子供に「胸が痛い」と言われると、大人としてはドキッとします。心疾患などを疑いたくなりますが、実は子供の場合、そのような可能性はあまり多くないそうです。子供の胸の痛みに多い原因や症例について紹介します。
もくじ
多くの場合は「突発性胸痛」。様子見でOK
実は子供の場合、胸の痛みに心疾患や呼吸器の異常などが隠れていることはまれです。実際にはどのような症状が多いのでしょうか。
突発性胸痛の特徴
突発性胸痛とは、原因がよく分からず、検査をしても特に体に異常が見られない胸の痛みのことを言います。
午前5時頃、今度は(いたい、いたい~!)と泣きながら目を覚まして、私もびっくり。
どこが痛いか聞くと、左の胸を押さえて
(ここがどきってして急に痛くなる;;)
(こわい~)と娘。
心臓?手を当てるとたしかにドキドキと鼓動が激しいような・・
(引用元:こどもの胸痛 – 院長からのメッセージ | 高杉こどもクリニック)
上記で紹介したのは、突発性胸痛と考えられる原因不明の胸痛で、小学校1年生の女の子の例です。突発性胸痛は突然起こり、子供の話を聞く限りでは心臓に何か異常があるのかと思えるような症状が出ることがあります。
突発性胸痛の特徴の1つは、胸の痛み以外に症状がないことです。熱や頭痛、そのほかの体の部位の異常やふらつきなどがない場合は、突発性胸痛の可能性が非常に高いです。
13歳の女の子。最近胸の真ん中や右、左上が2~3秒チクチク、ズキスギするという。部活はサッカー部。練習や試合では何ともなく、失神したこともない。筋肉の痛みでもない。 診察ではレントゲンや心電図、エコーも正常、運動負荷テストも陰性で原因が見当たらない特発性胸痛だった。
(引用元:こどもの胸痛と失神 ~胸痛の大多数は「突発性」 多いストレスなどの〝成長痛〟~ | 一般財団法人 脳神経疾患研究所 総合南東北病院【地域がん診療連携拠点病院・地域医療支援病院】 )
突発性胸痛は、痛む部位が胸の真ん中〜左ということが多いそうです。痛みの種類は、ズキズキ、チクチクといったものから、ぐっと差し込むように痛むこともあります。症状は幅広いので、上記のような例から漏れる突発性胸痛もありえます。
日中で病院の診療時間の場合はかかりつけ医に相談するのも一案ですが、夜間や休日はそのまま様子を見ても良いそうです。
どのくらいの頻度で起こるかなどは様子見しておこう
様子見をする場合は、子供の訴えをよく聞いて、どこがどのように痛いのかや痛みが続いた時間などを記録しておきましょう。特に疾患につながるような胸痛でなくても、痛みの頻度が多い場合は子供のQOLに影響が出ることも考えられます。主治医と具体的な対策を考えるためにも、できるだけ正確な記録を取っておくことが大切です。