1949年施行の社会教育法とは?特徴と歴史、生涯学習との違いも!

教育基本法が制定された後にできた社会教育法という法律をご存じでしょうか? また、ユネスコが「生涯学習」という言葉を発信してから、生涯学習と社会教育の違いがよく分からなくなってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事では、社会教育法の概要や特徴、歴史を振り返りながら、社会教育法を解説していきます。生涯学習との違いにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

社会教育法とは?

日本の社会教育法は、1947年に制定された教育基本法に基づいて作られた法律です。法律を制定した目的は、社会教育に関する国及び地方公共団体の任務を明らかにすることでした。

社会教育法がどのような法律なのかを概要・理念・特徴の3点から具体的に確認していきましょう。

社会教育法の概要

社会教育法は、下記の七つの章で構成されています。

第一章 総則
第二章 社会教育主事及び社会教育主事補
第三章 社会教育関係団体
第四章 社会教育委員
第五章 公民館
第六章 学校施設の利用
第七章 通信教育

総則の中では、法律の目的や「社会教育」の定義、国及び地方公共団体の任務などが定められています。第二章以降は、各教育委員会に必ず配置される社会教育主事や社会教育関係団体、

社会教育の重要な拠点となる公民館が努めるべき任務が記されています。

参考
社会教育法|Wikipedia

社会教育法の理念

社会教育法は、国民の自己教育や相互教育を奨励するものであり、社会教育法には具体的な取り組みや活動内容は一切記されていません。

その代わりに、社会教育法では社会教育の自主性を尊重し、学習活動を奨励するために必要な援助や条件整備をすることに重点を置きました。これは、戦時中に社会教育が国の思わしいように教育する「教化的」な方向になっていたことの反省が含まれています。したがって、現在の社会教育には自由を確保することを重視するようになりました。

社会教育法の特徴

では、社会教育法にはどのような特徴があるのでしょうか? ここでは、3つの特徴をご紹介します。

1つ目に挙げられるのは、社会教育法が国民の学習活動の自主性と多様性を尊重したものであるということです。そのため、国及び地方公共団体は援助や条件整備する立場に回っています。

2つ目は、住民の参加を原則とし、制度化していることです。各市町村に「社会教育委員」、各公民館に「公民館運営審議委員」を配置するよう制度化しています。

3つ目は、市町村主義であるということです。これは、各市町村が抱えている課題に即して、学習内容や取り組みを展開できるようになっているということです。

社会教育法の歴史と変遷

1949年に制定された社会教育法ですが、それ以前から社会教育法の考え方は存在していました。江戸時代には、寺社を中心とする地域での教化活動や寺子屋という取り組みが行われていました。明治時代になると、通俗教育という名前で、青年会や婦人会、労働組合が生まれ、住民による相互教育が組織的に行われるようになります。

昭和初期の1920年には社会教育主事が各都道府県に配置されるようになり、社会教育行政がスタートしました。この時期の社会教育は忠君愛国の講話や道徳講義といった内容が多かったようです。

戦後、1947年に教育基本法が制定され、学校教育や社会教育の方針が決まりました。その後、社会教育振興方策が国会で採択され、1949年に社会教育法が制定されます。

2006年に教育基本法が改正されたことで、2008年に社会教育法も一部改正されました。具体的には、教育基本法の中に生涯学習の理念が明示されたことを踏まえた規定の整備や教育委員会の事務に、児童生徒に対する放課後・休日に学校などを利用して学習の機会を提供する事業が加わりました。

参考
我が国の社会教育史 |国立教育政策研究所
社会教育法等の一部を改正する法律等の施行について(平成20年6月11日 各都道府県教育委員会等あて 文部科学事務次官通知)|文部科学省