うんちの色は健康かどうかの判断にとても有効です。特にお話しのできない乳幼児にとっては、うんちの色が病気を知らせてくれるサインになります。そのため、うんちの色が変ではないかを判断する方法を正しく知っておきくことが大切です。子供が白いうんちをした場合はどのような病気が疑われるのかを知っておき、家庭で適切な対処ができるようにしておきましょう。
もくじ
うんちは健康のバロメーター
一般的には、母子手帳にうんちの色が病気かどうかを判断する便色カードがありますので、オムツの交換時に活用しましょう。
一般的には黄褐色ですが、緑色のうんちが出る赤ちゃんも。
要注意は赤・白っぽい色(うすい黄色、クリーム色、灰白色を含む)・黒色のうんち。
(引用元:赤ちゃん&子育てインフォ うんちの色編|公益財団法人 母子衛生研究会)
色が黄褐色でなくても病気とは限りません。
緑色の便は、胆汁が酸化したことが原因なので、異常ではありません。母乳やミルクのころなら白い粒がまじることも。これも、脂肪やカルシウムが消化されずに出てきたものです。
(引用元:赤ちゃん&子育てインフォ うんちの色編|公益財団法人 母子衛生研究会)
下記参考にある母子衛生研究会のサイトの中に「うんちの色がおかしいときに考えられる病気」の表が掲載されており、うんちの色別に病名と簡単な説明を見ることができます。母子手帳の便色カードと照らし合わせて、異変を感じた場合は病院を受診しましょう。
参考
赤ちゃん&子育てインフォ うんちの色編|公益財団法人 母子衛生研究会
母子健康手帳用便色カード|JAGAT 公共社団法人日本印刷技術協会
では、子供が白いうんちをした場合はどのような病気が疑われるのでしょう。疑われる病気は、次の2つが挙げられます。
可能性1:ロタウイルス感染症
どのような病気?
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎です。病気の特徴は以下のとおりです。
ロタウイルス感染症の特徴
原因 | ロタウイルス |
罹患しやすい年齢 |
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感染しやすい時期 | 最近の流行のピークは3~5月 |
感染経路 |
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潜伏期間 | 約2日 |
感染期間
(糞便中にウイルスが検出される期間) |
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参考
症状
ロタウイルスに感染すると、初期に嘔吐と発熱が見られ、続いて下痢が始まります。それぞれの特徴をおさえておきましょう。
ロタウイルス感染症の症状
発熱 |
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嘔吐 |
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下痢 |
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参考
ロタウイルスの合併症として挙げられるのは、以下の3つです。合併症を引き起こした場合の症状を把握しておきましょう。
ロタウイルス感染症の合併症
脱水 | 中等度の脱水の小児では、活動や遊びの量が減る、涙を流さずに泣く、口の中が乾燥する、1日の排尿回数が2~3回未満になる、などの症状がみられます。重度の脱水の小児はうとうとした状態(嗜眠)になります。
(引用元:小児の脱水|MSDマニュアル家庭版) |
代謝性アシドーシス | 吐き気、嘔吐、疲労がよく起こるほか、呼吸が通常より速く、深くなります。
(引用元:アシドーシス|MSDマニュアル家庭版) |
ロタウイルス脳炎・脳症 | けいれんが難治性で、後遺症を残した症例が38%にのぼり予後不良 |
参考
注意
その他、電解質異常、低血糖、麻痺性イレウス、腸重積、蛋白漏出性胃腸症、筋炎、痙攣、脳炎、脳症などがみられますが、ロタウイルス感染との因果関係が明らかでないものもあります。
(引用元:ロタウイルス感染症とは|感染症予防接種ナビ)
治療法
特別な抗ウイルス療法はなく、対症療法が中心です。
軽度の脱水 |
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中等度以上(5%を超える体重減少)の脱水 |
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参考
日本を含めた先進国では死亡例は少なく、通常およそ1週間の経過で治癒します。しかし、原発性免疫不全症や骨髄移植後の子どもでは、いったん感染するとウイルスを排除できず致死的になることがあります。
(引用元:ロタウイルス感染症とは|感染症予防接種ナビ)
家庭での対処法
現在有効な予防法はありません。現在日本では、ロタウイルスワクチンとして、1価と5価が認可されており、接種は保護者の任意となっています。接種する病院とワクチン接種の必要性、接種スケジュールなどを相談しましょう。
ロタウイルスワクチンの接種スケジュール
1価ワクチン
(ロタリックス®(RV1)) |
5価ワクチン
(ロタテック®(RV5)) |
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接種年齢 | 生後6~24週 ※1回目は生後14週6日までが望ましい *1 | 生後6~32週 ※1回目は生後14週6日までが望ましい *4 |
接種間隔・回数 | 4週以上あけて2回 *2 | それぞれ4週以上あけて3回 *5 |
接種量・方法 | いずれも1回に1.5mLを経口接種 *3 | いずれも1回に2.0mLを経口接種 *6 |
*1~6 引用元:ロタウイルス(1価、5価)|感染症予防接種ナビ
参考
ロタウイルスに感染した場合は、以下のことを徹底しましょう。
- 感染している子供の隔離
- 感染源である糞便やおむつの適切な処理
- 衛生的な手洗い
- 汚染された衣服の次亜塩素酸消毒