それぞれのやり方のメリット・デメリットは?
絶対音感のトレーニングにはいくつも方法があります。しかし、それぞれにメリット・デメリットがあることをきちんと理解しておきましょう。
教室で習う場合
メリット
教室で習うことのメリットは、何よりもきちんとしたノウハウを持ったプロに教えてもらえることです。また、絶対音感をトレーニングする先生は自分も絶対音感を持っていることがほとんどです。そのため、達成度や重点的に取り組む点について的確な指導を受けられることが期待できます。
デメリット
最大のデメリットは月謝が高くなることです。すでに楽器などを習っている子供の場合は、それに追加して絶対音感トレーニングを受けることになります。
また、習ったことの復習や日々の練習には親が付き合ってあげる必要があるかもしれません。教室に任せきりにするのではなく、自身も積極的に参加することを心構えしておきましょう。
自分でテキストを買って練習する場合
メリット
テキストは1冊1,000円から数千円のものがほとんどなので、子供に合うかどうかを何冊か試してみることができます。比較的安価に始められるのが最大のメリットでしょう。
また、自分のペースで学ぶことができるのもメリットの一つです。ほかの習い事や塾で忙しい子供は、追加で習い事を入れるのが難しいこともあるかもしれません。その場合には、空いている時間で自習するスタイルが向いているでしょう。
デメリット
テキストは難しい用語を使っていることも多いので、少なくとも最初のうちは親が一緒にやってあげる必要があります。また、自分のペースでできるということは、やる気がないと続かないということでもあります。子供のモチベーションに左右されやすいので注意しましょう。
完全な独学だと、つまずいたときのアドバイスが得られにくいのもデメリットです。伸び悩んだときはプロに相談してみるなど、方法を変えてみましょう。
アプリなどで遊びながら学ぶ場合
メリット
アプリは手軽で、移動中でも遊べるのが最大のメリットです。課金せずに使えるものも多いので、気軽に始めることができます。視覚に訴えるものなので、子供の興味を惹きやすいというメリットもあります。
デメリット
アプリはあくまでもゲームなので、しっかりと勉強したときのような効果は期待しない方がいいでしょう。また、音を聴いて当てるだけではいつまでたっても正解できず、どうしたら音が聴き分けられるようになるのか分からないといった事態も起こり得ます。あくまで音楽のレッスンを受けている子供などの補助的な役割と割り切った方がいいでしょう。全くの音楽初心者の場合は、まずは歌や楽器などで音楽に触れてみるところから始めてみましょう。
まとめ
音楽をする人にとっては、憧れの対象でもある絶対音感。小さいうちからトレーニングを始めた方が身につきやすいと言われていますが、小さいうちから始めたからといって必ずしも高精度な絶対音感が身につくわけではないようです。子供が音楽を楽しめることを第一にして、上達のための一つの方法として取り組んでみるといいでしょう。
参考
ソルフェージュの授業ってなにをするの?聴音だけじゃないの? | ブー先生の音楽教室
伊藤征夫、岡坂慶紀、呉暁、近藤弘、田鎖大志郎 著(1975年)『聴音と視唱 2声の練習』音楽之友社