成長痛の特徴
ここまでご紹介した中で、比較的多くの子供が発症する成長痛の特徴について掘り下げてご紹介していきます。具体的な症状、成長痛が発症しやすい年齢、期間、痛みの原因を見ていきましょう。
成長痛の症状
成長痛の症状はいくつかありますが、代表的なものは下記の通りです。
- 夕方から夜間、朝方に膝や下肢の痛みを訴える。
- 痛みは毎日ではなく不定期であることが多い。
- 痛みは持続的ではなく、数時間で治まる。
- 痛みを訴えている所が腫れたり、変色したりしていない。
- 痛みを訴えている所をさすってあげると痛みが和らいだりなくなったりする。
- レントゲンを撮っても骨に異常は見られない。
これらの症状が当てはまるようであれば、成長痛の可能性があります。
参考
成長痛が起こりやすい年齢
成長痛は、3歳ごろから12歳ごろまでの時期に起こりやすいです。一般的に、3歳から5歳までの時期は、足の成長痛が起こりやすい年齢といわれています。
成長痛の痛みが出る期間
痛みの出る期間は、子供の成長によって異なりますが、多くは1年から2年で消失するといわれています。ただ、それ以上の期間成長痛が続いたという報告もあるようです。
成長痛の痛みの原因
成長痛の痛みの原因は明らかにされていません。骨の成長に痛みが伴うことは医学的にはないと考えられているため、成長痛の痛みの原因は直接骨とは関係がないといわれています。
一般的に成長痛の原因として考えられているのは、ストレスです。大人がストレスがたまると頭痛や腹痛を発症するのと同じように、成長期の子供は膝や下肢に痛みを感じるようです。
成長痛への対処法
成長痛は自然に治っていく症状だと分かっても、子供が痛みを訴えているのは事実です。ここでは、痛みを訴えている子供への対処法を2つご紹介します。
特別な治療法はないとされているので、必ずしもこれで痛みが和らぐわけではありません。しかし、ストレスが原因になっていることを踏まえると、安心感や温度感を伝えてあげることが対処するときの大切な視点になりそうです。
親子でストレッチをする
ふくらはぎや太もものストレッチをしてあげましょう。子供が痛がらないように、ゆっくりとストレッチをします。
- 子供をあおむけに寝かせて、足の裏を体の中心に向かってゆっくりと押す。(15秒ほど続けます。)アキレス腱を伸ばすようなイメージです。
- 子供をあおむけに寝かせて、片方の足を膝が曲がらないように膝を押さえながら持ち上げます。(同じく15秒ほど続けます。)太ももの裏の筋肉を伸ばすようなイメージです。
- 子供をうつぶせに寝かせて、片足の膝を床と垂直に曲げ、足の裏をゆっくり押します。1と同様に、アキレス腱を伸ばすようなイメージです。
- 子供をうつぶせに寝かせて、片足を曲げ、太ももが地面から浮くように持ち上げます。太ももの表を伸ばすようなイメージです。
1~4のストレッチを左右の足10回ほど行いましょう。子供が痛がらない程度の力加減で行うのがポイントです。
参考
スキンシップをとる
シンプルに、痛がっている所をさすってあげるだけでも痛みが和らぐことがあります。成長痛は、就寝前後や就寝中に発症することが多いので、一緒に横になって声をかけながらさすってあげましょう。そうすることで温かさが伝わり、その温かさが安心感となります。
また、温めてあげるという点では、温シップを貼るのも1つの方法です。時間がないときは、スキンシップをとって、途中から温シップに切り替えてもいいでしょう。人肌に勝る安心感はありませんが、何もしないでおくよりもいいでしょう。
まとめ
子供が足の痛みを訴える原因はさまざまです。今回ご紹介した成長痛のように、治療の必要性がないこともありますが、医療機関で専門家による治療が必要なこともあります。子供が痛みを訴えるようであれば、1人で判断するのではなく、まずは小児科など身近な医療機関で診察してもらうことをおすすめします。
また、医療機関に行く際には、「いつから」「何をしているとき」「どんな痛み」かを整理しておくとスムーズです。そして、医療機関で成長痛と診断されるようであれば、スキンシップを大切にして、お子さんを安心させてあげてください。
参考
こどもの足の痛み・成長痛|いしがみ整形外科クリニック
こどもの手足の痛み|鹿児島大学医学部
子どもが下肢を痛いと言ってます。これって「成長痛」?|一般社団法人兵庫県医師会
【子供の健康】子供にも見られる膝などの下肢痛。原因は多様|とかち子育て応援ラボ
足が痛い|Medical Note
成長痛って何? 痛みの特徴 どうして痛くなるの?|長野県立こども病院
成長痛は4〜6歳がピーク!中学生頃の痛みは違う症状の可能性大|いこーよ
オスグッド病|公益社団法人日本整形外科学会
膝離断性骨軟骨炎|公益社団法人日本整形外科学会
紫斑病|時事メディカル
アレルギー性紫斑病|沖縄県医師会
発育・発達について|日本スポーツ振興センター