暴言・暴力を防ぐために
それでは、実際に暴言や暴力を子供に与えてしまっている親御さんは、これらを踏まえてどんなことをすればいいのでしょうか。
しつけと暴言や暴力の違いを知ろう
一般的に暴力や暴言は虐待と呼ばれることもあり、犯罪に値する行為になりえます。こういった虐待行為の中には身体的虐待や心理的虐待、性的虐待、ネグレクトなどの種類がありますが、暴力や暴言は身体的虐待や心理的虐待に該当します。
自分では暴力をふるっている自覚がなくても、暴力になっているかもしれません。なかには、しつけと言いながら虐待を行っている親御さんもいます。では、しつけと虐待の違いはなんなのでしょうか。
一般的に虐待とは、大人が自分の感情に任せて子供を力でコントロールしようとする行為を指します。一方、しつけとは保護者が感情に任せて子供をコントロールするのではなく、子供が自分の感情や行動をセルフコントロールできるように教えることをいいます。
この違いを明確に覚えておき、子供への虐待を未然に防ぐようにしましょう。
ちゃんと叱り方を学ぼう
自分が暴力をふるっていたり、暴言を吐いてしまっているという自覚がある親御さんは、一度自分の叱り方を見直してみましょう。
子供の自尊心を傷つける叱り方をしてしまうと、そのときの記憶がしっかりと脳に焼きつけられ、子供は傷つけられることに怯える性格になってしまいます。
自分のイライラをぶつける叱り方ではなく、冷静にダメなことを伝える叱り方をしましょう。子供を叱るときは、子供の目を見てダメな理由をしっかり説明してあげると、子供も納得しやすいです。
気づいていないうちに暴力
あなたが直接子供にしていること以外にも、気づかないうちに暴力や暴言が子供に見られてしまう瞬間があります。例えば、テレビで野球を見ていて納得のいかない試合展開が続いたときなどに暴言が増えたりしていませんか。
そういったときに出てきた言葉や行動を子供は見ています。それを真似して、子供も同じように暴言を吐いたり、暴力をふるったりすることがあります。なので、もし心当たりがあるのであればやめるようにしましょう。
自分の口癖になってしまっているとなかなか気づけないことも多いです。そのため、第三者に自分を見てもらい、指摘してもらうことも大切です。
例えば、夫婦でお互い指摘し合うというのも良い解決策の一つではないでしょうか。もし自分のパートナーが暴言を吐いていたり、暴力をふるっているのであれば、ちゃんと指摘してあげるようにしましょう。
1人で悩みを抱えないようにしよう
子育てに関するいろいろな不安は1人で抱え込みがちになってしまいますが、他人と共有することで少しでも和らぐのであれば、ぜひ誰かに相談してみてください。
こういった子育ての悩みを相談するための相談サービスも各市町村で行われています。電話などで気軽に話を聞いてもらえるので、お住まいの地域で調べてみるといいでしょう。
また、家庭内に味方を作っておくのも一つの方法です。相談相手が身近にいるだけでも気の持ちようが変わってきます。
自分なりの気持ちのコントロール方法を見つけよう
子育てをしているとどうしてもイライラしてしまい、なかなかうまくいかないという悩みを抱えている親御さんも多いようです。
しかし、これはどんな親御さんでも抱えている問題なので、あまり自分を追い込まないでください。まずは自分なりに気持ちを落ち着かせる方法を身につけましょう。
深呼吸をしたり、友達と電話で話をしてみたり、さまざまな方法を試してみて自分なりに気持ちの切り替えができる方法を見つけておくといいでしょう。
また、子育て以外に、自分の周囲の問題でストレスが溜まってしまいイライラする親御さんも多いです。家庭環境などの問題によるストレスを、子供に対する暴力や暴言で発散しないようにしましょう。
終わりに
今回は、子供に対する暴言や暴力の解決方法についてご紹介しました。子育てにはストレスがつきものですが、その感情を子供にぶつけてしまうのは良くありません。
暴力や暴言を受けた子供は、そのつらい経験をしっかり覚えています。子供が親になったとき、自分と同じようなことをしてしまわないように、正しい叱り方を身につけておきましょう。
虐待は、どんな親にも起こりうることです。決して1人で抱え込まず、身近な人に相談しましょう。親御さんの心の健康が、子供の健やかな成長につながるはずです。
参考
子どもにイライラ、先生に暴言、友だちの悪口……「私は毒親」と気づいたママの告白|ママスタセレクト
東京都こころといのちのほっとナビ~ここナビ~|東京都福祉保健局
どこまでが『しつけ』で、どこからが『虐待』??|奈良県
暴力だけではない。親の暴言でも子供の脳が変形するという悲劇|MAG2NEWS
「もうママ知らない!」子どもに暴言を吐かない親になるには?|ベネッセ教育情報
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