子供のめまい 考えられる原因と対処法

めまいは大人だけに起こるものと思われがちですが、子供や女性にも起こります。子供がめまいを訴えると、「気のせいでは?」「サボりたいだけかも」と思ってしまうこともあるでしょう。しかしさまざまな病気の可能性がありますから、めまいの原因を見つけることも重要です。

今回は子供がめまいの症状を訴えた際、考えられる原因と具体的な症状、対処法についてご紹介します。

子供のめまいの原因は?

子供に考えられるめまいの原因は、主に「脳」か「内耳」にあります。

脳には、体のバランスを取る機能が備わっています。例えば脳貧血などの異常が起こると、ふらふらとめまいがすることがあります。内耳も、バランスを取る器官から、異常があればめまいが起こる可能性はあります。

他の可能性としては、骨折、関節痛、筋肉痛でもふらふらすることも考えられます。まずはこれらの原因が考えられないか確認してみましょう。具体的に子供のめまいの中で、可能性がある病気を2つ見てみましょう。

「起立性調節障害」とは

子供のめまいの原因として主に考えられるのが「起立性調節障害」です。いわゆる「サボりかも」と疑われやすいですが、自律神経系の異常によるものであり、本人の気力で治せるものではないので注意が必要です。

具体的な症状

大阪府済生会吹田病院の小児科部長、松島礼子氏の「子どもに起こりやすい起立性調整障害」によると、以下の3つに該当し、他の疾患の可能性がない場合、起立性調節障害と考えられます。

立ちくらみやめまいがする

立ち上がった時に気分が悪くなったり失神したりする

入浴時や嫌なことがあった場合に気分が悪くなる

動悸や息切れがする

朝なかなか起きられず午前中は調子が悪い

顔色が青白い

食欲不振

腹痛がある

倦怠感がある

頭痛がある

乗り物酔いがある

(引用元:子どもに起こりやすい起立性調整障害|社会福法人 恩賜財団済生会

思春期の心身の発達は目まぐるしいもの。一般的に小学生高学年から中学生の「思春期」に該当する子供が起立性調節障害の症状を訴えることが多いようです。特に朝の寝起きが悪く、めまいがし、頭痛などを訴えるようになり、何度か小児科を受診するケースが多く見られます。

上記のような項目だけを見ると、親としては「気力が足りない」「そのうち治る」「休みたいから嘘をついているのでは?」と考えてしまいがちです。症状の辛さは本人にしか分かりませんし、反抗期と重なる年齢を考えた結果、疑ってしまうのも分かります。

しかし「めまい」により、他の疾患が見つかる可能性もあります。起立性調節障害の場合でも、まだ症状が軽い間に治療や改善することが大切です。子供が上記のような症状を訴えたら、早めに受診するようにしましょう。

原因

起立性調節障害は、体の発育に比べ、循環器系や自律神経系の機能が未熟で、いわゆる「脳貧血状態」になることが原因だと言われています。脳貧血は脳に十分な血液が行かないことで、必要な酸素が不足して起こります。

日本小児心身医学会の「(1)起立性調節障害」によると、病気が起こる「有病率」と性別による差は以下の通りでした。

1)有病率 軽症例を含めると、小学生の約5%、中学生の約10%。重症は約1%。不登校の約3-4割にODを併存する。

2)性差  男:女 1:1.5~2

(引用元:(1)起立性調節障害(OD)|一般社団法人 日本小児心身医学会

男の子よりは女の子の方が多く発症しやすくなっています。中学生の1割というのは、決して少ない人数ではないことを頭に入れておきましょう。上記の割合を含めて、起立性調節障害は誰にも起こり得るものだと認識しておきましょう。

対処法

対処法としては、軽症であれば内服治療の必要はありません。次のようなポイントに気を付けると、症状を緩和することができます。

  • 起きるときは、ゆっくり起き上がる
  • 長時間立ったままではいない
  • 短時間でも立っている間は足を動かすか、クロスさせる
  • 日中は横にならない
  • 1日1.5~2ℓの水分をとる
  • 塩分を多めにとる
  • 眠くなくても遅くまで起きずに就寝する(就寝時間を決めておく)

他に大切なのは、ストレスコントロールです。自律神経はストレスの影響を大きく受けますから、ストレス解消をしたり、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

ストレスを溜めないためにも大切なのは、「親と学校の理解」です。起立性調節障害はサボりと思われがちで、自分ではどうすることもできない子どもは、苦しむこともあります。余計に治りが遅くなってしまいますから、軽症のうちに親も学校側も理解しておきたいものです。

自律神経系の病気であることを、学校側にも確認しておきましょう。症状を抱えている期間も、心身的な負担を抱えずに学校に通えるよう、相談したりサポートするようにましょう。症状が中等症以上になると、薬物療法も行われます。