活で、偏った食事にならないように心掛けましょう。
参考
“ビタミン剤で””がん””になる? ~サプリメントの有効性~ | 恩賜財団済生会
【医師監修】妊婦はビタミンAの過剰摂取に注意! その理由と上手な摂り方 | マイナビウーマン子育て

    
    



