引き算の繰り下がり計算、子供への分かりやすい教え方は? - cocoiro(ココイロ)

子供が小学校に入学すると、算数の授業があります。算数には足し算と引き算がありますが、足し算と比べると引き算に苦手意識を持つ子供は多いといいます。特に、引き算の繰り下がり計算は教える側としても頭を悩ませることがあります。引き算の繰り下がり計算の教え方について紹介します。

引き算の繰り下がりの方法

子供が算数を学ぶ上で、最初の難関といわれているのが引き算の繰り下がり計算です。小学校高学年になっても計算ミスをしてしまいがちになるので、繰り返し練習問題を解く必要があります。計算のやり方さえ覚えてしまえば、引き算の繰り下がりをマスターすることができるので、まずは繰り下がり計算には以下の2つの方法があることを覚えておきましょう。

減加法

例えば、12-9の答えを出すとき、最初に十の位の10から9を引いて1、次に一の位の2と1を足して3というように、引いてから足す方法を減加法といいます。引き算の計算の中に足し算の要素が含まれていますが、一般的には減加法の方が計算がしやすく、定着しやすいといわれています。学校の教科書では減加法で指導するのがほとんどのようです。

「12は10と2を足したもの」と理解できれば、「10から9を引くことができる」と理解でき、子供も計算しやすいでしょう。

減減法

子供の中には最初は減加法で計算をしていたという子が、減減法の計算をするようになったというケースもあるようです。減減法とは、例えば12-9の答えを出すとき、最初に12から2を引いて10、次に10から7を引いて3というように、引いてからさらに引く計算法です。減減法では、9が2と7に分解され、合わせて2回引かれます。もし減減法で子供が計算した場合は、まずは認めてあげることが大切です。

計算の途中で足すことが面倒だと考える子供が減減法で計算することもあるでしょう。減加法と減減法どちらかを強要するのではなく、練習問題で繰り返し計算を練習し、計算能力が伸びるように促しましょう。

子供への教え方は?

子供に引き算の繰り下げ計算を教えようとしても、数字に慣れていない低学年の子供は理屈を理解することが難しいかもしれません。繰り下がり計算を教える方法としては、「10から引くことを覚える」ことからスタートし、数の分解を理解させたり、絵を使って説明するなどし、子供の能力に合わせて教えていくのがいいでしょう。それでは、子供への繰り下がり計算の教え方について紹介します。

10から引くことを覚えてもらう

12-9の計算を解く場合、多くの人は「十の位から10を借りる」と教えるかもしれませんが、「借りる」という言葉が子供を混乱させてしまう場合があります。「借りたら返さなきゃいけない?」と考えてしまうと、計算する過程でつまずいてしまう可能性がありますので、まずは理屈ではなく類似問題を何度も解きながら計算方法を覚えてしまうのがいいでしょう。

「10から引く」計算が無意識にできるようになれば、理屈について知りたいと子供が考えるようになるかもしれません。その場合は減加法と減減法について紙に書きながら教えてあげれば、繰り上げ計算を理解するようになるでしょう。

数の分解を行う

計算をした後に、答えが正しかったのか確かめる計算法を検算といいますが、そこで便利なのが「数の分解」です。繰り上がり計算で10から引くことが理解できない子供は、数を分解すれば理解しやすくなります。足し算は得意でも引き算が苦手な子供の場合は、次のように数を分解しながら計算方法について理解させるようにしましょう。

例えば「12-9」の場合、まずは「12-9=□」と書きます。次に、「9+□=12」と書くと、足し算が得意な子や数の分解に慣れている子供は、「□は3」と答えを導き出すことができます。この方法は、繰り上げ計算の減減法にもつながっており、数が小さい計算の場合は理解しやすいでしょう。数が大きくなると、逆に難しくなる場合もありますが、繰り下げ計算の最初のステップとして数の分解を取り入れるのは効果的ともいえるでしょう。

子供によっては感覚の違いもあります。引き算なのに、計算の途中で足し算をする減加法のような「10から引く」計算方法よりも、数を分解する方法の方が、理解も計算も早い子供もいるかもしれません。