『ガラスのうさぎ』の読書感想文を上手に書く方法・ポイントは? - cocoiro(ココイロ) - Page 2

『ガラスのうさぎ』をおさらいしよう

「ガラスのうさぎ」は非常に有名なお話です。アニメ化や映画化もされているため、一度は聞いたことがある・読んだことがあるという人もいるはずです。読書感想文はうろ覚えの状態では書けないので、ここで「ガラスのうさぎ」について少しおさらいしてみましょう。

あらすじ

「ガラスのうさぎ」は著者の高木敏子さんの戦争体験を基に書かれたノンフィクション小説です。

東京の下町に生まれた「敏子」は、5人兄弟の長女です。敏子が9歳のときに太平洋戦争が始まります。日に日に苦しくなっていく生活。兄2人は志願兵として出征し、敏子も幼い2人の妹とともに学童疎開を余儀なくされます。まだ幼い妹は疎開ができず、母と一緒に東京に残ります。そこで起きたのが東京大空襲。焼け野原となった東京……敏子は母と妹2人を失います。そして生き残った父親も、敏子の目の前で米軍の機銃掃射を受けて亡くなります。

その後敏子は親戚の家に引き取られ、戦争から帰ってきた兄たちと新しい生活を始めます。

戦争によって切り裂かれる敏子の家族や、敏子を取り巻く周囲の大人たちの人間像などが13歳の敏子の目線で描かれています。

登場人物

「ガラスのうさぎ」に登場するのは、敏子の家族がメインです。

父・母・2人の妹……戦争という過酷な環境の中で、家族が亡くなっていきます。特に父親は敏子の目の前で亡くなってしまうため、その喪失感は想像を絶するといえます。

13歳で父親の葬儀を出さなければならなかった敏子の気持ちは、戦争を知らない世代には分からないかもしれません。

「ガラスのうさぎ」に登場する敏子の家族は皆、懸命に生きています。敏子をはじめ、生還する兄たちもまだ10代です。この懸命に生き抜こうとする登場人物の姿は、胸を打つものがあります。

背景

「ガラスのうさぎ」の背景は、太平洋戦争の時代です。

子供は子供らしく生きることさえできず、少国民と呼ばれ、お国のために子供でもできることを強いられていた時代でした。

それでも家族との絆を大切にしたり、勉強をしたいという当たり前の気持ちを持ったりしている敏子。今の日本とはまったく異なる背景がそこにあります。

『ガラスのうさぎ』読書感想文のポイント

「ガラスのうさぎ」は読書感想文の課題図書としても選ばれることの多い作品です。ここでは「ガラスのうさぎ」の読書感想文を書くときのテーマやポイントをまとめました。

戦争について

戦争というテーマはさまざまな作品で取り扱われています。「ガラスのうさぎ」が特化しているのは、主人公が子供であること。敏子はまだ13歳、学年で言えば中学1年生です。

同じ年代の子供が読書感想文を書くのであれば、やはり戦争の恐ろしさをテーマに持ってくることで、非常に書きやすくなります。日本は平和ですが、今の時代でも戦争によって傷つけられている子供はたくさんいます。昔のことは分からなくても、今現在戦争を行っている地域の子供たちにスポットを当てることもできます。

今の自分と比べてみる

小学生や中学生が戦争のせいで親元を離れる、ましてや出征するというのは、比べるには少々難しいテーマかもしれません。それは今の日本とはあまりにもかけ離れているからです。

ただ女の子の場合は敏子と同じ目線で、男の子の場合は出征したお兄さんたちと同じ目線で「自分だったら」と置き換えることができます。子供も大人も関係なくお国のために働いていた背景や、今の自分たちがどれくらい恵まれているのかという点を書いてみましょう。

家族のありかたについて

今も昔も、家族のありかたは変わりません。ただ背景が戦争となると話は変わってきます。病気や事故以外で命を奪われてしまう理不尽さ、家族揃っての団らんが持てない寂しさなど、時代に左右されながらも家族のありかたは変わらないという点について書いてみましょう。