ビタミンB2は、疲労回復や美容に効果があるとされています。しかし、具体的にどのような働きがあり、不足するとどうなるのか、ビタミンB2が多く含まれている食品のことはよく分からないものです。そこで、今回の記事では、ビタミンB2の効果や不足するとどうなるのか、ビタミンB2の医薬品についてご紹介します。記事の最後には、ビタミンB2が多く含まれている食品のランキングも記載していますので、普段の食事のヒントになさってください。
もくじ
ビタミンB2の効果
早速、ビタミンB2の代表的な効果を2つご紹介します。脂質や糖質、たんぱく質を合成するときに働くビタミンB2のキーワードは「疲労回復」と「美容」です。
脂質の代謝を高めることで疲労回復
ビタミンB群は、エネルギーの代謝を高める役割を担っており、疲労回復には欠かせません。その中でも、ビタミンB2は、脂質・糖質・たんぱく質の代謝に関わります。これらは三大栄養素と呼ばれ、日々活動するエネルギーを生み出すには欠かすことができません。
特に、ビタミンB2は脂質の代謝を高めることが分かっています。糖質やたんぱく質に比べて、脂質は疲労時などのエネルギー物質の需要が高まったときに使用されます。疲労がたまらないように生活するのが理想的ですが、時には疲労がたまることがあります。この疲労時に、脂質を効率よく使えるかどうかがポイントになります。
疲労を感じたら、エネルギーが不足している証拠です。休養を取るのが一番ですが、ビタミンB群を食事に組み込むように意識すると疲労回復の効果がみられるでしょう。
皮膚や粘膜の健康維持をする
ビタミンB2のもう1つの効果は、皮膚や毛髪、爪、粘膜などを作り健康を維持することです。ビタミンB2は、発育のビタミンとしても知られており、細胞の再生に関係しています。皮膚や毛髪、爪は成長し、再生しています。ビタミンB2が不足すると、これらが正常に働かなくなり、肌や髪の毛などの人目につく部分だけでなく、体内の粘膜も炎症を起こします。
ビタミンB2が不足すると……
ビタミンB2の効果が分かったところで、逆にビタミンB2が不足するとどのようなことが体に起きるのかを解説していきます。
皮膚や粘膜に炎症が起きる
1つは、皮膚や粘膜に炎症が起きます。皮膚や毛髪、爪を再生させ、粘膜の健康を維持する役割があるビタミンB2が不足するので、細胞の再生がうまくできなくなり、目や舌、唇などの粘膜にも支障をきたす恐れがあります。
具体的には、吹き出物ができたり、抜け毛が激しくなったり、爪が割れやすくなったりします。また、粘膜が関係するところでは、口角炎や口内炎、舌炎を引き起こすこともあります。
免疫力が低下する
ビタミンB2は粘膜を再生します。粘膜が適切に再生されないと抵抗力が落ちます。その結果、免疫力が低下し、健康維持に支障を来します。また、疲労を感じるときはビタミンB2が不足していることからも、健康を維持するためには欠かせない栄養素であることが分かります。
さらに、成長期の子供にビタミンB2が不足すると、適切な成長ができずに成長障害になることがあります。皮膚や毛髪、粘膜などの再生は、体を大きくしていく成長の過程では欠かすことができません。
医薬品:ビタミンB2の効能と用法
ビタミンB2を含むビタミンB群は、水溶性であるため体にストックしておくことが難しいです。そのため、ビタミンB2を適切に摂取するために医薬品が活用されることがあります。ここでは、ビタミンB2の医薬品の効能や使用上の注意についてご紹介します。
効能
医薬品のビタミンB2は、ビタミンB2欠乏症の予防や治療のために使用されます。激しい運動を伴う場合や子供にも栄養を分け与える必要がある妊婦・授乳婦などは、食事からの摂取だけではビタミンB2が不十分な場合があります。ビタミンB2欠乏症の主な症状は、口角炎、口唇炎、舌炎、結膜炎、日光皮膚炎などが挙げられます。
なお、医薬品のビタミンB2には内服薬と注射剤の2種類があります。ビタミンB2の代表的な商品名は、「フラビタン」「ハイボン」「アデラビン」などです。
用法
注射剤の用法は、成人で1日2~30mgを注射で摂取します。年齢や症状によって摂取する分量は異なります。内服薬を利用する場合は、医師または薬剤師によく確認して服用するようにしましょう。