‌絶‌対‌音‌感っ‌て‌先‌天‌性‌な‌の?‌わ‌が‌子の‌音‌楽‌的‌才‌能‌を‌伸‌ば‌すためにできること - cocoiro(ココイロ)

子供にピアノなど楽器を習わせている人は、一度は「絶対音感」という言葉を聞いたことがあるでしょう。プロの演奏家は絶対音感が必要、絶対音感があったほうが上達するなど、さまざまなことがささやかれています。そのなかでも特に気になるといえば「絶対音感は先天性なのか」ではないでしょうか。

絶対音感について

絶対音感は「音感」の1つです。

音感とは

音感とは、音の高低を認識できる力や音の高さに対する感覚のことをいいます。

音感があれば、聴いた曲を楽譜に起こしたり、楽譜を見て音をイメージしながら歌ったりすることができ、さまざまな音楽活動がスムーズに行えます。

音感には、音の高低の認識の仕方によって「絶対音感」「相対音感」の2種類があります。両方持っている人、片方だけの人、どちらも持っていない人とそれぞれです。

絶対音感とは

絶対音感とは、音を聞くだけでその音の高さが分かる能力のことをいいます。

しかし、絶対音感という言葉がどんな能力かは、人によって異なります。音楽系の学校の受験科目にあるようなピアノによる聴音(音の聴き取りと聴き分け)ができること、普段耳にする音楽以外の自然界の音の音階が分かること、440ヘルツの「ド」と439ヘルツの「ド」の違いが分かることなど、さまざまな定義があります。

一般の人は、すべての音が音階で表現できる思いがちですが、日常で私たちが耳にする生活音の周波数は音階に対応していないことが多いため、絶対音感のある人に「今の音は何?」と聞いても「分からない」「ドとド#の間くらいかな?」といった曖昧な答えになることがあります。

相対音感とは

絶対音感と比べると一般的でない言葉ですが、「相対音感」も音感の1つです。

相対音感は基準の音との違いがどれだけあるかを判断できる能力をいいます。音の違いを比較して把握する、メロディなどを認識するのに必要な能力です。

絶対音感と相対音感の聞こえ方の違いは、例えば以下のようなものです。

童謡「きらきら星」の冒頭のメロディを思い浮かべてみましょう。ハ長調では「ドドソソララソ」ですが、ト長調では「ソソレレミミレ」となります。

絶対音感の人には「ソソレレミミレ」と聞こえますが、相対音感の人は音の高低差でとらえるため、ト長調でも「ドドソソララソ」と認識します。

絶対音感を持っている人はどのくらいいるの?

絶対音感を持っている人はどのくらいいるのでしょうか。

「生まれながらに絶対音感を持っているのは20万人に1人」「訓練によって身につけた人も含めると5%」など諸説ありますが正確な数は分かりません。いずれにしても非常に珍しい能力であることは間違いなさそうです。

絶対音感は楽器の上達に役立つ?

音感は楽器の上達に役立ちます。

絶対音感があれば、楽譜と耳の両方から正確な音階が認識できるので、音楽の理解がより深まります。音色の微細な違いに気づくことによって音の正確性が増すため、有利だといわれています。

しかし、音の高さを相対的に聞き取ってメロディとしてとらえる相対音感のほうがより重要だという意見もあります。

絶対音感があれば有利なのは言うまでもありませんが、なくてもプロの音楽家として活躍している人は大勢います。