中学生が登校拒否する原因は?親の向き合い方や進路選択について解説 - cocoiro(ココイロ)

不登校の子供が増えています。どういったことが原因となってしまうのでしょうか。全学年に共通する原因から学年別の原因までをご紹介しつつ、親が子供に対してできることや、不登校の子供の今後の進路先についてもまとめています。

不登校の原因として考えられるものとは?

不登校の原因として考えられるものは数多くありますが、全学年に共通する原因と、その学年ならではの原因の2つに分けることができます。それぞれ、どのようなことが原因となっているのでしょうか。

学年を通じての主な登校拒否の原因

中学校の全学年を通して多い原因を3つ挙げてみましょう。不登校の原因が分かれば、何か対策を立てることができるかもしれません。

無気力

実は、不登校の原因として最も多いと考えられているのが、この無気力です。小中学生のうち約26%、高校生でも約30%の子供が、この無気力を理由に不登校となっています。学校生活が思っていたものと大きく違った、受験で燃え尽きてしまった、周囲の期待に応えようとして頑張って無理をしてしまったなど、子供によってさまざまな心情を持つものです。

無気力状態になっている子供に対して「学校に行きなさい」と無理に登校させてみても、問題は解決しないでしょう。まずは本人の体と心を休ませてあげることを優先し、無気力状態から前に進もうとする気持ちを取り戻してもらうことが先決です。ただ、休ませるといっても家でダラダラ過ごしていては本人にとっても好ましいことではありません。家族と生活リズムを合わせるように促す、買い物などの外出には積極的に付き合わせるといったように、外の世界とのつながりは持たせておくようにしましょう。

参考

不登校の8つの原因とその対応方法 – 不登校の原因・対策解説ノート|不登校サポートナビ

学校生活におけるトラブル

学校の勉強についていくことが難しく、思うように成績が伸びない学業不振の状態も、不登校の原因となっていると考えられています。このような気持ちを一度抱いてしまうと、授業や試験がつらいものになり、学校に行きにくくなってしまうのです。

この原因を解決するには、やはり学力を上げることが重要。理解できなくなったところまでさかのぼって勉強をする必要があります。個別指導の塾または家庭教師を使って、しっかりと理解を深めましょう。親が教えてもいいですが、決して「どうしてこんなことも分からないのか」と責めるような態度をとらないよう、気をつける必要があります。

家庭環境

両親の不仲など、家庭環境を原因として不登校になる子供もいます。どちらかといえば、生活環境が良くないからというよりは、親自身がストレスによって余裕をなくすことで子供がストレスを感じ、家族や学校と関わることを避けてしまう傾向があります。親も子供には心配をかけまいと必死になっていたとしても、子供には伝わっているものです。そして子供は苦しい気持ちを親に話すこともできず、ひとりで悩んでしまうのです。

中学1年生の登校拒否の原因

中学になると勉強が急激に難しくなります。定期テストもあり、宿題も一気に増えます。また、小学生では関わる相手がクラスメイト中心だったのに対し、中学生では部活によって先輩たちとも関わるようになり、上下関係にも気を配る必要が出てきます。中でも中学1年生は一番下の学年ですから、先輩から何かと要求される場面もあるでしょう。さらに思春期のモヤモヤした気持ちも重なり、息苦しさを抱える子供も多いようです。

中学2年生の登校拒否の原因

進級時に友達とクラスが離れてしまい、不登校の原因になる可能性があります。中学生時代はよく「踊り場のない階段」と例えられますが、次々と行事などがあって休む暇がなく、疲れが出やすい時期でもあります。なんとか結果が出ていれば、それでも頑張ることができるのですが、結果が伴ってこないと、ゴールが見えない中学2年生の時期に息切れしてしまうことがあります。

中学3年生の登校拒否の原因

中学3年生の不登校は、受験に関するものや将来への不安が関係していることが多いです。定期テストなどでは数値で評価が下され、受験勉強にも追われて、自分を責める気持ちが大きくなる可能性があります。

親が子供に対してしてあげられることとは?

不登校の子供に対し、親がしてあげることができることは、どのようなことでしょうか。どのように子供と接すればいいのか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

子供を大切に想っている気持ちを伝える

「自分は親から愛されているんだ」」「両親はいつも自分に関心を持ってくれているんだ」と実感できると、子供は安心感を得ることができ、外の世界と向き合う勇気を持てるようになります。仕事や家事が忙しくても親子の会話の時間は大切にし、子供に「自分は愛されているのだ」という実感を持たせてあげるようにしましょう。また、子供ができていないところを責めるのではなく、良い面やできている面に目を向けて声をかけてあげるようにしてください。

温かく見守ってあげる

学校に行っていないからといって、何もできないわけではありません。子供が好きなことや興味のあること、得意なことなどに取り組ませてあげて、積極的に褒めてあげましょう。このような成功体験を積み重ねていくうちに、自己肯定感や自信がついて、不登校の改善に役立つことでしょう。また、できる限り子供にお手伝いをお願いし、家の中での役割を持たせることも重要。家族に感謝されることで、自信につながると考えられます。

家族や夫婦の問題に向き合う

家族のトラブルや夫婦仲のことで、子供にストレスを与えていることがないか、振り返ってみましょう。例えば、夫婦で争いが起きると、子供は「自分のせい」と無意識に考えてしまいがちです。子供の不登校と夫婦仲には関係がないと割り切ってしまわずに、子供の立場に立ってみましょう。そして、「夫婦で何かあったとしても、両親はあなたを大切に考えている」と伝えてあげてください。