「家庭教育学級」という言葉をPTAで初めて聞いた方もいるでしょう。家庭教育学級では、いったい何をしている係なのでしょうか。
もくじ
そもそも家庭教育学級って何?
そもそも「家庭教育学級」とはなんでしょうか。家庭教育学級に力を入れている市町村のホームページから見てみましょう。
家庭教育学級は、家庭が本来果たすべき役割を見つめなおす機会となるよう、保護者自身が親の役割、子どもの心の理解など家庭での教育について、講師の話や話し合いを通して考えあい深めていく学習の場です。また、保護者同士が交流を通して互いに支えあう関係づくりをめざします。
(引用元:家庭教育学級|市原市)
家庭教育学級は、保護者が家庭で子どもの教育をする心構えや、子どもへの接し方、教育上の留意点など、家庭教育上の共通の問題を、一定期間にわたって、計画的に、継続して、集団で学習する場です。
(引用元:北九州市家庭学級マニュアル|北九州市)
・“子育て”や“しつけ”について学んだり悩みを話し合ったりする場
・家庭教育のあり方を学び、自らを振り返る場
それぞれ表現は違いますが、子供に大きな影響を与える親の接し方を学ぶ機会であるということは共通しています。家庭教育学級で学び、同じような悩みを持つ他の親御さんと交流することは「家庭教育」にプラスの影響を与えるものです。
「家庭教育」に「学級」がつくと「家庭なのか学級なのか分からない」と混乱してしまいがちですが、これらを見るに「家庭教育」を学ぶ「学級」を意味しているのでしょう。
補助金が出ているってホント?
もともと国や地方自治体が社会教育の一環としてバックアップしてきた家庭教育学級に対して、国が経費の一部の補助を始めたのは1964年度のことでした。
この補助金は2003年に廃止されましたが、多くの市町村では、教育委員会や社会教育課などが管轄し、独自の補助金を出して継続しています。市町村によって運営主体が異なるため、補助金の交付額、基準、方法などは異なります。
なぜPTAが運営しているの?
家庭教育学級を実際に企画・運営しているのは小中学校のPTAや、幼稚園・保育園の保護者会などが多いようです。
目黒区教育委員会では、PTAが運営する理由を以下のように説明しています。
- PTA(子どもたちをそばで見守っている保護者)だからこそ気づく問題について学習できる
- 各学校ごとに運営方法を決められる
- 子育てに関する情報・知識・知恵は、身近な人とともに学ぶことで、実際に活かすことができる
(引用元:家庭教育学級のはじめから終わりまでのおおまかな流れ|東京都目黒区)
企画運営する人と学ぶ人の距離が近く、同一人物のことも珍しくないのが家庭教育学級の特徴のひとつと言えそうです。
家庭教育学級は廃止できないの?
大変だ、面倒だという声のある家庭教育学級ですが、いっそのこと廃止できないのでしょうか。家庭教育学級は自治体によって運営方法が違うので一概には言えません。学校単位で実施するかどうか選べるようになっている場合は、PTAの役員会や総会で実施しないという決議することもできます。
自治体からの依頼で開催していたり、2校以上で共同開催していたりといった場合は、学校PTAの総意で「実施しない」としたとしても、廃止への道のりはなかなか遠いかもしれません。