ほっと一息つくときの飲み物として定番のコーヒー。親が飲んでいるのを見てコーヒーを飲みたがる子供もいることでしょう。しかし、カフェインを含むコーヒーを「子供に飲ませても大丈夫?」と悩む親御さんもおられるのではないでしょうか。当記事では、カフェインが子供に与える影響や子供にコーヒーを飲ませてもいい年齢の目安などについて紹介します。
もくじ
子供がコーヒーを飲んでいいのは何歳から?
子供のコーヒー摂取について気になる要因が、コーヒーに含まれているカフェインです。コーヒー1杯(100ml)におよそ60mgのカフェインが含まれています。コーラ1缶(355ml)に含まれるカフェインの量は40mgなので、コーヒーにはかなりのカフェインが含まれていると言えます。それでは、子供にコーヒーを飲ませてもいい年齢の目安はどのくらいなのでしょうか。
参考
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
国により違う子供のカフェイン摂取制限
子供のカフェイン摂取量の制限は、国によってさまざまです。ここでは、国ごとに異なる子供のカフェイン摂取量の目安などについてまとめました。なお、ここで呼ばれる「子供」とは4歳以上を指しており、0〜1歳児は「カフェインを含む飲み物は飲ませない」、2〜3歳児は「茶などを薄めたものをコップ1杯程度まで」が推奨されています。
米国
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、健康な大人が摂取しても健康にリスクがないであろうとされるカフェイン量を400mgと提唱しています。これはコーヒー約4〜5杯程度です。同局は、子供のカフェイン摂取量については設定しておらず、医師などに相談することをすすめています。これに対しアメリカ小児科学会は、子供のカフェイン摂取量を1日100mgあるいは2.5mg/体重(kg)未満にするべきであるという研究結果を発表しています。
カナダ
カナダ保健省では、子供のカフェインの摂取制限を以下のように推奨しています。
年齢 | カフェイン推奨摂取量 |
4〜6歳児 | 1日に 45 mg 未満 |
7〜9歳児 | 1日に 62.5 mg 未満 |
10〜12歳児 | 1日に 85 mg 未満 |
13歳以上 | 1日に 2.5 mg/kg 体重未満 |
オーストラリア
オーストラリア保健・食品安全局によると、子供(3〜18歳)は、1日に3mg/kg 体重未満のカフェイン摂取量であれば安全であるとされています。
フィンランド
フィンランド食品安全局は2016年に、子供のカフェイン摂取に関して少量でもいくつかの副作用があると発表しています。調査結果によると、体重50kgの青少年では、1日50mgのカフェイン摂取でカフェイン依存症の兆候があり、1日125mgを超えると不安・イライラ感などの副作用が見られたようです。1日15mgであれば副作用は見られなかったとされています。
日本
日本の厚生労働省は、子供のカフェイン摂取量について基準値などは設けていません。しかし2011年に内閣府食品安全委員会が発表したカフェインについてのファクトシートによると
国内においてカフェインを含む食品に よる過剰摂取や妊産婦及び子供への影響を懸念する意見があることから、情報収集を行い、 リスクに関する情報を提供することが重要である
(引用元:食品中のカフェインファクトシート|内閣府食品安全委員会)
と提唱しています。
なぜ子供はコーヒーを飲んではいけないか
子供にコーヒーを飲ませてはいけないと言われる理由は、コーヒーの中に含まれているカフェインが子供に悪い影響を与える可能性があるからです。利尿作用などのメリットもあるカフェインですが、いくつかのデメリットもあることで知られています。大人と比べて子供はカフェインの成分に対する感受性が強いため、少しのカフェインでも体に大きな影響を与えてしまうこともあります。特に胃腸機能が未熟な小さい子供には、カフェインを含むコーヒーの摂取について慎重に行う必要があります。