WISC検査とは?検査内容や費用・結果の見方・メリットをご紹介

WISC検査は、子供の知能を測るための検査で、学校やクリニック、総合病院などで最も広く使われています。今回の記事では、WISC検査の概要や検査の構成、費用、受検するメリットをご紹介します。この記事が、WISC検査を受検しようか悩んでいる保護者の方の理解を深める参考になれば幸いです。

WISC検査とは?

WISCとは「Wechsler Intelligence Scale for Children」の頭文字をとったもので、ウェクスラー式知能検査の1つです。ウェクスラー式知能検査は、1938年にウェクスラーが個人の知能を診断する目的で開発した知能検査で、4つの指標を設けることでより多角的に知能を測定することができます。また、開発されてから80年の実績があります。

ウェクスラー式知能検査は、WISC以外に、成人向けのWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)と、幼児向けのWPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)があります。どの検査も、専門家と受検者が一対一になって検査をします。WISCの適応年齢は、5歳0ヶ月~16歳11ヶ月で、実施時間は60~90分です。

参考

WISC™-IV知能検査 | 日本文化科学社

WISC検査の構成・内容

WISC検査は、アメリカでは2014年に第5版が出ていますが、日本ではWISC-IV(ウィスク・フォー)が最新になります。ここでは、日本で受けることができるWISC-IV検査の構成と内容をご紹介します。

群指数と下位検査項目で構成されている

WISC検査は4つの群指数と、10の基本検査・5の補助検査からなる15の下位検査項目で構成されています。各指標や検査で分かる内容を確認していきましょう。

4つの群指数

検査構成の大枠である4つの群指数は、下記のとおりです。

  • 言語理解指標
  • ワーキングメモリー指標
  • 知覚推理指標
  • 処理速度指標

言語理解では、文章を理解したり言葉による情報を使いこなす能力が分かります。これが低いと、上手に会話することが難しくなります。

知覚推理は、目から情報を取り込み、情報を関連付ける処理能力が分かります。これが低いと、社会や理科の教科書に出てくる図やグラフなどの資料を読み取るのが苦手になりやすいです。

ワーキングメモリーは、耳で聞いた情報を覚えて処理する能力があるかが分かります。これが低いと、人に言われたことを忘れっぽくなります。

処理速度は、目で見た情報を速く正確に多く処理する能力です。これが低いと、黒板の内容をノートに写したりする作業スピードに影響します。

15の検査項目

次は、4つの群指数を測るための15の検査項目を確認していきましょう。検査項目は、基本検査と補助検査に分かれており、検査の得点は基本検査の合計から算出されます。

群指数 基本検査
(補助検査)
内容
言語理解 単語 言葉の意味や語彙
類似 抽象的な言語理解
理解 社会習慣やルール、経験についての理解力
(知識) 一般的な知識
(語の推理)
ワーキングメモリー 語音整列 2つの異なったものを整理して処理する力
(数字と仮名の組み合わせ)
数唱 「順唱」と「逆唱」からなる
(算数) 口頭で指示された計算の問題を暗唱する
知覚推理 積木模様 モデルとなる模様と同じ模様を積木で作る
行列推理 複数の絵の規則性を見つける
絵の概念 共通の特徴を持つグループになるように絵を選ぶ
(絵の完成) 絵のカードを見て絵に欠けている部分を答える
処理速度 符号 暗記して書き写しをする
記号探し 記号の照合をする
(絵の抹消) 指定された種類の絵に斜線を引く

WISC™-IV知能検査 | 日本文化科学社より筆者作成)

WISC検査の結果の見方

WISC検査の結果は、得点やバラツキで解釈することができます。ただ、発達障害を持つ子供にとって大切なのは、得点の高さではなく、どの項目が「得意」でどの項目が「不得意」か、各項目の「バラツキ程度」はどのくらいかを把握することです。

得点 分類
130以上 非常に高い
120~129 高い
110~119 平均の上
90~109 平均
80~89 平均の下
70~79 低い
69以下 非常に低い

WAIS-4(ウェクスラー成人知能検査 第4版)|心理オフィスKより筆者作成)

全検査の得点は100を基準として、80~119の間に約8割の子供がいると言われています。個別の検査項目の得点平均は10になります。