割り算の教え方
大人は割り算を理解いて簡単に思えるかもしれませんが、子供にとっては初めての計算方法で難しいのは当然でしょう。割り算を教えるときに、子供がどこで引っかかっているかを見極めることが大切です。ゆっくりとていねいに子供に教えてあげることが大切です。
ここでは基本的な1ケタ・2ケタ・3ケタ割り算の教え方について解説していきます。
基本的な割り算の計算方法
例:6個のリンゴを3人に分けようと思います。1人何個のリンゴをもらえるでしょう。
この問題を数式にすると、6÷3となります。「6個のリンゴ」が割られる数、「3人に分けよう」が割る数です。この例題から分かる通り、割り算の式は
全体のりんごの数÷分ける人数=1人あたりのりんごの数
という式で表せます。このことから、割り算は均等にものを分けるための計算方法ということが分かります。
数字や割り算の式だけを見ても難しく感じるかもしれません。均等に分けるために割り算があるという概念を子供に伝えると、具体的に理解してくれるかもしれません。
2ケタ÷1ケタの場合
それでは2ケタ÷1ケタの割り算の教え方についてご紹介します。九九の範囲内の割り算の問題は比較的簡単に解けるのではないでしょうか。
例:24÷4=□
この問題の場合、□に入る数字は「6」です。掛け算の九九を覚えていれば解ける問題でしょう。次に、九九よりも数字が大きい割り算の問題を解いていきましょう。
例:78÷6=□
□に入る数字は「13」です。九九よりも数字が大きくなる問題については筆算を使いましょう。
筆算で書いた場合、
(筆者作成)
このような筆算になります。筆算のポイントは下記の2つです。
- 割る数(A)を何倍かして、割られる数の一番左(B)に近い数字になる
- 割る数(A)は割られる数(B)よりも小さい数字
(筆者作成)
割られる数(B)の7に一番近い数字は6×1=6なので、一番上に「1」、7の下に「6」を書きます。
この時のポイントは2つです。
- 割る数の倍数の数字を上の左側に書く
- 倍数を一番左の数字の下に書く
(筆者作成)
上記のように書きます。そして「7-6」の引き算をし、右側にある「8」をそのまま下ろします。
(筆者作成)
そして、最初のやり方を再度繰り返します。割られる数(A)を何倍かして割る数(C)に一番近づけるには、割られる数(A)を3倍すると、割られる数(C)と同じ「18」になります。
そして、右上に「3」、18の数字の下に「18」を書き、「18-18」の引き算をします。引いた数字は0になり、これ以上割ることはできないので、78÷6の答えは「13」となります。
(筆者作成)
3ケタ÷1ケタの場合
3ケタ÷1ケタでも同じようなやり方ができます。
例:432÷4=□
この問題について筆算で解いていきましょう。
割られる数の一番左の数字「4」と割る数「4」なので、「4×1=4」となり、一番上には「1」を書きます。そして割られる数の一番左側の数字「4」の下に「4」を書きます。「4-4=0」ですが、0は書かなくても構いません。
(筆者作成)
次の「3」を下ろします。「3」は割る数「4」よりも小さく、倍にできないため、この場合「0」をかけて、隣の「2」を下ろします。そうすると下の数字は「32」になります。
(筆者作成)
あとは割る数「4」を倍にしていきます。割られる数「32」に近づけるには8倍すればいいので、「4×8=32」となります。
筆算の上に「8」、32の下に「32」と書き、「32-32」で余りは0。これで計算終了です。
(筆者作成)
余りが出る場合
割り算の筆算で余りが出るのは、計算の一番最後です。先ほどの例題「432÷4」の数字を少し変えて、「433÷4」を考えていきましょう。計算過程はほとんど同じなので省略します。
(筆者作成)
割られる数(B)「33」に近づくためには割る数(A)は8倍にします。すると、「4×8=32」になり、筆算の上に8、33の下に32を書きます。そして「33-32=1」となり、余りは「1」になります。
したがって、443÷4は108余り1という答えになります。
余りが出る割り算は問題によって答えが変わってきます。例えば「433÷4の答えを出しなさい。余りがある場合は余りも書きなさい」という問題なら解答には余りの1まで書く必要があります。
一方、「A君は433円持っていました。4人に均等に渡す場合、一人いくらもらうことになるでしょうか」という問題では、均等に渡す必要があるため、余りは答えに必要ありません。このように、問題によって余りを答える場合と答えない場合があるので注意しておきましょう。