文科省の対策!「スタートカリキュラム」について
広がる小1プロブレムに対して、文部科学省は「スタートカリキュラム」を発表しています。幼稚園・保育園と小学校の連携が行われてこなかったことが「小1プロブレム」の大きな原因とし、今後への対策として文部科学省では次のように提示されています。
いわゆるスタートカリキュラムとは,児童が義務教育の始まりにスムーズに適応していけるようなカリキュラムを構成することです。例えば,小学校第1学年において,教科を横断した大単元から各教科の単元へと分化していく教育課程を編成することが考えられます。具体的には,生活科において学校を探検する学習活動を行い,そこで発見した事柄について,伝えたいという児童の意欲を生かして,国語科,音楽科,図画工作科においてそれぞれのねらいを踏まえた表現活動を行うなど,合科的に扱うことが考えられます。
(引用元:Q&A|文部科学省)
入学直後は生活科といった「学校探検」や「植物の観察」などを中心に授業を始め、そこから各教科への授業へとつなげていき小学校生活への円滑化を図るという内容です。これによって集団生活をしいられるといったストレスが軽減され、小学校に対して楽しさを感じさせることができるというのがこの要旨です。
また、「スタートカリキュラム」では幼稚園・保育園と小学校への連携や促進の必要性も説いており、課題への取り組みが現在進行形で進んでいます。具体的には、幼児と小学生の交流の場を設ける、双方の先生同士の意見交換などに取り組んでいます。
参考
幼児期の教育と小学校教育の接続について|文部科学省,p9
小1プロブレムへ家庭ができる取り組み
社会問題として広まる小1プロブレムですが、これが起こるのはもちろん社会や教育現場の責任だけではありません。家庭においても、進学を控える子供に対してできる取り組みがあります。ここでは、具体的な取り組みについてご紹介していきます。
考える力を伸ばす
子供は程よく見守ることで自分で考える力を持ち、それが自信へとつなげていきます。つい子供へ口や手を出してしまうと、成功体験を積むことができません。学校では手伝ってくれる親はいないために、そこから進めなくなってしまうことを防ぐためにも子供自ら考える時間を与えましょう。
コミュニケーションの場を増やす
小学校という大きな集団に入ったときに受け入れる力を持つためにも、日ごろからいろいろな人とコミュニケーションを持たせましょう。相手のことを考えられる子供であれば、我慢をしたり周りに合わせることができます。
あまり近所付き合いがない、他人と話す機会がないという場合でも、家族や親戚とのコミュニケーションを図ることで効果が出てきます。遠方に暮らす場合は電話でもいいので、家族内だけの会話ばかりという環境から少しずつ変えていきましょう。
社会でのルールを教育する
これから進学をする子供は、社会の一員となることを理解させましょう。交通ルールももちろん大事ですが、先生の話をしっかりと聞く、自分の持ち物を大切にするといった基本的なことから教えることも大切です。
そのためにも、近所の人に会ったら積極的にあいさつをするなど、社会性を身につけるように心がけてみてください。まずは、子供自身に社会への興味や関心を持たせるようにしてみましょう。
まとめ
社会問題となっている小1プロブレムの背景には、核家族化や、社会とのつながりの減少も大きな原因となっています。学校だけでは解決できない部分も多く、家庭での取り組みによっても防げることもあるのは確かです。これから進学を控える子供を持つ方は、小学校生活を楽しむためにはどうしたらいいのかをぜひ一度考えてみてください。
参考
「小1プロブレム」を乗り越える ~背景から原因を探る|ベネッセ教育情報サイト
小1プロブレムはなぜ起きる? 各自治体では幼保小の連携強化の動きも|ベネッセ教育情報サイト
「小1問題」の本質は学校の古臭さにある (3/3) | プレジデントオンライン
小1プロブレムとは(小1問題とは)・原因と家庭での対策|よい家計
小学1年生の行き渋り |親の学校!ぶにん先生のカウンセリングルーム
発達障がい?それとも個性?―「グレーゾーン」の子どもたち―|全国青少年教化協議会
発達障がいの5段階とは?①|発達障がい支援センター
子どものADHDチェックリスト|親と子のためのADHDサイト