心理教育の形式
心理教育には、当事者への心理教育と家族への心理教育があります。統合失調症の心理教育のガイドラインを基に、心理教育の形式を具体的にご紹介します。
当事者への心理教育の場合
ここでは、当事者がグループで行う心理教育をご紹介します。実施内容としては、精神障害の原因や症状、経過などの情報提供に加えて、生活障害のリハビリテーション、利用できる社会資源についても情報を提供します。また、グループで行うことでお互いの体験を共有し、交流を行います。
心理教育を行うことで知識が向上し、治療をきちんと受けようとする意識の高まりが期待できます。
家族への心理教育の場合
家族への心理教育は、1つの家族だけに行う形式と複数の家族がグループになって行う形式があります。
1つの家族への心理教育
まず、1つの家族への心理教育ですが、当事者と家族が一緒に話し合える程度に安定しており、家族が同じ時間に集まることができる場合に機能します。複数の家族での心理教育よりも、個別の困難を課題に取り上げることができます。そのため、当事者を交えての日常生活での対処法や家族間のコミュニケーションの練習など、具体的なワークを行うことができます。
複数の家族への心理教育
次に、複数の家族への心理教育ですが、個別の面談だけでなく、時間を取って病気のことを勉強したいという家族が対象です。グループはリーダーを含めて10名前後が望ましいとされています。複数の家族で行うことで、家族同士の交流が生まれ、お互いに良き相談相手になるメリットがあります。また、自分たちだけが困難に直面しているわけではないことを知り、安心感も生まれます。
このように心理教育を受けた家族は、当事者への拒否感が低く、自己効力感も高く維持できるとされています。