カルシウムの必要摂取量は?働きや摂取方法もご紹介

子供の成長において、とても大切なカルシウム。高齢化が進む現代においては、子供から大人まで、骨を健康に保つためにもカルシウムは重要な栄養素といえるでしょう。今回は、そのカルシウムの働きについてご紹介します。

カルシウムの効果とは?

カルシウムの働き

カルシウムは、体重の1~2%体内に存在するミネラル成分です。カルシウムは、一般的によく知られているように骨や歯になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに影響を及ぼす栄養素となっています。

このように、体にさまざまな形で関わるカルシウムですが、日本人のカルシウムは不足しがちであるといわれています。「平成29年国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均カルシウム摂取量は514mgでした。これは成人男性・女性の推奨摂取基準量よりも少なく、3~5歳の子供で推奨されているカルシウム摂取基準量さえ満たしていません。カルシウムが不足しているのです。

参考

平成29年国民健康・栄養調査報告 第1部 栄養素等摂取状況調査の結果 | 厚生労働省,P2

カルシウムの働きと1日の摂取量 | 公益財団法人長寿科学振興財団

カルシウム不足がもたらす影響

それでは、カルシウムが不足するとどのような影響があるのか、具体例を見てみましょう。

骨粗鬆症を引き起こす

カルシウムは骨や歯を構成する栄養素です。当然ながら、カルシウムが不足すれば、骨や歯は脆くなっていくでしょう。最終的には、骨粗鬆症の発症につながってしまう可能性もあります。

幼児の骨の発育障害が起こる

カルシウム不足による骨の問題は、骨粗鬆症だけではありません。子供のころにカルシウム不足が続けば、骨が十分に育つことができず、発育障害が起こる危険性があります。幼児は自身で健康に気遣った食事をとることができません。親が子供の発育に適した食事を提供し、好き嫌いなく食べるように子供に働きかけることが重要といえるでしょう。

血圧が上昇する

カルシウムといえば、骨にしか影響がないと考える方も多いかもしれません。しかし、それは正しい理解ではありません。実はカルシウム不足が続くと、血圧が上昇するリスクが高まります。カルシウムが不足すると血液中のカルシウムが増える不思議な現象をカルシウム・パラドックスと呼び、このカルシウム・パラドックスが血圧を上昇させるのです。オムロンは、この現象を以下のように説明しています。

カルシウム摂取量が不足すると、体が危機感をおぼえ、副甲状腺ホルモンを分泌させて骨からカルシウムを取り出し、体内(細胞)に補給します。カルシウム不足が続くと骨からの補給量がどんどん増加し、その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまうのです。

(中略)

カルシウムは血管壁に取り込まれ、壁を収縮させます。すると血液の流れが悪くなるので、心臓はより強い力で血液を送り出そうとします。その結果、血圧が上昇し、高血圧になりやすいのです。

(引用元:カルシウム不足を解消して高血圧や動脈硬化を予防する | オムロン

動脈硬化や心筋梗塞の引き金になる

オムロンはさらに、カルシウム不足が動脈硬化を招く原因になるともいっています。

血液中のカルシウムが増えると血管壁が硬くなり、血管の内側が傷つきやすくなります。傷ができると、そこにコレステロールなどが付着するため血液の流れが悪化し、また血管そのものももろくなってしまう(動脈硬化の状態)からです。

(引用元:カルシウム不足を解消して高血圧や動脈硬化を予防する | オムロン

動脈硬化が進むと、最悪の場合は心筋梗塞につながる可能性もあるため、注意が必要です。

カルシウムのとりすぎにも注意が必要

このようなカルシウム不足による影響を防ぐためには、カルシウムをたくさん摂取すれば良いと考える人もいるかもしれません。しかし、何事にも適量というものがあります。

国立病院機構熊本医療センターによると、カルシウムを過剰に摂取すると高カルシウム血症になり、便秘、吐き気、嘔吐、胃潰瘍、脱水症、のどの渇き、急性腎不全、倦怠感、尿管結石、せん妄、錯乱、昏睡などといった体の不調を引き起こす可能性があるようです。最近は、一種の生活習慣病として、自分で予防できる高カルシウム血症が増えています。症状が軽ければ原因を取り除くだけで十分なので、症状に合わせてカルシウム摂取を控えるようにしてください。

参考

【第179号】高カルシウム血症(高Ca血症)について について、高カルシウム血症の ①原因になりやすい薬品、 ②治療に使う薬について | 国立病院機構 熊本医療センター

必要な1日のカルシウム摂取量とは

それでは、1日にどの程度のカルシウム摂取が必要なのか見ていきましょう。公益財団法人長寿科学振興財団は、以下のような基準を示しています。年齢によって必要なカルシウム量が異なることに注意してください。このような基準を目安として、日々の献立を考えると良いでしょう。

性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5(月) 250 200
6~11(月) 250 250
1~2(歳) 350 450 350 400
3~5(歳) 500 600 450 550
6~7(歳) 500 600 450 550
8~9(歳) 550 650 600 750
10~11(歳) 600 700 600 750
12~14(歳) 850 1,000 700 800
15~17(歳) 650 800 550 650
18~29(歳) 650 800 2,500 550 650 2,500
30~49(歳) 550 650 2,500 550 650 2,500
50~69(歳) 600 700 2,500 550 650 2,500
70以上(歳) 600 700 2,500 500 650 2,500
妊婦
授乳婦
  • 推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
  • 推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
  • 目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量。※17歳以下の耐容上限量は、十分な報告がないため設定しなかった。

(参照元:カルシウムの働きと1日の摂取量 | 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット