「小児良性発作性めまい」とは
小さい年齢の子供がめまいを起こす原因に「小児良性発作性めまい」があります。10歳以下の子に多く、特に女の子に見られます。
具体的な症状
ひきた小児科クリニック副院長の疋田敏之氏によると、「小児良性発作性めまい」の症状としては以下のようなものがあります。
(1)前触れもなく、数分~数時間ぐるぐる目が回るようなめまいが起こり、自然に快復する。
(2)神経・聴力・平衡機能に異常が見られない。
(3)脳波に異常が見られない。
(引用元:子どもが頻繁に腹痛やめまいを訴えていたら【症状と原因編】|ベネッセ 教育情報サイト)
小さな子の場合、自分自身で症状を的確に説明することはできません。ふらふらしている、歩き方がおかしい、歩くのを怖がる、もしくは嫌がるようであれば、めまいの可能性がないか考えてみましょう。軽症であっても、めまいの原因を見極める必要があります。いつもと比べておかしいと思ったら、まずは受診しましょう。
原因
原因については、まだよく分かっていません。いつもとは違うイベントを前にして、ストレスにかかっている可能性もあります。
また、片頭痛と共通した因子が潜んでいる可能性もあると言われています。実際に発作時に片頭痛や吐き気を伴う子もいるようです。
対処法
小児良性発作性目まいは、「良性」とついている通り心配し過ぎるものではありません。軽症なら自然治癒することも多いので、経過観察が一般的です。中等症以上では、内服治療も行われます。
ただこちらも上記と同様、めまいが他の病気の可能性もあるため、まずは医師にきちんと診断してもらう必要があります。できるだけ早めに受診をしましょう。
他に可能性のある病気は
その他のめまいによる病気の可能性としては、「ストレスによる心身性のめまい」「内耳炎」「てんかん」などがあります。
大人のめまいに代表する内耳疾患の「メニエール病」もありますが、子供には極めてまれであると言われています。ただし可能性がないわけではありません。また、めまい以外に吐き気などの症状がある場合、脳腫瘍の可能性を考える場合もあります。
めまいが気になる場合は、耳鼻科(神経耳科)、小児科(小児神経)、神経内科など神経の専門医に受診をしてみましょう。
まとめ
めまいから考えられる病気はいろいろありますが、大切なのは「早めに原因を明らかにする」こと。子供がめまいを訴えたら、聞き逃さずに受診してみましょう。
何度か受診することも、よくあることです。めまいの症状や時間帯、回数などもチェックして、お医者さんに伝えてみてください。
参考
ふらふらする|白クマ先生の子ども診療所
子どもに起こりやすい起立性調節障害|社会福祉法人恩賜財団済生会
頻繁に起こる腹痛やめまい 子どもの病気を専門医が解説|ベネッセ教育情報サイト
子どもが頻繁に腹痛やめまいを訴えていたら【症状と原因編】|ベネッセ教育情報サイト
10歳以下に多い「小児良性発作性目まい」、自然治癒多い|あなたの健康百科
子供のめまい 神経耳科 伊藤 彰紀|埼玉医科大学病院
(1)起立性調節障害(OD)|日本小児心身医学会