子供の頭痛で考えられる原因
子供が発熱して頭痛を訴えたときに、体調不良や鼻炎など、日常で起こること以外に考えられる原因もあります。ここでは、精神的なストレスが原因で起こる心因性の頭痛を含めて4つの原因をご紹介します。あくまで一般的なものなので、焦って診断を下すことは避け、専門医に相談するようにしましょう。
髄膜炎(ずいまくえん)
髄膜とは、脳を覆っている膜の総称です。髄膜に炎症が起きることを髄膜炎と呼びます。髄膜炎は、細菌が入ることで起きる化膿性髄膜炎と、ウイルスが入ることで起きる無菌性髄膜炎の2つに分けられます。
子供がかかりやすいのは、無菌性髄膜炎です。一般的な症状としては、発熱や頭痛、嘔吐などがあります。発症してから数時間は風邪と似たような症状ですが、息が苦しくなったり、意識に障害が起きたり、けいれんをするようになります。症状が進むと、数日で命に関わる状態になりかねません。風邪のような症状であっても、呼吸が苦しそうだったりけいれんが起きているようであれば、救急医療機関を受診するようにしましょう。
脳炎
脳炎は、脳自体に起きる炎症の総称です。一般的な症状は、発熱や頭痛、嘔吐、意識障害です。脳にウイルスが入ることで、脳が腫れて頭痛を伴います。
初期症状が風邪と似ていることから、風邪だと判断する可能性が高いです。脳炎の原因となるウイルスはさまざまあり、髄膜炎が脳にまで達すると髄膜脳炎と呼ばれます。
熱性けいれん
熱性けいれんは、髄膜炎や脳炎と異なり、生後6ヶ月~5歳ころまでの子供が起こす発作です。日本では、約8%の子供が熱性けいれんの発作を起こすといわれています。
熱性けいれんは、風邪などで熱が38.0度以上になると起こります。けいれんの特徴は、2~3分程度で自然に治まることです。まれにてんかんに移行することがありますが、髄膜炎や脳炎と比べると予後の良い症状とされています。
参考
Q20:熱性けいれんはどのような病気ですか?|一般社団法人日本小児神経学会
心因性の頭痛
心因性の頭痛は、主にストレスや不安、恐怖が原因で起きる頭痛です。これにはさまざまな要因が考えられますが、例えば睡眠時間が少ないのもその1つです。夜遅くまでテレビやスマートフォンを見て、睡眠時間が短くなりがちです。また、中学生になると部活動や勉強で睡眠時間を削ってしまうこともあるでしょう。ほかにも、就学した子供は対人関係やプレッシャーにより頭痛を感じることがあります。
まとめ
子供が熱を出して頭痛を訴えているときは、子供の様子をよく確認するようにしましょう。呼吸や意識に異常が認められる場合は、救急医療機関へ連絡することをおすすめします。また、分からないことや不安があるようでしたら、専門的な知識を持っている医者に確認をすることが最優先です。
参考
頭部を痛がっている場合|白クマ先生の子ども診療所|日本医師会
こどもの救急|公益社団法人日本小児科学会
発熱時の注意|あおきこどもクリニック
頭痛・機嫌不良について|阪神北広域こども急病センター
発熱について|阪神北広域こども急病センター
頭痛の減らし方:子供の頭痛|医療法人 稲村脳神経外科クリニック
なるほど健康 子どもの病気|トヨタ記念病院
Q52:子どもの頭痛と治療について教えてください。|一般社団法人 日本小児神経学会
子どもの頭痛について|子ども用バファリン
どんな症状?|よくわかる髄膜炎菌
熱が出たら|子どもが病気になったら
基礎編|子どもの発熱Q&A|発熱したら|テルモ体温研究所
ビクッとして起きてしまう!睡眠中の落下感の原因は一体何?|raycop
こどもの急病!上手な受診のしかた!|和歌山市
髄膜炎・脳炎|独立行政法人国立病院機構宇多野病院