可能性2:胆道閉鎖症
どのような病気?
胆道閉鎖症とは、生まれて間もない乳児に発症する肝臓および胆管の病気です。病気の特徴は以下のとおりです。
胆道閉鎖症の特徴
原因 | 胆汁の通り道である胆管が、先天的後天的に完全につまってしまい、胆汁を腸管内へ排泄できないことで引き起こす |
患者 |
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遺伝の可能性 | 一般的には遺伝しない疾患と言われるが、明らかになっていない |
参考
症状
胆道閉鎖症の症状を見ていきましょう。
胆道閉鎖症の症状
皮膚や眼球結膜(白目) | 黄染(黄疸) |
便色 |
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尿色 | 濃い黄色 |
その他 |
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参考
胆道閉鎖症の合併症について、難病情報センターでは以下のように説明しています。
合併奇形の頻度は他の先天性小児外科疾患より低く,全体で約10%程度の割合で合併がみられます.特に頻度の高い合併疾患に脾臓の異常(多脾症候群)があります.
(引用元:胆道閉鎖症(指定難病296)|難病情報センター)
治療法
胆道閉鎖症の治療は手術が必要です。手術方法は、大きく分けて2つあります。
- 胆管の閉塞部を取り除き、胆汁の流出をはかる
- 胆汁の流出をはかる手術をしても黄疸がなくならない場合)肝臓自体を取り替える肝移植術
家庭での対処法
術後異常がなければ日常生活を送れますが、生涯にわたって定期的な通院が必要です。
手術により良好な胆汁排泄が得られ,肝臓の病変の進行が食い止められれば,その後の正常と変わらない生活ができますが,手術後きわめて長期間を経過したあとでの合併症出現もありますので,定期的な通院によるチェックが必要です.
(引用元:胆道閉鎖症(指定難病296)|難病情報センター)
また、胆道閉鎖症の手術が成功したとしても合併症が起こり得ます。以下に挙げますので油断せず、合併症には常に注意しておきましょう。
胆道閉鎖症の合併症
- 肝臓の中の胆管に細菌感染が生じることによる胆管炎
- 肝臓に線維が溜まって硬くなり、血液の流れが滞って生じる門脈圧亢進症
- 出血が止まりにくくなる脾機能亢進症
- 肝内結石症
- 肝がん
まとめ/うんちの色が変なときは病院に持っていきましょう
うんちの色に異変を感じた場合に病院を受診する際は、子供の便を医師に見せられるように準備しましょう。
オムツの外れていない子供は、そのままオムツを持参します。トイレで排便をしたためすくえない場合は、写真を撮っておくといいでしょう。
便色や便を調べることにより、早期に適切な処置を受けることができます。早期発見と適切な処置をすることで、子供を苦しませないようによく見ていてあげてください。
参考
胆道閉鎖症:早期発見へ、母子手帳に便の色見本 手術早いほど予後良好/異変あればすぐ受診を|こども健康倶楽部