ビタミンKの摂取量の目安
続いて、ビタミンKの1日の摂取量の目安やビタミンKを多く含む食品について紹介していきます。
【年齢別】ビタミンKの1日の摂取基準量
ビタミンKの1日の摂取基準量は下記の通りです。
μgとは「マイクログラム」と読む重量の単位で、1グラムの100万分の1の重さとなります。
1日当たりの目安量(μg) | ||
年齢・月齢 | 女性 | 男性 |
0〜5ヶ月 | 4 | 4 |
6〜11ヶ月 | 7 | 7 |
1〜2歳 | 60 | 60 |
3〜5歳 | 70 | 70 |
6〜7歳 | 85 | 85 |
8〜9歳 | 100 | 100 |
10〜11歳 | 120 | 120 |
12〜14歳 | 150 | 150 |
15〜17歳 | 160 | 160 |
18〜29歳 | 150 | 150 |
30〜49歳 | 150 | 150 |
50〜69歳 | 150 | 150 |
70歳以上 | 150 | 150 |
妊婦 | 150 | 150 |
授乳中 | 150 | 150 |
(日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要|厚生労働省 ,P19より筆者作成)
摂取量の上限は定められていない
ビタミンKは過剰症の症例報告がなく、多量に摂取しても健康被害が見られないことから、摂取量の上限は定められていません。ただし、前述の通り、抗血液凝固剤を服用していたり血栓症を患っている人は、ビタミンKを摂取し過ぎないように指導されることがあります。
ビタミンKを多く含む食品
ビタミンKは、納豆や緑黄色野菜(特に葉菜類)などに多く含まれています。以下、ビタミンKを多く含む食品をいくつかピックアップしました。なお、ビタミンKの量は食品の状態によっても変わるので、カッコ内に「ゆで」、「生」などと記載しています。
なお、100g当たりのビタミンK含有量はフィロキノン(ビタミンK1)とメナキノン-4(ビタミンK2の1種)との合計の値となります(※)。
糸引き納豆およびひき割り納豆のみメナキノン-7を含みます。
食品 | 100g当たり(μg) |
納豆(糸引き納豆) | 600 |
納豆(ひき割り納豆) | 930 |
小松菜(ゆで) | 320 |
ほうれん草(ゆで) | 320 |
大根の葉(ゆで) | 340 |
パセリ(生) | 850 |
しそ(生) | 690 |
にら(ゆで) | 330 |
乾燥わかめ(素干し) | 660 |
モロヘイヤ(ゆで) | 450 |
あまのり(ほしのり) | 2600 |
玉露(茶) | 4000 |
抹茶 | 2900 |
(香川芳子監修(2008年12月)『食品成分表2009 本表編』女子栄養大学出版部より筆者作成)
おわりに
ビタミンKの効果や働き、不足した場合や過剰摂取した場合の体への影響、摂取量の目安などについて解説してきました。ビタミンKは血液を固めたり、骨を丈夫に保つのを助ける働きを持っています。多くの食品に含まれているため、通常の食生活をしている限りは足りなくなることはありませんが、骨粗鬆症のリスクを低減することも示唆されており、しっかりと摂取しておきたい栄養素です。この記事が、お子さんの健康維持や食育のお役に立てば幸いです。
参考
日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会 各論 ビタミン(脂溶性ビタミン)|厚生労働省
香川芳子監修(2008年12月)『食品成分表2009 資料編』女子栄養大学出版部
吉川敏一(2012年12月)『ビタミン・ミネラルの本』土屋出版|Amazon
ビタミンK 09. 栄養障害|MSDマニュアル プロフェッショナル版
赤ちゃんにビタミンK投与は必要? 止血に大切な役割|朝日新聞デジタル