大学受験のための数学勉強法は?「共通テスト」実施でどう変わる? - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

2020年度から始まる共通テストはこれまでのセンター試験と大きく内容が異なってきます。これまでより思考力・判断力・表現力が重視され、数学でも「機械的に公式を使う」ことより「公式をどのように使うか」を重視。思考プロセスを試す問題が出されるようです。

今までのセンター試験と異なった受験対策が求められます。スタンダードな問題を解く力と数学的思考プロセスを重視した演習が必要です。主な変更点を紹介します。

2020年度から始まる「共通テスト」で数学はどう変わる?

2020年度から大学入試が大きく変わります。これまでのセンター試験は廃止され「共通テスト」が実施されるようになります。主な変更点は2つあります。まず、試験時間です。センター試験では一律60分でしたが、科目によって変更されるものがあります。二つ目は問題方式の変更。マークシート方式から記述式に変わります。

これらの変更点を受けて一番変わるのは数学といえるでしょう。数学では文章題や身近なものを材料とした問題が出題されます。ボリュームが増え、試験時間も60分から70分に拡大されます。

大学入試が改革された背景

大学入試を改革する目的について、文部科学省はホームページで次のように説明しています。

グローバル化の進展や人工知能技術をはじめとする技術革新などに伴い、社会構造も急速に、かつ大きく変革しており、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要です。このためには、『学力の3要素』(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、義務教育段階から一貫した理念の下、「学力の3要素」を高校教育で確実に育成し、大学教育で更なる伸長を図るため、それをつなぐ大学入学者選抜においても、多面的・総合的に評価するという一体的な改革を進めていく必要があります。

(引用元:高大接続改革|文部科学省

つまりこれまでのように画一的な試験に向けて勉強をするのではなく、知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性を持って多様な人々と学ぶ態度を重視し、評価していくようになるのです。そのために偏差値では測れないAO入試や、より思考プロセスを重視した「共通テスト」が実施されるようになります。

共通テスト試行調査の結果は

2017、18年に共通テスト実施に向けた試行調査(プレテスト)が行われました。2回目の試行調査の結果、数学の平均正答率は数Ⅰ・Aで34.54%、数Ⅱ・Bで44.89%でした。施行された問題は5割程度の平均正答率を目標にしていましたが、数学は目標に達していません。このことから受験者にとっては負担が大きくなり難易度も増したといえます。

本番の試験では施行調査の結果を鑑み、ある程度文章題が減らされる見込みです。しかしこれまで通りのセンター試験対策では通用しないことは変わりません。

参考
大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)(平成30年度(2018年度)実施)の結果報告|大学入試センター

思考力・判断力・表現力が求められるように

数学では建築基準法をもとに階段のステップの幅を求める問題や食品の脂質を求める問題などが出題されています。日常生活でどのように数学を活用するかが問われ、問題解決への思考力を重視した構成になっています。会話の内容や場面設定、与えられる資料から、どの公式を使用するべきかを適切に判断することが求められるようになり、国語的な読解力も身につけるよう求められています。

参考
数Ⅰ・A問題|大学入試センター