どういう子供がカップルになりやすい?
現代の子供たちが抱く恋愛と文化祭についてのイメージを把握したところで、次には子供たちの恋愛行動について確認してみましょう。どういう子供がカップルになりやすいかなどを調べた2010年の調査を紹介します。ただし、この調査での恋愛行動は異性間交際の分析のみにとどまっていることをご了承ください。
異性の友人が多い
異性間での恋愛行動が積極的な高校生は、異性の友人が多い傾向にあるという結果が出ています。ただし、中学生に関しては同性の友人が多いことのみに統計的な有意差が出ているそうです。
このことから、少なくとも高校生に関しては文化祭で親密になって告白する、というパターンがあると言えるでしょう。
参考
中学生・高校生の交際及びそれに伴う恋愛行動とその背景要因との関連 | 女子栄養大学機関リポジトリ詳細画面
親と恋愛について話をすることがある
同調査において、家庭で親と恋愛や性について話をすることがあると答えた子供の方が、恋愛行動が積極的だという結果も出ています。また、親に対して好印象を抱いていて、かつ親に愛されていると実感している子供の方がより積極的だという結果も出ています。
中学・高校生は思春期にあたり、親を含む周りと自分との違いを確立していく時期でもあります。そのため恋愛も親からの自立と捉えてしまいがちですが、そこまでに至る家庭には家庭環境や親の存在が重要だという可能性が示唆されています。
文化祭の準備期間は告白の準備期間?成功させるには?
子供の恋愛には親の存在が無駄にならないばかりか、それなりの影響を及ぼす可能性があることが分かりました。それでは、年長者として親が子供にアドバイスできることはあるのでしょうか。必要以上に干渉することは避けたいですが、人生経験から子供たちに手渡せるヒントを考えてみましょう。特に接点もないまま文化祭でいきなり告白、とならないようにするには文化祭前の準備期間が重要です。
できるだけたくさん顔を合わせる
「単純接触効果」といい、より顔を合わせる頻度が高い人に好感を抱きやすいというメカニズムがあります。これは対人以外でも当てはまるそうです。最初は特に興味のなかった映画なのに、親友が勧めるので観てみたらお気に入りになった、というような経験はないでしょうか。
同様に、毎日顔を合わせているだけのクラスメートなどにも親近感が湧きやすくなると言われています。文化祭の準備段階では、同じ班になったり、一緒に買い出しに行ったりと、できるだけ同じ空間で作業ができるように努力してみるといいでしょう。
参考
相手に好意を伝える
接点を増やしたら次に行いたいのは相手に好意を伝えることです。と言っても、恋愛感情としての好意を伝えるわけではありません。あいさつを欠かさずしたり、笑顔で話したり、「ありがとう」をちゃんと伝えたりといったささいなコミュニケーションが重要です。
これが有効なのは、人間は誰かに何かをもらうとそれを返さなければと思う心理があるためです。お土産をもらうと次に旅行したときにお土産を買わなければ、と思うものです。同様に、ちょっとした好意を向けてもらうと、その好意をお返ししなければ、と考えるわけです。これは「返報性の原理」と言われています。
共通点を見つける
顔を合わせる機会を手に入れ、コミュニケーションも増えてきたら、互いの共通点を探してみましょう。人間は共通点のあるものに親近感を抱きやすいと言われています。趣味や家族構成、ファッション、スポーツなど、なんでも構いません。相手の好きなものを探ってみましょう。
お互いの話をする
共通点を見つけたら、会話の接点が増えるはずです。会話の中では自分の話をしてみましょう。たとえばクラスの出店でかき氷をするなら、「かき氷はこの味が一番好き、あなたは?」という程度のスタートで大丈夫です。
返報性の原理から、人間は教えてもらったことに対して自分も答えを返さなければ、と考えます。この心理を利用して会話を弾ませるということです。会話はキャッチボールなので、どちらか一方ばかりが話を続けると尻切れトンボに終わりがちです。より盛り上げるためには「あなたの話が聞きたい」という姿勢を見せるようにしましょう。このような会話は、共通点を見つけるのにも役に立ちます。
まとめ
10代の恋愛は、大人はあまり立ち入らない方がいいのでは、と考えてしまうかもしれません。しかし、子供とそういった話ができる親子関係なのであれば、いろいろ話してみることは子供の自己理解を深め、ときに子供が恋愛で傷つくことを防げるかもしれません。これまでに紹介した仲良くなるポイントは、人生経験の長い親の方が実体験からアドバイスしてあげられることも多いでしょう。ぜひ参考にしてください。
参考
特定の相手と仲良くなるための4つの「心理学的方法」 | ねとらぼ