「心因性頻尿」とは?
膀胱などの排尿機能に問題がない場合でも、子供の頻尿が起こることがあります。これを「心因性頻尿」と呼びます。この心因性頻尿による頻尿は、幼児では膀胱炎に続いて多いと言われています。ここでは、心因性頻尿について詳しく見ていきましょう。
心因性頻尿の原因
心因性頻尿は、精神的な要因やストレスが原因で発症します。気になること、環境の変化、心配事、怒られるかもしれないという恐怖感など、さまざまなことが原因となって起こります。幼稚園で起こった出来事や、家庭内でのちょっとしたことがきっかけで発症する場合もあるので、日ごろから子供の様子をよく見ることが大切です。
心因性頻尿の症状
心因性頻尿の特徴として、遊んでいるときなど何かに夢中になっているときや夜寝ているときは尿意をもよおさないということがあります。そのほかにも、トイレに行っても尿が少ししか出ない、排尿痛、腹痛、発熱など身体的な症状が見られません。一過性の場合もあるようですが、トイレに頻繁に行かないといけないので集中できないなど、日常生活に支障をきたしたり症状が長引いたりしている場合には小児科に相談することをおすすめします。
親ができるサポート
ストレスなどの精神的な要因で発症する心因性頻尿は、親が原因となるストレスなどを軽減してあげることが大切です。子供が心因性頻尿になってしまったときに親ができることについてまとめました。
ストレスの原因について考える
まずは、どのような精神的な要因で子供のトイレが近くなっているのかを考えてみましょう。よくある原因として、以下のようなものが挙げられます。
- 就園・就学前
- 弟や妹が生まれた、または生まれる予定
- 強く子供を叱った
- テストや発表会など緊張することが続いている
- 幼稚園などの集団生活においてトイレに行くのを我慢している
- トイレトレーニングで親が強制的にトイレに行かせた
子供の最近の生活を振り返り、環境的または心理的な要因を探します。心当たりのある要因の内容によっては解決・改善を必要とする場合もありますが、自然な対話やスキンシップを通して子供に安心感を与えてあげることが大切です。
子供が自由にトイレに行けるよう心がける
子供が心因性頻尿の場合は、子供がいつでも自由にトイレに行けるようにしてあげましょう。「気のせいだからトイレに行かなくていい」など、子供がトイレに行くのに制限をかけるような言動は逆効果です。子供がトイレに行きたくなったらいつでも行っていいということを伝え、頻尿のことは気にならないような言動を心がけましょう。
ゆったりとした気持ちで見守る
子供の頻尿は、親にとっては心配なものです。しかし、あまり親が心配しすぎると子供も気になって治りにくくなると言われています。親がゆったりとした気持ちで構え、治ると信じて見守ることも大切です。頻尿は決して恥ずかしいことではありませんので、子供が安心して過ごせるようにしてあげましょう。
まとめ
子供のトイレが近いと親は焦りや不安を感じるものです。子供の頻尿は、不安やストレスなどが原因で起こることが多いようですが、なかには細菌によるものやほかの病気が隠れていることもごく稀にあります。親が子供を心身ともに見守り、不安があれば病院を受診することをおすすめします。心因的な頻尿の場合は、親は焦らずリラックスして子供のストレスが軽減するよう努めてあげてください。
参考
子どもの頻尿の原因と対処法! 年齢別のトイレ平均回数も紹介|いこーよ
【医療相談室】小1 30分に1度の頻尿|ヨミドクター
子どもの残尿感と頻尿が気になる。考えられる原因と対処法|teniteo
子どもの病気 心因性頻尿|片山こどもクリニック