腹痛の対処方法
自宅でできる手当
下痢をともなう場合には、脱水の恐れがあるため、十分な水分補給を心がけましょう。適度に塩分や糖分を含む飲料を摂るようにします。ただ、市販のスポーツドリンクでは、塩分や糖分のバランスが合わないこともあるため、必要に応じて医師に相談しましょう。嘔吐がある場合は、吐きやすいように横向きに寝かせ、息苦しくない体勢を作りましょう。
食事は、症状に応じて制限されますが、回復状況に合わせて調整してあげましょう。目安は、下痢をしているならさ湯やお茶などを中心にし、やわらかめの便ならおかゆにするといったふうに、段階的に変えていきましょう。
心理的な問題によるものであれば、親子関係で変わったことはなかったかについても振り返ってみましょう。子供は、親御さんの何気ない言動に敏感に反応します。そのほかにも、幼稚園や学校の友達、先生との関係も考えてみます。「学校や幼稚園に行きたくない」という不安から生じる腹痛もあるため、子供の話をよく聞いてケアしてあげましょう。お腹ではなく、心が痛いのかもしれません。
医療機関を受診する場合
医者にかかる際には、子供が正しく症状を伝えられないことに配慮して、親御さんが客観的に子供の状態を伝えましょう。また、突発的な事故や発作のために受診している際には、周りの人からそのときの状態を正確に伝えなければなりません。
医療機関では、腹痛の原因となる病気を確定させるために次のような検査を行っています。
(1) 末梢性検査:白血球数および分類、赤血球数、ヘモグロビン、へマトクリット、血小板数
(2) 尿検査:蛋白、糖、ポルフイリン、潜血(血液混入の有無)
(3) 糞便検査:潜血、膿汁粘液、細菌、虫卵
(4) 血液生化学検査:肝機能、腎機能検査
(5) 腹部単純?(原文ママ)線検査:ガス像、結石、骨の異常など
(6) 造影検査:消化管、胆嚢、腎う造影、逆行性膵胆管造影、血管造影など
(7) 内視鏡検査:消化管、腹腔鏡検査
(8) シンチグラフ:腹部超音波、CT検査
(9) 胃液、胆汁、膵液検査
以上、腹痛を訴える患者に対し、種々の検査が系統的に行われ、統合的に診断される。
(引用元:腹痛-おなかが痛いとき-10.腹痛の原因確定のための検査|一般社団法人広島県医師会)
検査をきちんと受けた上で、病状を診断してもらいましょう。
普段からの予防
普段から行う予防策としては、特にウイルスや細菌への注意が必要です。食事を作る際には清潔な調理器具を使い、食品を十分に加熱しましょう。食後は、残り物を室内で放置することを避けます。もしお弁当に前日調理した食品を入れるのであれば、しっかりと加熱します。食品を冷ましてから弁当箱に入れ、蓋をします。お弁当の中が温かいと、それだけで菌の増殖を招いてしまうからです。
また、精神面の対策としては、子供が普段と違う言動をしていないかをよく観察しておきましょう。些細な変化を見逃さず、何があったかを傾聴してあげるといいかもしれません。
終わりに
「病は気から」という言葉どおり、子供の精神状態は病気に深く関わります。普段から適切な精神状態を保てているか、親御さんが確認してあげましょう。腹痛を原因とする病気は多岐に渡りますので、その症状を理解しておくことも早期発見の鍵となるでしょう。
参考
小児の感染症 − お腹が痛いよ~ お子さんがこんなとき、どうしたらよいでしょう?|シオノギ製薬
子供の腹痛はエコー検査で早期診断を!|梅華会わくわくこどもクリニック
腹部、おなかのあたりを痛がっている場合|白クマ先生の子供診療所