AIの発達で、これからを生きる子供の仕事の環境は現在と大きく変わると言われています。マイケル・オズボーン准教授のデータをもとに、総務省では10年後には現在ある職業の半数がなくなると予想しています。
そこで今回の記事では、AIが一般化した社会で求められるスキルとすでに使われているAIの活用例を7つご紹介します。
もくじ
AIと教育の相性の良さ
AIが発展しているとはいえ、現状できることは限定的です。鉄腕アトムやドラえもんのように人間のように総合的に振る舞うことはできません。しかし、限定的ながら高い精度でできることもあります。
例えば、画像分析です。どこに何があるかを識別することは可能で、その性能の高さは車の自動運転機能の試作がされていることからもよく分かります。また、音声解析もできます。言葉を聞き取り記録したり、僅かな違いを聞き分けることも可能。さらに、言語処理も可能で、会話をすることができます。
AIは、正解か不正解かを判断したり、言語処理をして外国語の発音をしてみたり、文章を書いてみたりすることもできるそう。それによりこれまで教師が一斉に行っていた授業や、個々の進度に合わせて問題を解く学習などはAIによって置き換えることができます。
また、教師の負担を軽減する業務内容を担ってくれることが期待されます。具体的には出席の確認や丸付けがそれに当たります。
AIが一般化した時代に求められるスキル
AIは教育現場だけでなく、社会の至るところに展開されていきます。総務省の「AIの活用が一般化する時代に求められる能力」では、これから求められるものとして5つのスキルが挙げられました。
チャレンジ精神や主体性、行動力、洞察力などの人間的資質
AIが一般化したとしても、人間としての基本的な資質は高いに越したことないという考え方を持っている有識者も多いようです。
例えば、チャレンジ精神がある人は、すなわちリスクをとることができる能力を持ち合わせています。AIはリスクを計算するため、チャレンジ精神を積極的に発揮することはしません。また、行動力や主体性、洞察力などは、理屈だけでは割り切ることができない人間的な資質の一つと言えるでしょう。
企画発想力や創造性
AIはゼロの状態から何かを生み出すことはできません。つまり、新しい企画を作ったり、アイデアを出したりする創造性があるとは言い切れません。会社を立ち上げて起業したり、これまでにない商品を世に送り出したりする力は人間ならではと言えるかもしれません。
逆に、決まったパターンの仕事をすることやデータの分析をすることなど、創造性の低い仕事内容は、AIの方がはるかにパフォーマンスが良くなります。
コミュニケーション能力やコーチング能力などの対人関係能力
人を育成する職業はAIに取って代わることはないと言われていますが、対人能力はAIにはない人間ならではのスキルです。
会話をするAIも出てきていますが、感情を込め、温度を感じるような受け答えや応対ができるのは人間だけです。そのため、高い対人能力が求められる小学校教員や保育士などはAIに代わる可能性は低い職業の一つと考えられています。
情報収集能力や課題解決能力、論理的思考力などの業務遂行能力
AIは自ら課題の設定をすることができません。そのため、課題を認識してそれに向かって情報を集め、業務を遂行することができません。課題の設定や目標の設定は、あくまで人間がすることになります。
課題を設定するためには、日常的に情報を集めておく必要があります。また、情報から何を読み取り、どのように課題にアプローチしていくかの取捨選択も人間らしい能力です。