大学受験のための数学勉強法は?「共通テスト」実施でどう変わる? - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

新・大学受験で必要な数学の勉強法は

共通テストに備えた数学の勉強方法を具体的に解説します。共通テストはセンター試験のスタンダードな問題をもとに構成されています。そのため数学の勉強は基本的にこれまで通り、教科書の理解と問題演習を行っていきます。

しかし丸暗記ではない公式の証明の理解、文章の読み込みなど、対策すべきことが増えました。1、2年次にしっかりと基礎力を身につけると同時に省略されがちな証明問題にもていねいに取り組んでいく必要があるでしょう。

基本的な数学の知識を身につける

より数学的な思考のプロセスが求められるようになりましたが、解答するための材料は教科書にあることは変わりません。ただしこれまで以上の教科書の理解と公式の使い方を実践的に学習していく必要があります。また文章のボリュームが大きく増えたことから、素早く必要な情報を読み解く力も鍛える必要性が出てきました。

教科書を理解する

数学は基本問題の組み合わせでできています。一見すると難しそうな問題でも、基本を押さえて取り組めば解けるようになります。それは共通テストでも変わりません。まずは教科書の理解を深めましょう。

教科書の内容は単に丸暗記するのではなく、公式の証明方法や日常生活での使い方をイメージしておくと、共通テスト対策になります。例えば二次関数はボールなどの物体を投げたときの運動ですし、三角比は遠くの山や島の距離を測定するのに役立ちます。

問題演習を繰り返す

教科書の理解ができたかどうか、実際に問題を解いて確認します。ここでの狙いは公式を頭に定着させることです。教科書を読んだだけ、授業を聞いただけでは実際に使えるかどうかは分かりません。手を使って解き、間違えたところは見直し、正答するまで繰り返します。

基本の問題で公式の定着ができたら、より難易度の高い問題に挑戦しましょう。数をこなせばこなすほど問題に慣れ、どの公式を使うのかが直感的にも分かるようになってきます。

おすすめの参考書

おすすめの参考書を3つ紹介します。

教科書理解に重点を置いた参考書で、数学に苦手意識を持っている方にもおすすめです。中学生のおさらいで復習ができ、基本練習の繰り返しで定着を図ります。ページ数も少ないので苦手分野の洗い出しにも使いやすいです。

ベストセラーの数学の参考書といえばチャート式です。教科書の内容から入試程度まで網羅している参考書で、解法の辞書のような使い方もできます。レベル別にシリーズが展開しているので数学に自信がない方はより基礎的な内容の白チャートから始めてもよいでしょう。

苦手分野が明確に分かっている場合は、単元ごとに詳しく解説された参考書がおすすめです。「坂田アキラの理系シリーズ」は基礎の基礎から5段階に分けて解説されており、問題の解答も省略せずに書かれています。イラストが多めで、平易な言い回しは好き嫌いが分かれるかもしれません。

他人に解き方を説明してみる

共通テストでは文章題が多く出題され、施行調査では数学の問題について2人の人物が論じるシーンがあります。そのシーンにならって友人同士で問題の解き方を解説してみるのもいいでしょう。この手法はアクティブラーニングの一つであり、今後ますます重要視されてくる学習方法です。受け身的に情報をインプットするのではなく、相手に説明をすることで表現力や思考力が鍛えられ、自分では気付かなかった物事の見方ができるようになります。

共通テストだけでなくAO入試対策にもつながるので、ぜひ積極的に実践してみましょう。

参考
話し合って問題を解くと数学が得意科目になる!?|マナビラボ

情報を的確に読み取る力を養う

最後に重要なのは情報を的確に読み取る力(読解力)を養うことです。情報を正確に読み解きながら自分の考えを表現することは、正に共通テストが求めることでもあります。

身につけるための具体的な方法は

  1. 語彙を増やす
  2. 文章を要約する
  3. 連想する

以上の3つです。文章にある言葉が分かっていなければ当然、文章を読み解くことは困難になるため、1の「語彙力」が重要になります。2の「文章を要約する」についてですが、試行調査の問題をみると文章量は非常に多いようです。時間制限のあるテストでは、何度も問題を読み込む余裕がないかもしれません。どの情報が重要であるかを要約し、問題に集中できるようにする必要があります。

自分が持っている情報を付け加え、「連想する」力も大事。経験や知識を結びつけることで文章への理解が深まり、解答もしやすくなります。

まとめ

共通テストでは出題の仕方ががらりと変わります。そのため戸惑うことも多いですが、教科書の理解が重要であることは変わりません。しかし文章題のボリュームが増えたこともあり、文章を読むことに不慣れな人は苦戦する可能性があります。日ごろから「これはどういうことだろう」と考えながら文章を読む癖を身につけていきましょう。また数学的思考プロセスの演習には、教科書で解説されている公式が具体的にどう使われるのかをイメージしたり実験したりして数学を使ってみるのが一番の対策となります。

参考
【数学】作問のねらいとする主な「思考力・判断力・表現力」、及びそれらと出題形式との関係についてのイメージ(素案)|大学入試センター
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針|大学入試センター
こう変わる!大学入試~2020年度からセンター試験に変わる試験を実地~|河合塾の大学入試情報サイト
数学勉強法|大学受験数学の勉強法まとめ|(株)合格の天使
勉強に必要な「読解力」を身につける方法|Café du cation

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