カルシウムを多く含む食品とは?毎日のカルシウム摂取を増やす工夫 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

カルシウムを効率的に摂るためには

カルシウムは丈夫な骨を作るといいますが、ただカルシウムだけを摂っても体に吸収されません。他の栄養分と一緒に摂ることで、初めて体に吸収され、カルシウムが役に立つのです。

ビタミンDでカルシウムの吸収を助ける

ビタミンDは、腸から血管へとカルシウムの吸収を促し、血管に入ったカルシウムを骨まで運びます。カルシウムは、ビタミンDという名の「運び屋」がいないと、骨までたどり着くことはできません。ビタミンDは、イワシ、アジ、サバなどの青背の魚やサケ、しめじ、干ししいたけなどに豊富に含まれています。ビタミンDは食事からだけでなく、紫外線を浴びることにより体内で作ることもできます。冬場なら1時間程度、夏場なら木陰で30分程度、日光に当たりましょう。

ビタミンKでカルシウムの流出を抑制する

ビタミンKは、骨の中にあるオステオカルシンというたんぱく質を活性化させ、骨にカルシウムを沈着化させる働きがあります。また、カルシウムが尿中に排出されるのを抑制し、骨を丈夫に保ちます。せっかく骨まで運ばれてきたカルシウムが流出しないよう、ビタミンKがしっかりガードします。

ビタミンKが多く含まれる食材は、納豆や、ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなどの緑黄色野菜、ひじきなどがあります。

カルシウムとマグネシウムの割合は2対1

マグネシウムには、骨の中に取り込むカルシウムの量を調節する働きがあります。カルシウムとマグネシウムの割合は2対1で摂る必要があります。マグネシウムを増やさずカルシウムだけを増やしても、余剰分のカルシウムは骨に取り込まれません。丈夫な骨を作るためには、カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂ることが大切です。

マグネシウムが多く含まれる食材は、アーモンド、ひじき、納豆、木綿豆腐、サツマイモなどです。

参考

カルシウムたっぷり補給で骨を守ろう|医療法人錦秀会栄養部

骨の成長にはタンパク質も重要

骨は、70%がカルシウムなどのミネラル、20%がたんぱく質を原料とするコラーゲンでできています。つまり、骨の成長にはタンパク質とカルシウムの両方が必要です。タンパク質の豊富な食品は、肉類、魚類、卵、豆・大豆食品、乳製品などもしっかり摂りましょう。

参考

骨の応援団とバランス栄養|ネスレ ヘルシーキッズ

リンの過剰摂取に注意する

リンもカルシウムやマグネシウムとともに、骨や歯を作るサポートをしていますが、摂取量が多すぎると逆にカルシウムの吸収を阻害します。リンとカルシウムはくっつきやすい性質があります。両者がくっつくとリン酸カルシウムという結晶になって腸内にとどまり、便とともに排出されてしまいます。

リンの摂取目安はカルシウムの2倍までといわれます。この数字はあくまでも目安なので、多少超す分には問題はありませんが、最大でも3倍は超さないように気を付けた方がいいでしょう。

リンは、肉類・魚類・大豆食品・乳製品などの食品だけでなく、食品添加物や加工品、清涼飲料などにも含まれています。普段食べる肉・魚・大豆食品・乳製品などに加え、さらに加工食品や清涼飲料なども摂ると、リンを過剰摂取してしまう恐れがあります。加工食品や清涼飲料はなるべく控えましょう。

カルシウムの役割

強い骨や歯を作る

カルシウムは骨の70%を構成しています。成長期で骨がどんどん伸びる子供には、カルシウムはとても大切な栄養素です。骨に含まれるカルシウム量のことを「骨量」といいます。骨量は成人するまでに急激に伸び、20~40代半ばにかけてピークを迎え、その後次第に低下していきます。骨量がピーク時の平均骨量の70%以下となると骨粗鬆症(こつそそうしょう)になり、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。ピーク時の骨量が低ければ、その分骨粗鬆症になりやすくなります。したがって、成人するまでにカルシウムをしっかり摂って、骨量を増やすことが重要です。

(参照元:骨の一生|ネスレ ヘルシーキッズ

筋肉や神経の情報伝達を担う

体内にあるカルシウムは、99%が骨に貯蔵されています。残りの1%は、血液を主とする細胞外液や細胞内に蓄えられています。わずか1%のカルシウムが、われわれ生き物が生命を保つ上で大切な働きをしています。

私たちが筋肉を収縮させて力を出したり、脳神経を使って考えごとをしたりしているときは、私たちの体内にある37兆個の細胞同士が情報をやりとりしています。その情報伝達の役目を追っているのが、カルシウムやナトリウムといった電解質です。電解質はプラスかマイナスかの電荷を持っているため、細胞外液や細胞内を激しく動き回ることができます。電解質の動きによって、細胞同士は情報伝達を行い、筋肉や神経をコントロールしているのです。

毎日のカルシウム摂取量を増やす工夫

よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ

子供の生活の基本「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ」が、効率的なカルシウム摂取という意味でも最も効果的な方法です。

まず、1日3食きちんと食べること。忙しいからといって朝食を抜くと、ただでさえ不足しがちなカルシウムを摂取する機会がさらに減ってしまいます。牛乳やチーズ、納豆といった良質のカルシウムとタンパク質が含まれている食品を、朝食に取り入れましょう。

体内のカルシウムが骨へ吸収されるのは、成長ホルモンが分泌される夜間です。夜はしっかり寝て、成長ホルモンの分泌を促しましょう。

また、適度な運動で骨に負荷をかけることで、カルシウムの骨への沈着を促します。小さいころは外遊びを十分させ、大きくなったら日常的に運動をするようにしましょう。

おやつにカルシウムを取り入れる

不足しがちなカルシウムをおやつに取り入れることで、1日のカルシウム摂取量を増やしましょう。飲み物をジュースでなく牛乳にしたり、食べるいりこやチーズをおやつにしたり、牛乳たっぷりのケーキを作ったり、子供が喜ぶカルシウムおやつを用意しましょう。

ふりかけもカルシウム源にする

白いご飯もふりかけをかければ立派なカルシウム源になります。カルシウム豊富な小魚や海藻、ゴマなどの入ったふりかけを選びましょう。

牛乳が苦手な子供にはスキムミルクを料理に使う

乳製品は吸収率抜群のカルシウム源です。しかし、中には牛乳嫌いの子供もいます。牛乳嫌いの子供には、スキムミルクを料理に使い、カルシウム摂取量を保ちましょう。

参考

森永スキムミルクを使ったレシピ | 森永乳業の乳でひろがる!アイデアレシピ | 森永乳業株式会社

サプリメントはカルシウム過剰摂取に注意

不足しがちな栄養素をサプリメントで補う人がいますが、サプリメントで1日に必要な分のカルシウムを摂った上で、食事も普通に食べていると、カルシウムを摂りすぎてしまう可能性があります。カルシウムは摂りすぎると体内に蓄積され、体内でさまざまな健康被害を引き起こすことが分かっています。カルシウムはサプリメントではなく、食事から摂取しましょう。

まとめ

成長期の子供に大切な栄養素、カルシウムを上手に摂取するために知っておきたいポイントは3つです。

  1. カルシウムが多く含まれる食品を意識して選ぶ
  2. カルシウムの吸収率を高める栄養分と一緒に摂る
  3. よく食べ、よく寝て、よく遊べ

成人するまでに摂取したカルシウムの量は、子供の健康的な成長を左右するだけでなく、生涯の健康寿命も左右します。毎日食事の度に、メニューにカルシウム源が含まれているかどうかをチェックしましょう。

参考

大切な栄養素カルシウム|農林水産省

筋肉を動かす鍵はカルシウム(市報のだ1月15日号掲載)|野田市

予防について | 公益財団法人 骨粗鬆症財団

くすりの話 カルシウムのサプリメント|全日本民医連

骨の健康維持に欠かせない栄養素・ビタミンDと、そのビタミンDを体内で効率よく生成する日光浴について解説します。|いいほね iihone.jp

カルシウムは足りていない|ネスレ ヘルシーキッズ

骨の応援団とバランス栄養|ネスレ ヘルシーキッズ

骨の成長にはたんぱく質が不可欠|「お肉」の参考書|エバラ

リン | ミネラル(無機質) | 栄養成分百科 | グリコ

この記事をかいた人

Sachiko

海外在住20余年、子育て・教育ライター。明治大学政治経済学部卒業。中国へ2年間留学。中国北京の日系広告会社で営業マネージャー。 結婚・出産後、北京で専業主婦。夫の転勤に同伴したフィジーで、アジアの女性のためのソーシャルグループ代表を務め、文化交流イベントを企画運営。2018年より、インド・デリー在住。ライターとして活動を始める。中国語HSK6級。TOEIC945点。中国生まれ、フィジー育ち、デリーで思春期を迎えた1人息子の母。 中国時代から共に過ごす老犬の介護中。