私立中学退学と言われたら
自主退学か退学処分か
学校は、問題のある生徒を退学処分にせず、なるべく自主退学させようとします。なぜなら、退学処分にして訴訟になった場合、学校側が生徒を退学処分にせざるを得なかったことを証明しなければならないからです。反対に、自主退学の場合は、訴訟になっても退学は本人の意思に基づくと判断されます。
学校側が退学処分をちらつかせて自主退学を迫ると、生徒側は退学処分によって受けるダメージを心配し、自主退学勧告に応じてしまいがちです。しかし実際には、たとえ生徒が自主退学に応じなくても、学校側が退学処分カードを切ることは滅多にありません。
納得できなければ弁護士に相談を
中学卒業を目前にして突然退学を迫られた、学習障害など学校に何度も相談しているにもかかわらず誠意のある対応をしてもらえず、対応を迫ったら退学願を書くよう言われた……学校側に理不尽さや不誠実さを感じた場合はどこに相談すれば良いのでしょうか?
公立中学と違い、私立中学は教育委員会の管理下にありません。学校側の対応に納得できない場合は、弁護士に相談しましょう。いざというときのために、学校とのやり取りはすべて記録に残しておくことが大切です。学校と話をするときに弁護士に立ち会ってもらうだけで、学校側が態度を改めることもあります。
私立中学退学後の進路
別の私立中学の編入試験を受ける
別の私立中学の編入試験を受けることもまったく不可能ではありません。しかし、編入試験はそもそも募集が少ない上、帰国子女などを対象としていることが多く、非常に狭き門です。
公立中学へ転校する
一方、中学は義務教育のため、公立中学へは間違いなく転校できます。地元の教育委員会に相談すれば、転校手続きを進めてくれます。「私立で落ちこぼれた」といじめられるのではないかと心配する保護者が多いですが、小学校時代の友達と再会して楽しく通えることも多いので、まずは一歩を踏み出しましょう。
まとめ
苦労して勝ち取った私立中学入学であるにもかかわらず途中で退学してしまうのは、親にとってはやりきれない思いでしょう。しかし、子供はどんな経験からも何かを学んでいます。退学するにしても、今のまま頑張るにしても、子供と納得のゆくまで話し合って進路を決めましょう。振り返って、「あのときは大変だった」と子供と笑えるときが来るでしょう。
参考
私立中高一貫校生徒の中退率「平均で1割前後」の専門家推計|NEWSポストセブン
中学入学後に驚いた数々のエピソード1~中学でも退学はあるってホント? | 中学受験ナビ
【体験談】私立中高一貫校をやめました~合格した学校を退学し公立中へ行った子どもの話~|mimic
私立中に入学したのに「自主退学」が増えている 中途退学を避けるために知っておきたい「予想外の出費」 | マネーの達人
まさかの展開! 私立中学に合格した長男のその後【我が家3児の受験事情・最終回】|HanakoママWeb