街にクリスマスツリーが飾られるようになると、「いよいよクリスマスのシーズンがやってきた」と感じる方も多いことでしょう。近年では日本でもクリスマスツリーを飾る家庭が増えてきましたが、クリスマスツリーの木の種類について知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。クリスマスツリーの木にはさまざまな種類があり、飾る場所や飾り方にも違いがあるといいます。今回はクリスマスツリーの木の種類や選び方について紹介します。
もくじ
クリスマスツリーの木について
クリスマスになるとクリスマスツリーを飾るのが習慣となっていますが、そもそも、どうしてクリスマスツリーを飾るのでしょうか。クリスマスツリーの意味と、海外で主流となっているクリスマスツリーの木の種類について紹介します。
クリスマスツリーの意味
クリスマスはイエス・キリストの生誕を祝う祭日です。クリスマスツリーの由来は諸説ありますが、ドイツではクリスマスツリーの由来として以下のような言い伝えが残っているといいます。
クリスマスツリーの起源で最も古い話は、8世紀の聖ボニファスの故事です。聖ボニファスは、ヘッセンでの宣教の最中、街に樫の巨木があるのを見つけました。樫の木には、雷・雨・農業の神であるトール神が宿るとされて、ちょうど一人の少年がその木に、生け贄(いけにえ)としてささげられようとしていました。
聖ボニファスは、樫の木を民衆の目前で切り倒し、代わりにもみの若木を新しい信仰のシンボルとして差し出しました。
(引用元:Laudate | キリスト教マメ知識)
樫(カシ)の木を崇拝していた街で、イギリスからの伝道者であった聖ボニファスが阻止するために樫の木を切り倒すと、一本のモミの若木に変わる奇跡が起こったといいます。ドイツではその奇跡を忘れないよう、モミの木をクリスマスに植えるようになったといいます。
ドイツではモミの木が主流?
前述した通り、クリスマスツリーの最も古い諸説として知られる聖ボニファスのエピソードにならい、ドイツではモミの木がクリスマスツリーの主流としているといいます。クリスマスツリーの習慣はドイツからの移民によって19世紀初頭にアメリカに伝わり、イギリスでは同じく19世紀半ばごろにウィンザー宮でクリスマスツリーを飾りつけしたのが最初といわれています。
モミの木は、マツ科モミ属の常緑針葉樹で、日本でも秋田県から鹿児島県の屋久島まで、広い範囲で見ることができます。北欧やイギリスにはモミ類は自生していないことから、手に入りやすいドイツトウヒがクリスマスツリーとして使われることが多いといいます。ほかにも、トガサワラ、ウラジロモミ、ゴールドクレストなどの針葉樹がクリスマスツリーとして使われています。
ツリーには葉が落ちにくい常緑樹を使うのが一般的ですが、常緑には「強い生命力」「永遠の命」という意味が込められており、イエスキリストの永遠の命を象徴しているといいます。
参考
クリスマスツリーは、なぜモミの木? モミの木やトナカイと人間との関わり|ACORN