子供は大人に比べてトイレが近いものです。しかし、さっきトイレに行ったはずなのにまた行きたがる子供に対して、「さっき行ったのに」とついネガティブな反応をしてしまった経験のある親御さんもいるのではないでしょうか。また、ほかの子供よりトイレの回数が多いのではないかと心配している親御さんもいることでしょう。当記事では、子供の頻尿の原因やその対処法について紹介します。
もくじ
子供の頻尿について知りたい!
「トイレが近い」と言っても、どのような目安で「頻尿」と呼ばれるのでしょうか? また、子供のトイレが近いのは、どうしてなのでしょうか? ここでは、子供の頻尿について詳しく解説します。
【年齢別】通常のおしっこの回数
子供が通常1日に行くトイレの回数は、年齢によって異なります。排尿機能がまだ成熟していない子供は、自然とトイレに行く回数も多いものです。体の成長にともない、回数は減少してきます。
子供の尿の回数
年齢 | 尿回数の目安 |
1〜2歳 | 2時間おきに8〜12回 |
3〜4歳 | 3時間おきに5〜9回 |
4歳以降 | 3〜6時間おきに4〜8回 |
参考
頻尿の場合のおしっこの回数は?
トイレトレーニングが完了した4歳児以降で、トイレに行く回数が10回以上、トイレの間隔が2時間より短い場合は頻尿が疑われます。気になるときは、子供の1日のおしっこの回数や、1回のおしっこの量を記録してみましょう。このような記録は、病院を受診する際に役立ちます。あまり神経質になりすぎるのはよくありませんが、子供の頻尿を理解し受診する目安やタイミングを知るきっかけとなります。今行ったはずなのにまたすぐにトイレに行きたがる、なかなかトイレから出てこない、排尿時に痛がるなどの症状をともなう場合は注意が必要です。
子供の頻尿の原因と症状
子供がトイレに行く回数は、水分を多くとったときなどは通常より多くなるものです。子供の頻尿が気になる場合は、トイレに行く頻度よりどのように行きたがっているかをチェックしてみましょう。子供の頻尿の原因と症状を紹介します。
膀胱炎(尿路感染症)
おしっこが出る部分から大腸菌などの細菌が侵入し、膀胱の中で炎症が起こるのが膀胱炎です。女の子は膀胱までの尿道が短いため膀胱炎になりやすいと言われています。一方、膀胱に到達する前の尿道で菌が繁殖して炎症を起こすのが尿路感染症です。尿道が長い男の子に多いようです。頻尿、排尿時の痛み、尿が出にくい、すぐトイレに行く、残尿感などの症状があります。このような症状が見られた場合は尿検査で白血球や細菌について調べ、感染症であれば抗菌剤による治療が必要となります。
過活動膀胱
尿を出そうと思っていないときに膀胱が勝手に縮んでしまい「トイレに行きたい」と感じるのが過活動膀胱です。お年寄りの頻尿の原因としてよく知られています。子供の場合は膀胱の機能が未熟なために起こり、成長にともない自然と治ると言われています。尿もれが頻繁にある場合や5歳を過ぎても尿もれが続く場合は、検査や治療が必要になることもあります。
尿崩症(にょうほうしょう)
尿崩症は、ホルモンに関連した病気の1つです。尿を濃縮するホルモンがうまく働かず、尿が多くなる、異常にのどが渇く、多飲などが主な症状です。
糖尿病
子供の頻尿の原因の1つとして、小児糖尿病があります。小児糖尿病は、のどの渇き、多飲多尿、夜間の頻尿などの症状が見られます。
受診の目安とタイミング
子供に頻尿の疑いがある場合、または子供の体調がおかしいと思ったときは、とりあえずかかりつけの小児科を受診しましょう。さらに頻尿にともない、腹痛・発熱・排尿時の痛み・多飲・血尿などの症状が見られた場合は、すぐに受診することをおすすめします。尿検査や血液検査などが行われ、必要であれば泌尿器科や内科への紹介状を書いてくれます。