子育てに不安を感じるのはなぜ?不安を和らげるためにできることは?

突然の子供の病気やけが、対処に困る子供の言動、経済的な負担など、子育てをする中で不安を感じる保護者の方は多いでしょう。厚生労働省が2015年3月に実施した「人口減少社会に関する意識調査」によると、子育てに負担や不安を感じる人の割合は、調査対象の626人中454人と72.5%に上ります。子育て中の親の7割以上が子育てになんらかの不安を抱いているのです。

今回は、子育てをする中で感じる不安の原因や、少しでも不安を和らげるためにできることについて考えます。さまざまな不安を抱えながら育児をしている方の参考になれば幸いです。

子育てに不安を感じてしまう原因は?

子育てに不安を感じる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

育児情報の氾濫

子育てに悩んでいるとき、解決策を探すためにインターネットで検索する方は多いでしょう。今ではスマートフォンですぐに情報を手に入れられるので、悩みや不安を解決・解消する上でとても便利な時代のように思えるかもしれません。

しかしながら、育児の悩みや不安は千差万別です。いくら検索の精度が上がっているとはいえ、個々の悩みや不安に最適な答えがすぐに見つかるとは限りません。また、インターネット上の育児情報の中には、医学的な根拠がないものも多数あり、そういった情報に翻弄されることで解消したかった不安がさらに増幅させられるといったことも起こります。

赤ちゃんにとって母乳とミルクのどちらが良いか、卒乳の時期はいつが適切か、子供のかんしゃくへの対処法、寝かしつけの方法など、テレビやインターネットをはじめとしたさまざまなメディアで、「正しい育児」を巡る情報が氾濫しています。こういった情報の渦の中で翻弄されてしまっている保護者の方は少なくないはずです。

経済的負担の大きさ

冒頭でご紹介した「人口減少社会に関する意識調査」では、子育てをする中で感じる負担・不安の具体的な内容について尋ねています。結果は、「子育ての出費がかさむ」(46.2%)、「将来予想される子どもにかかる経済的負担」(40.8%)といった経済的な負担の大きさについて言及する回答が上位2つを占めました。

オムツ代やミルク代、洋服代など、子育てには何かとお金がかかります。保育園・幼稚園に通うようになれば相応の費用が必要です。2019年10月から幼児教育・保育の無償化が実施されますが、対象年齢が限定されていたり、補助される金額に上限が定められていたりなど、完全な無償化ではありません。さらに子供が大きくなるにつれて教育費の負担も大きくなってきます。

これら子育てにかかる経済的な負担は、育児中の保護者が感じる不安の大きな要因となっています。

理想の母親像の呪縛

子育て中の女性には、理想としている「母親像」と現実の自分とのギャップに苦しめられている人も少なくありません。

人口減少社会に関する意識調査」では、子育ての負担・不安の具体的な内容として「子育てに自信が持てない」との回答が14.7%でした。回答者のすべてが女性ではありませんが、自分の子育てに自信が持てない人々の心理の背景には理想とする母親像の呪縛があるとも考えられるでしょう。「母親であれば何よりも子供を優先すべき」「子供がかわいそう」など、母親はこうあるべきという言説はいまだに社会の至るところに転がっています。それらを見聞きする中で、「自分はダメな母親なのではないか」と不安に駆られてしまう人々が出てくるだろうことは容易に想像できます。

育児・家事負担の偏り

総務省の統計局が発表している「平成28年社会生活基本調査―詳細行動分類による生活時間に関する結果― 」によると、家事・育児に費やす時間には夫婦間で大きな隔たりがあります。例えば、6歳未満の子供を持つ妻が1日のうちに費やす家事の時間が3時間42分なのに対して、夫はわずか22分です。育児時間は、妻が3時間21分なのに対して夫は45分と、家事・育児ともに妻側に負担が大きく偏っていることが分かります。

育児・家事の負担が1人の人間に集中すれば、余裕が失われ身体的・精神的に追い込まれるのは当然です。このような状況が、子育てに対する不安を増大させる原因の1つになっていると考えることは不自然ではないでしょう。

相談できる相手の不在

子供の年齢に関わらず子育てに対する悩みが尽きることはありません。そんなときに相談できる相手がいるのといないのとでは子育て中の親の心理面に大きなが違いが出てくることが予想されます。

厚生労働省の「人口減少社会に関する意識調査」によると、子育てをしていて負担・不安に思うことについて尋ねる質問に対して、5.4%の人が「子育てについて相談する相手がいない」ことを挙げています。

先にご紹介したように、日本では育児・家事の負担が妻側に大きく偏っています。ワンオペ育児に加えて、本来、子育てを巡る悩みを分かち合えるはずのパートナーにも相談できないという状況があるとすれば、子育ての悩みはさらに深まることでしょう。