名古屋の一般的な月見団子とは?地域別ユニークな月見団子も紹介! - cocoiro(ココイロ) - Page 2

月見団子の種類は地域によって違う?

新しい土地を訪れたときの楽しみのひとつが、「ご当地グルメ」や「郷土料理」という人も多いでしょう。同じ日本でも、地域によって食文化や風習が異なることが多々あり、それは月見団子にも当てはまります。

「月見団子」をインターネットで画像検索すると、白丸型やしずく型のほか、まんじゅうや串団子に近い見た目のものなど、いろいろな形のものが見つかります。

天気予報でおなじみの気象情報会社「ウェザーニュース」は、2016年9月12日に、ウェザーニュース会員を対象に「お月見団子の種類は?」というアンケートを取りました。その結果は以下のとおりです。

【調査結果】お月見団子の種類は?|ウェザーニュース 図「お月見団子の種類は?」より編集部作成

このアンケート調査結果では、75%が「白丸型」を選んだことが分かりました。このことから、日本で一般的な月見団子は「白丸型」と言えるでしょう。

また、地域別に見ても、北海道から沖縄まで全ての地域で「白丸型」が多数を占める結果になっているようです。おもしろいのは、どの地域にも「白丸型」以外の月見団子があることです。近畿地方では「あんこ被り」、沖縄では「その他」がオーソドックスな「白丸型」に次いで多くの票を集めました。「月見団子」は、エリアによってかなり異なることがお分かりいただけるでしょう。

【地域別】ユニークな月見団子5選

それでは、全国にあるユニークな月見団子を5つご紹介します。

【北海道・東北(青森・岩手)】まんじゅう

 

(参照元:akemi2277|Instagram)

青森・岩手をはじめとする東北地方や北海道では、「まんじゅう型」が主流です。単に形が

「まんじゅう型」なのではなく、材料や味も「まんじゅう」そのもの。こしあんや黄身あんが中に入っていることが多く、ウサギの顔を描いたものもあります。和菓子店では、秋の季節商品として「まんじゅう型」の月見団子を販売するのが風物詩になりつつあるようです。

【静岡】へそもち

 

(参照元:canaco1987|Instagram)

静岡の中部・駿河地方に伝わる月見団子は「へそもち」と呼ばれています。「へそもち」は白いお団子を平たくしたもので、中央がへこんだ形をしているのが特徴的です。形状は赤血球によく似ています。

 由来ははっきりしませんが、徳川家康(とくがわいえやす)が幼少時代、今川(いまがわ)氏の人質として駿府城(すんぷじょう)にいた時、三河(みかわ)からの付き人が元気に丈夫に育つようにとの思いから、餅に「へそ」を作り、そこにあんを添えて食べさせたのが初めだと伝えられています。

(引用元:地場産物を利用した行事食<十五夜>へそ餅|公益社団法人全国学校栄養士協議会

和菓子屋やスーパーなどであんこ入りの「へそもち」が販売されていますが、正統派のへそもちは何も入っていないタイプだそうです。「あんこは別添え」という基本は現代まで続いています。

【関西・大阪】あんこで包む

(参照元:発見大阪|Twitter)

関西地方・主に大阪でメジャーなのが、団子をこしあんで包んだものです。団子の形は細長く、名古屋の月見団子の「しずく型」に似ています。こちらの月見団子も、芋名月の里芋がモチーフになっているのです。白い団子が「月」、あんこが「月にかかった雲」を表しているそうです。

【中国・四国】串団子

 


(参照元:okashidokoro_minatoya|Instagram)

中国・四国地方の月見団子は「串団子」タイプです。見なれた形ながら、「月見団子」と定義されると少し妙な感じがするかもしれません。あんこやきな粉、みたらしのほか、団子をこしあんで包んで串に刺したものもあります。

【沖縄】ふちゃぎ

 

(参照元:noppohiro|Instagram)

月見団子という言葉からは想像できないビジュアルなのが、沖縄県の「ふちゃぎ(吹上餅)」です。沖縄では月見団子やススキを用意する習慣がないので、厳密にいうと「ふちゃぎ」は月見団子ではありません。

沖縄県民にとっての十五夜は、神様に豊作や無病息災を祈願したり、綱引きをしたりする日です。「ふちゃぎ」は火の神や仏壇、神棚に供えたあとに食べる縁起物とされています。「ふちゃぎ」は、もち粉をこねて蒸したものに薄い塩味のついた茹で小豆をまぶしたものです。もちの中にはあんやクリームなどは入っておらず、もち自体にも甘みがないため、ほとんど味がしません。

最近では、現代風にアレンジされた「甘ふちゃぎ」が人気です。もちや小豆に甘みを加えたり、中にあんが入っていたりと食べやすくなっています。小豆には魔よけの力があると考えられているので、つぶさずにそのままの形でまぶしているといわれています。

まとめ

十五夜では、その名にちなんで、一寸五分(約4.5cm)の大きさの丸い団子を作ると縁起が良いとされていますが、行事の慣習には地域差が出るものです。今年のお月見では、これまで試したことのない別の地域のお月見団子をお供えして、味わってみるのもいいかもしれません。秋にほかの地域へお出かけをしたときには、ぜひお子さんと探してみてください。

参考
月見だんごの供え方・並べ方!団子の形や数は?|Allabout 暮らし
あなたの街の月見団子は? | 本棚のこびとたち
【お月見団子】って言ったらこれだよね?え?違うよ?! 地域で異なる団子|NAVERまとめ
名古屋のお月見だんごは「しずく型」で3色・丸いのはマンガでしか見たことが無い|TOPPY.NET トッピーネット
秋のお菓子 お月見団子|”もち処”一久 大福堂
月を愛でながら「へそ餅」初体験|TNC静岡ジモティーズ
地場産物を利用した行事食<十五夜>へそ餅|公益社団法人全国学校栄養士協議会
「あさひ堂」の『月見団子』十五夜2018年は9月24日(月)です!|丸亀つーしん
中秋の名月に食べる縁起物「ふちゃぎ」|たびらい
ふちゃぎ!その乱暴すぎる見た目の理由!?|ひーじゃー通信

この記事をかいた人

高橋マリ―

元フリーアナウンサー。企業イベントMC、ラジオCMナレーションなどに携わるほか、科学専門番組のMC兼APとして大学教授などを多数取材。結婚後はしばらく専業主婦。のちに地域情報紙の編集・ライターに。夫の転勤で退職し、ドイツで妊娠、出産、保活を経験。関心は幼児教育、ダイエット、時短家事、アンガーマネジメントなど。2児の母。親子バレエサークルの名ばかり代表。現在はライターとして活動中。