語学力や理解力、表現力などの基礎的素養
ドラえもんの「ほんやくコンニャク」のように、翻訳によって世界中の言葉が話せるようになる日も近づいているかもしれません。
ただ、意志を伝えることができても、その人が持っている言葉の選びや受け取り方は多様です。単純に直訳することは可能になりますが、その人ならではのコミュニケーションをとるにはまだ時間がかかりそうです。
喜怒哀楽を表現して温度感を伝えることができるのが人間。プレゼンテーションをするにも、効率やロジックではなく、心に触れるような表現をすることができるのは人間の資質です。
AIの実際の活用例
最後は、AIが学校現場で活用されている事例をご紹介していきます。教員の業務を助けるような内容が多いですが、中には失読症の認識をするAIの活用事例もあり、子供のよりよい学びのための挑戦が続けられています。
AIによる出席確認
多くの学生の出席を取る場合や、オンライン授業で出席をとる場合に活用されているのが、AIの顔認識による出席確認です。中国杭州市の杭州電子科技大学では、授業に出席しなかった学生にAIが電話をかけるというシステムが導入されています。
参考
AIが学生の出欠確認、授業をサボるとスマホに警告が 杭州の大学|BB NEWS
AIによる授業中のエンゲージメントと活動の数値化
出席確認と同じように、顔認証により生徒のエンゲージメント(かかわり)を測定することも可能です。これは、ラップトップパソコンを介して授業を行っている学校で活用されている事例で、表情から集中しているかどうかを測ることができます。教員はそのデータをもとに、エンゲージメントが低い生徒に対してサポートしていきます。
参考
La Consultation du Docteur #5 – LCA iLearning – AI Education Teaser|YouTube
AIによる失読症の認識
失読症は、視力には問題が無く、会話も普通にできることから認識が遅くなることが多いです。また、失読症の子供は、読み書きが困難なため、学力が低くなる傾向が強いです。しかし、AIの技術とアイトラッキングを組み合わせることで、失読症の子供をすぐに認識することができます。
参考
AIによる試験監督
オンラインによる試験の際になりすましやカンニングを防止するツールも活用されています。学びが多様になり、オンラインで授業や試験を受ける機会も増えており、AIの活用が今後も期待される分野です。
参考
AIによる採点
ソフトバンクが作っているAIロボットのペッパーでは、計算問題がデイスプレイに表示され、その答えを口頭で応えることで、正解・不正解の採点をしてくれます。また、選択問題の採点を行うことができます。自動採点システムを導入することで、採点にかける時間と労力を大幅にカットできるようになります。
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AIによるFAQ
多くの企業がすでに導入している、FAQ用のチャットロボットは教育現場でも活用することができます。これは、子供だけでなく、保護者にとっても助かる機能です。学校はいまだに紙中心の文化にありますが、必要な情報の提出や持ち物などを気軽に問い合わせることができます。
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AIによる英会話
日本の小中学校にも導入されているMUSIOは英語学習ロボットです。学校の授業で1人の先生に対して30人も生徒がいる状態では、アウトプットの時間を担保するのが難しいもの。その点、英会話ロボットが導入されると、リスニング、スピーキングなどの活動時間を確保できるようになります。
参考
まとめ
AIを上手に使うことで、これまでよりも個人にフィットした教育に取り組むことができます。また、教師の業務を削減することにもつながっていきます。社会でも積極的にAIの技術が導入され、AIと人間とのスキルの違いを見極めることも必要になるでしょう。子供が生きていく未来の世界を想像しながら、AIを上手に使いこなせるように、今のうちからどんな力が必要か考えることは将来のプラスになりそうです。
参考
ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究報告書|総務省
AI × 教育|Date Artist
「AIを学び、AIで学ぶ」 教育 × 人工知能の最先端|Ledge.ai
AI時代に生き残るための“教育”とは?|フリーコンサルタント.jp
人工知能(AI)の普及に求められる人材と必要な能力 |総務省
AIと人間の能力の違い|マイナビ
1.2030年の社会と子供たちの未来|文部科学省