吃音になる原因とは
吃音の原因に関しては、間違った認識や対処法の情報などが多く存在しています。
吃音の治療は、原因について仮説を立てることから始まります。したがって、何が原因で吃音になったかということが重要になってきます。
これまで吃音の原因については多くの学説が存在し、研究が進められてきましたが、まだ定説とされているものはありません。
現在原因論とされているのは大きく分けて、素因論、神経症説、学習説の3つです。
素因論は、アメリカにおいて、身体的な機能や遺伝などが吃音に関係しているのではないかと考えられ研究されています。
神経症説は、その人が情緒的な障害を持っていて、周りの評価を気にしすぎてしまうことや不安定で自己認識の不確実な人格構造が原因であるという説です。
吃音は情緒的な葛藤が基にあり、それが外に現れたに過ぎないと考えられています。この考え方は、主に精神科医や心理学者によるものです。
学習説は、吃音は普段の生活から学習された行動であるという考え方です。会話中に聞き手との間に生じる緊張や葛藤と、言語の獲得期間の話し方が相まって身についていくのが吃音とされています。
ほかにもさまざまな研究が進められていますが、この3つの学説が有力と言われています。ほかの研究者はこの説に加えて、新たな研究を行っています。
吃音は治るのか
吃音の治療法についても、原因が正しく解明されていないため確立されていません。すべて対症療法を行っていくというかたちになります。
吃音の患者さんの年齢や段階に合わせて、訓練や指導を行うという治療が多いようです。
幼児期には言語機能もまだ発展途上であり、家庭内での指導や環境作りという治療を行っていくことも可能です。スムーズに話せるという経験を増やしていくことで脳内の神経を強化することができ、吃音の消失にもつながることが明らかになっています。
学齢期になると、精神的に不安を感じやすい年齢となっていることから、話すことに関して消極的になってしまう場合が多いです。そのような場合は無理に話させるというわけではなく、1対1でのコミュニケーションなどによる指導が有効となっています。
成人期になると精神的にも大人になり経験も多くなるため、吃音が生じた際の対処法を身につけているという場合が多いです。
逆にこのタイミングで対処が必要になった患者さんは身の回りに不安を感じることが多く、日常生活にも影響が出始めます。
カウンセリングや認知行動療法などが行われることもあるため、治療がより難しくなるかもしれません。
また、吃音は自然に治る可能性も十分あります。うまく話せる時期とうまく話せない時期を繰り返すことで治ると言われています。特に幼児期には上記で記したような治療が多いため、決して治らないでは症状でがありません。